ただの商売上手ではない、京都「金地院」特別拝観

Posted by: 川崎純子

掲載日: Oct 4th, 2013

ただの商売上手ではない、京都「金地院」特別拝観

「仏像を見るなら奈良、庭を見るなら京都」と言われているそうです。
確かに、奈良のお寺には、教科書などに載っている有名どころの仏像が間近に見られたりするし、京都には、手入れの行き届いた有名な「庭」のあるお寺が多いようです。

そんな「庭」がきれいなお寺の中で、それほど人が多くなくて、のんびりと過ごせるお寺としておすすめなのが、金地院です。

紅葉で有名な南禅寺のエリアにあるこの禅寺は、徳川家康のブレーンであった金地院崇伝が1605年に移築したもの。
観光シーズンがどのくらいの混み具合かは不明なのですが、今年(2013年)、夏の暑い日に行ってみると、ほとんど観光客はおらず、入場券売り場の人も暇なのか、「特別拝観もやってますんで、お時間あるようなら、ぜひ」と積極的に営業を仕掛けてくるのでした。

「3時半から『鶴亀の庭園』のところで始まりますんで、今なら、お庭を見て回ると、ちょうどいい時間ですよ」と。

「では」とお願いしてみると、入場料が400円のところ、特別拝観料はなんと700円。
先に料金を言わないところが商売上手です。

指定された3時半に、集合場所の「鶴亀の庭園」に行ってみると、女性がつきっきりで、案内してくれます。
鶴亀の庭園の解説から始まり、建物内に入ってみると、狩野派による天井画や襖絵、長谷川等伯の襖絵「猿猴捉月図」「老松」などが信じられないほど間近で見ることができるのです。

茶道にあまり関心がなくても、「八窓席茶室」を見て、そのこだわりを聞くだけで何となくわかったような気になってしまいます。

というわけで、「商売上手」などと皮肉を言ったのですが、これは700円以上の価値があります。絶対に。
これから京都は紅葉を迎えるわけですが、さらにこの「庭」が心に沁みる景色をみせてくれるかもしれません。

ちなみに、ここの建物には、庭の風景を絵画のように見せる窓などもあり、「こんな部屋に住めたら最高!」と思ったりもするのです。がこんな部屋に住むのは到底無理なのですが(笑)

ただの商売上手ではない、京都「金地院」特別拝観

PROFILE

川崎純子

Junko Kawasaki ライター/エディター

CADシステムのプログラマ、劇団スタッフ、情報誌編集者などを経てフリーに。趣味は、海外旅行に行って自分の実力以上の写真を撮ることと、IT機器いじり。

CADシステムのプログラマ、劇団スタッフ、情報誌編集者などを経てフリーに。趣味は、海外旅行に行って自分の実力以上の写真を撮ることと、IT機器いじり。

SHARE

  • Facebook