誕生日は周囲に祝ってもらうのが一般的ですが、フィリピンは別。「誕生日はみんなにご馳走する日」という、誕生日を迎える人にとって、非常に待ち遠しくない習慣があります。
誕生日前の「おごって」催促
男女限らず、噂話が大好きなフィリピンの人たち。フィリピンの日系企業で働いていたときのことです。日本人の同僚から「誕生日前になると、一緒に働いているフィリピン人から『もうすぐ誕生日だよね〜』と言われる(すなわち、奢れという暗黙のプレッシャー)」という話を聞いたことがあります。
こういった習慣のないわれわれ外国人のなかには、誕生日を内緒にしている人もいるのですが、どこからか情報を仕入れてくるようで・・・。
大人になっても、子どものようにはしゃぐフィリピン人を見ていると、奢らないわけにはいかない! それに、フィリピンの人たちも誕生日にはご馳走してくれるので、「郷に入っては郷に従え」ということなのでしょう。
バースデーの人気メニュー
さらに面白いのが、ご馳走するメニューが毎回、ほぼ決まっているということです。「パンシット・ビーフン」と呼ばれる肉や野菜入りの具沢山ビーフン、ピザやフライドチキンも人気です。ビーフンは長い麺が長寿を連想させることから、誕生日の定番メニューなのだそう。
フィリピンの食文化はアメリカの影響をかなり受けていることもあり、アイスクリームやドーナツも喜ばれるようです。
前述のフィリピンの日系企業で誕生日を迎えた際には、プロジェクトに携わっているメンバー約100人分のおやつを用意することに。結構な出費ですが「ケチな日本人」という噂が立つのも悲しいので、現地の習慣を尊重することにしました。
実際に、誕生日に何も用意しなかった日本人上司は「あの人ケチ!」と陰口を叩かれていた、という衝撃事実・・・! その後、彼の評判が悪くなったのは言うまでもありません。
海外に出てみると、思いがけない習慣を目の当たりにすることが多々あります。海外旅行の際に、そういった習慣に触れる機会があれば、現地の人に混じって楽しんでみましょう。観光だけでは知ることのできない、新鮮な経験ができるはずですよ。
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