おいしいことと安全安心を一番に考えて
バブル崩壊後、パン作りに疑問を抱き、現在の健康志向のパンに至ったと語る「パン工房 元」のご主人。パン作りに携わること54年、お店以外に学校や企業でもパン作りを教えていたり、お店のホームページではパン作りの動画を公開していたり、そのおしみない情報提供に、いかに健康を大切にしているかが伝わってました。
2人ほどしか入れない小さな店内には、100円台から数多くのパンが並び、ピンクの前髪がカッコイイ奥さまが迎えてくれました。
2006年の種起こし以来、種継ぎしているという自家製熟成酵母「ルヴァン」。こちらがすべてのパンに使われています。
パン生地はアレルギーを考慮して、卵・バター・マーガリン・乳製品・防腐剤・添加物は不使用(バターは塩パンのみ、乳製品はチーズのみ使用)。
奈良県産小麦粉ふくはるか・オリーブオイル・ココナツオイル・菜種油・豆乳・米粉・雑穀・大和当帰(やまととうき)・奈良県産ケールといった、素材が見えて安心安全なパンを届けています。
シンプルで、生地がとにかくおいしい
人気のヒマラヤ岩塩とバターの「塩パン」をはじめ、オリーブオイルと豆乳の「豆乳ロール(5個入)」、クランベリー・クルミ・レーズン入りで噛みごたえある「リュスティック」、ルヴァンリキッド(液体天然酵母)と豆乳の「豆乳食パン」など、ハード系からソフト系まで豊富。
購入したのは奈良ならではのパン「雑穀&大和当帰パン」(400円・税抜)。
「当帰」とは、婦人病・血流改善・滋養強壮などに効果的な生薬で、栄養も豊富。特に奈良産の大和当帰は高品質を誇っているそうです。
そんな大和当帰と雑穀がルヴァン生地に配合された和ハーブパン。切ってみると、バジルやセロリのような大和当帰の爽やかな香りがふわっと香ります。少し粗めの食感で、トーストするとサクサク、温めるとふんわりとします。
バターなどが入ってないので、あっさりと食べやすく、当帰の香りが漂ってそのままでも美味。塩気のあるおかずをお供にしても良さそうです。雑穀と薬草が体に効いているぞと実感して癖になるおいしさです。
こちらはフランスパンのようにしっかりとした「もち麦と金ゴマのパン」(380円・税抜)。中に金ごまが輝き、もち麦と金ごまの異なるプチプチ感がおもしろく、食物繊維もとれます。
罪悪感ない健康的スイーツパンもございます
珍しい「豆乳とココナツオイルのクリームパン」(180円・税抜)。甜菜糖・ココナツオイル・オリーブオイル・有機丸大豆100%の豆乳で炊いたクリームのパンです。
手のひらサイズの大きさで、割ってみると白いクリームが詰まっています。コックリとしたクリームは豆乳風味でまろやかで、甘さ控えめで重くなく、ぺろりと食べてしまいました!
イラストがかわいらしい「大仏君あんぱん」(180円・税込)。
よもぎの香りが豊かな「よもぎあんぱん」(180円・税込)。定番のあんぱんは十勝産小豆の味がしっかり残る粒あんが隙間なく詰まっています。薄皮のパン生地はしっとりと和菓子のようで、リピーターさんが多いのに納得の逸品。
ほかにも、 チョコ・くるみ・アーモンドの入った「ショコラナッツ」、バニラエッセンスが隠し味の「シナモンレーズン」、
「きな粉餡ドーナツ」など、ちょっとだけ罪悪感をなくしてくれるうれしいスイーツパンです!
お客さんの健康のため、今日も試行錯誤を続ける奈良のパン屋さん
忙しい現代人にとって、日常の食事から添加物を完全に抜くことは容易ではない中、少しでもそれらを避けられるようにと願う誠実な「パン工房 元」。コロナ禍だからこそ、「食(パン)」を通じて健康を気遣い、withコロナの時代を生きるという、これからの重要なテーマを、健康志向のパン作りにひた向きなパン屋さんに垣間見た気がしました。
JR奈良駅のお隣の「JAまほろばキッチン」や、三条通りの「JAアンテナショップやまと茶」でもワゴン販売されていて、地元の方から愛されていることがうかがえます。ぜひ奈良駅で降りて寄り道してみてください。
住所:奈良県奈良市大宮町2-2-1
電話:0742-33-8113
営業時間:9:00〜18:00
定休日:月・木
交通:「JR奈良駅」から徒歩約5分
HP:https://www4.hp-ez.com/hp/motopan/page1
[all photos by kurisencho]