日本最西端のバス停がある白浜港からクルーズへ出発!
集合はホテルのロビー。ライフジャケットやフェルトブーツ(沢靴)などの装備を整えたら、車で約20分ほどの白浜港へ向かいます。途中通る西表トンネルは、日本最南端・最西端のトンネルなのだそう。西表島唯一のトンネルでもあります。
白浜港からこのボートで約40分かけて、ナーラの滝へ向かいます。船でしか行けない陸の孤島と呼ばれる集落「船浮(ふなうき)」へ向かう船が出るのもここ白浜港なのだとか。
白浜港の目の前には「日本最西端のバス停」と看板に書かれた白浜バス停があります。いろいろな最南端や最西端があるのを見るたびに、西表島は沖縄の中でも果てにある島なのだなあと実感。沖縄本島の那覇よりもずっと台湾の方が近いんですから、それもそのはずですよね。
港を出発して振り返ると、県道の北の端にある白浜小学校の体育館が見えました。海と山に抱かれた小学校。いい景色ですねえ。
右手に見える杭のようなものには、「二級河川 仲良川起点(右岸)」と書かれています。ここからマングローブ林の広がる仲良川(なからがわ)に入っていきますよ。
マングローブ林でサガリバナを発見!
ボートの先頭に立つと、席に座っているときとはまた違った風景が見えてきます。川の流れは穏やかですが、冒険感がアップ。船長になったような気分です。クルーズのときはぜひ先頭に立ってみてください!
西表石垣国立公園内である川の両岸にはモリモリとマングローブ林が広がっています。実はマングローブって植物の名前ではないって知っていましたか?潮の満ち干の影響を受ける場所、つまり海水が満ちてくる潮間帯に生えている植物の総称が「マングローブ」なんです。どれくらいの種類あるかについては研究者により異なるそうですが、世界中で70種類以上とも言われます。
途中、サガリバナを発見!サガリバナは、夜に花が咲き、朝には散ってしまう幻の花。白やピンクの無数のサガリバナが水面に浮かぶ様子は、西表島ならではの絶景です。
見頃は6月下旬から7月。その時期は、早朝出発するサガリバナ鑑賞クルーズも催行されるそうです。いつか見てみたい!
ピンクのサガリバナを一つ、手にとって匂いを嗅いでみました。オリエンタルなイメージの甘い香りにうっとり。細くて長いたくさんのおしべがプルプル揺れる様子が可愛い。神秘的で不思議な花ですね。
最盛期は、手にとって匂いを嗅がずとも、一帯が甘い香りに包まれるのだとか。
西表島ならではの生き物に会えるジャングルトレッキング
クルーズを終え、いよいよジャングルトレッキングがスタート。約40分のトレッキングですが、今回は晴天でないのがむしろ涼しくて好都合、お散歩気分で快適に歩けます。
キノボリトカゲを発見!すばしこい子ですが、3日間の西表島滞在中、ジャングルの中でよく見かけました。
こちらは、樹皮や岩に着生するオオタニワタリ。葉っぱの根元にこんもりと溜まっている枯れ葉は、時間と共に分解され腐葉土になり、オオタニワタリの養分になります。この木と同じ高さまで自分で成長するのは時間がかかりますが、種を着生させてしまえば簡単に子孫を残せます。ジャングルを生き抜く知恵なんですね。
地元ではオオタニワタリの新芽は食用として、天ぷらやおひたしなどにして食べるそう。
日本最大のドングリ「オキナワウラジロガシ」の帽子がありました。このドングリはカマイ(リュウキュウイノシシ)の大好物。そのおかげでリュウキュウイノシシの肉は臭みがなく、とてもおいしいのだそうです。最高級のイベリコ豚みたい!
いよいよ秘境奥地にあるナーラの滝に遭遇!
さらに小川を渡っていくと・・・
苔むした岩がゴロゴロと鎮座する様子が、屋久島の森を彷彿とさせます。一気に神秘的な秘境ムードが高まってきました!
大きな岩を乗り越えるときは、ガイドさんがサポートしてくれるので安心。
ジャングルを抜け、岩を越え、川岸を歩きます。そろそろナーラの滝が近づいてきました。
見えた!大きな岩と岩の間に、ジャングルの緑の間から流れ溢れるナーラの滝が見えます!
