【フランスなるほど雑学4】フランスの家では食器洗い機が必需品って本当?

Posted by: 北川菜々子

掲載日: Nov 3rd, 2020

現地の人々には当たり前なことでも、日本人からするとあっと驚いてしまうような雑学が世界にはあります。気がつけば在仏歴12年にもなる筆者も、びっくりしてしまうようなフランス人の行動や習慣、文化などに日々遭遇しています。理由や文化背景を知れば「なるほど、そうだったのか」と思わず納得してしまうフランスの数々の雑学。今回は食器洗い機編をお伝えします。

フランスと日本の台所の違いは、フランスには食器洗い機が必ずといっていいほど備え付けられていることではないかと思います。逆に、フランス人に日本では食器洗い機がない家も多いと話すと、家電製品大国なのに、信じられない!と必ず驚かれます。なぜ多くのフランス人の家では、食器洗い機が備え付けられているのでしょうか。

家事時短のため

フランス人夫婦は、共働きが多く、特に子どもを抱える家庭では、いかに家事を時短するかということが大事です。そのため、フランス人ママの必需品といえば、食器洗い機。朝ご飯で使った食器を食器洗い機に入れて子どもを送って仕事へ行き、夜ご飯を食べた後に、食器洗い機を回して、1日の食器洗いが終了。1日1回ボタンを押すだけで、食器を洗うことができるので、かなりの家事時短となるのです。

キッチンのシンクが小さいため、食器洗いの際に不便

フランスで何度か引っ越ししてみて感じることは、キッチンのシンクが日本に比べて小さいということです。フランスでは、大きなアパートであっても、日本のワンルームマンションに取り付けられているような、小さいシンクということが多々あります。シンクが小さいと子どもを抱える家では、食器の量も多く、とにかく洗いにくいのです。食器洗い機があるからシンクが小さいのか、シンクが小さいから食器洗い機が必要なのかわかりませんが、食器洗い機がフランスで普及している理由がわかります。

洗い物が積んであることを好まない

フランスでは、オープンキッチンの家やアパートが少なくありません。フランスでは、物をあまりゴチャゴチャ置かないスッキリとした空間を好む人が多いので、オープンキッチンに食器が山積みという状態が嫌という人が結構います。使った食器を食器洗い機に入れておけば、わざわざ洗った食器を拭くという手間なしに、清潔な空間を保つことができるのも、食器洗い機が必需品となっている理由のひとつです。

狭いキッチンでも食器洗い機を置けるような設計

日本で食器洗い機があまり普及していない背景に、キッチンが狭いからということが理由のひとつに挙げられています。フランスでも大都市パリなどでは狭いアパートも多く、キッチンが日本に比べても大きいとはいえません。しかし、キッチン自体食器洗い機が置けるように設計されているという違いがあります。その分、日本のキッチンに比べて、収納スペースが小さいというのが特徴です。

食器は基本的に同じ種類を多数所有

1日1回食器洗い機を回すのだと、食器が足りなくなるのでは?と疑問に思いますよね。フランスでは、食器やナイフ、フォーク、スプーンは同じ種類のものを家族の人数分の倍以上は所有しています。そのため、朝使用しても、夜食器が足りないということはないのです。

食器洗い機OKな食器がほとんど

日本では、作家さんの器を集めているという人も少なくありません。和食器は食器洗い機で洗えないものもあり、食器洗い機は便利そうだけど、あまり使えないなぁという人も多いのではないでしょうか。フランスでは、和食器のような器の文化があるわけではないので、食器洗い機が使える食器がほとんどとなっています。

フランス人いわく、食器洗い機を使うことで子どもたちとの時間や自分のための時間が持てると、生活にも少しは余裕ができるようになるとのこと。フランスの食器洗い機の普及からは、家事の時間をなるべく減らして、プライベートな時間を大切に過ごすというフランス人の国民性が見えるようです。

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

北川菜々子

Nanako Kitagawa ライター

2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。

2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。

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