早く近づきたい!このあたりになると、もう岩から岩へ伝うのは難しく、足は川の中に浸かりながら進みます。フェルトブーツが大活躍。
・・・圧巻。あまりの迫力と神秘的な雰囲気に、ただただ無言で見上げてしまう。
滝の前に立つと、水流で起きた風が運んでくる滝しぶきに包み込まれ、身も心もどんどん浄化されていく感じがします。
ああ、いつまでもこの心地いいシャワーを浴びていたい。
滝行?滝壺飛び込み?本当に?
マイナスイオンを浴びたり記念撮影をしたりのんびり楽しんでいると、ガイドさんが「今日はみなさん滝行しますよね?」と言いました。え?本当に?するの?今日そんなに暑くないけど・・・そう、真夏なら滝遊びが最高に気持ちいいと思うのですが、この日の最高気温は26度くらい。トレッキングもちょっと汗ばむ程度の過ごしやすい天気で、水分もほとんど摂らずにここまで来れたほどです。
と思っていたら、「見本見せますね〜」とズンズン滝の中に入り、滝の裏を進み、最後には滝に打たれて滝壺に飛び込むガイドさん。
「今やると体が冷えちゃうと思うので、お弁当を食べながらどうするか考えてください。やるなら帰る直前にしましょう」と手慣れた様子でアドバイスをくださります。
え〜、どうしよう!本当にやるの!?
滝を眺めながらランチ&コーヒータイム
ツアーはお弁当付き。この日は白米にゴーヤのお浸し、野菜シウマイ、エビフライ、鳥のうま煮など。食後にガイドさんが淹れてくれたコーヒーがインスタントなのにすごくおいしく贅沢に感じました。
ナーラの滝に乾杯!
そしていよいよ運命のときが近づいて来ました。今回、私たち以外の参加者は50-60代と見受けられたので、中には滝遊びはやめておく、という人もいると思ったのですが・・・なんとみなさんチャレンジするというではありませんか!スゴイ。これはやらぬわけにはいかないでしょう。
打たれた!飛び込んだ!もぐって泳いだ!
さてこれはなんでしょう?
答えはナーラの滝の裏側です。まずは岸壁と滝の間の隙間を、カニ歩きで伝っていきます。隙間なので、頭にザブザブ滝を受けるわけではないのですが、当然濡れるし水は冷たい。足場が細くなっているところはガイドさんが足を支えてくれます。それでも滑り落ちそうで怖い。
そして打って変わって川遊びを楽しんでいる様子がこちら。滝の裏を伝った後、一度滝壺に飛び込んでしまえばもうこっちのもの。開き直ってプカプカ浮かびながら何でもありな気分になっていきます。
自らさらに飛び込み・・・
潜ったり泳いだり。みんな童心に返って川遊びを満喫しました。
そうですよね、こんなダイナミックな一級の秘境の奥地で、こんな神秘的な滝に出会ったら、やっぱり身も心も大自然に投げ出して冒険してみたい!そんな気持ちになってしまう。西表島の魅力を最も感じられるツアー、恐るべしです。
西表島にはいくつもの滝がありますが、川遊びにおすすめといえばここ、ナーラの滝なのだとガイドさんが教えてくれました。滝のすぐ近くまで行って滝に打たれたり、飛び込めるほど深い滝壺があったり、ちょうど飛び込みに適した岩場があったりとたしかに川遊びに打ってつけ。実際、ツアー参加者はほぼみんな挑戦するそうです。
実は帰りのカヤックが一番難関!
さて、神秘的な滝で人生最大(?)のチャレンジをしてやり切った感に満足していましたが、ここからは約2時間30分かけてカヤックで港まで戻らねばなりません。ガイドさんにカヤック操作のレクチャーを受け、早速出発です!
一人乗りのカヤックはすべてが自己責任ですが、二人乗りのカヤックは後ろに乗る人がキモ。パドルを漕ぐのは二人で息を合わせないといけませんが、実は前の人が漕がないで休んでいても、後ろの人がきちんと漕げばカヤックは進むのだそうです。夫婦やカップルの場合は男性が後ろに座るそうですが、責任重大ですね。
途中、湿地帯でリュウキュウイノシシの親子を発見!ジャングルの中では足跡しか見られなかったので、遠くからでも実物を見られて大満足。
その湿地帯で面白いものが見られるというので、カヤックから降りてちょっと休憩。
地面に無数の砂団子の塊があるのがわかりますでしょうか?これ、ミナミコメツキガニが巣穴から吐き出したものなんです。こんなにたくさん!この地面の下にはうじゃうじゃとカニたちが生息しているのですが、人間がいると巣穴に籠もって出てこないのです。じっと息を殺して待っていても、絶対に出てきてくれません。では捕まえたいときどうするかというと・・・
走るんです!遠くにカニの群れがいるところを目掛けて、全力疾走します!ミナミコメツキガニが気づいて巣穴に籠るのが早いか、自分たちが辿り着くのが早いか、人間とカニの真剣勝負です!
全力疾走で捕まえたミナミコメツキガニ。青くて丸くて可愛い。
カニに癒されたのも束の間、その後は風や雨が出てきて(疲れも出てきて)、カヤックのスピードが落ちてきた筆者たち。本気で漕いでいるのですが、気づくと年配の方々に遅れをとっています。情けない・・・。
そしてついにガイドさんが見かねて、筆者らのボートをリードで繋ぎ引っ張ってくれることに。後から聞くと、この前日に筆者らが夕暮れマングローブカヤックを体験している様子を、別のツアーのガイドをしながら横目で見ていたのだとか。そして明日は最後風も強くなりそうだしあの二人は最後は引っ張らないとダメだなと計算して、トレッキングの帰りのスピードをあげたり、カヤックの戻り時間を巻いたりしたそうです。
ガイドさんにも戦略が必要なんですね。それを聞いて、心から安心してお任せできるなと、感謝の気持ちもひとしお。
旅好きだけれど、普段全くスポーツをしない筆者たちでしたが、ガイドさんとアグレッシブなツアー参加者さんたちのおかげで、一生忘れない西表島の思い出ができました。ありがとうございます!
持ち物チェック〜快適な装備がレンタルできます!〜
最後に気になる持ち物チェック。今回のツアーでは、お弁当、フェルトブーツ、リュック(非防水)、防水バック(5L)、軍手、カッパ(雨天時)、タオルが含まれています。リュックはこんなに可愛い柄もあるので、出発前からテンションアップ!
ホテルの一角に、装備の置かれた小屋があり、ライフジャケット(無料)やフェルトブーツをここで着用。
フェルトブーツはマリンシューズと長靴を合わせたような履き心地でとても軽く、山も岩場も快適にトレッキングできます。滝に飛び込んだときも、川で泳いだときも履いたままですが、靴の重さを感じませんでした。靴下は登山用の厚手のものを持参しました。靴ずれを気にせずワシワシ歩けるのでおすすめです。
10月下旬に体験した筆者らの場合、サングラスは使いませんでしたが、帽子は雨が降ったときも役立ちました。後半風が強かったのでウインドブレーカーは大活躍。写真を撮りたい人は、防水機能のあるカメラやカメラケースがあると安心ですよ。
星野リゾート 西表島ホテル宿泊者限定ツアー
今回のツアーは、星野リゾート 西表島ホテル宿泊者限定のツアー。筆者らは行きはボートでクルーズ、帰りがカヤックでしたが、潮位により往復カヤックとなる場合がありますので、催行カレンダーでチェックしてくださいね。
ダイナミック西表島アドベンチャー
料金:13歳〜65歳 ¥14,300
期間:通年(潮位により往復カヤックとなる場合あり)
※催行カレンダー
時間:9:00~16:00
※往復カヤックの日は9:00~16:30
対象:13歳~65歳(定員8名、最小催行人数2名より)
持ち物・服装
飲み物、フェイスタオル、帽子、サングラス、日焼け止め、酔い止めなど
水着着用推奨+濡れても汚れても良く速乾性のある動きやすい服装、荷物の防水対策、長袖、レギンス推奨(日焼け・けが防止のため)
【晴れの日】日焼け対策(帽子、サングラス)
【曇り・雨・強風の日】寒さ対策(ウインドブレーカー等)
予約:ホテルアクティビティデスク0980-85-7111
(電話受付時間/10:30〜14:00)
予約締め切り:前日18:00まで
※キャンセル規定:前日18:00以降100%星野リゾート 西表島ホテル
https://iriomotehotel.com
沖縄県八重山郡竹富町上原2-2
宿泊予約 0570-073-022 (9:30〜18:00)
参考:国際マングローブ生態系協会
http://www.mangrove.or.jp/subpage/about_mangroves.html