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「Withコロナ」のイギリスでついに新型コロナウイルスに感染した!
パンデミックスタートから早2年以上が経過した2022年5月、イギリス在住の筆者はまさかのタイミングで新型コロナウイルスに感染してしまいました。イギリスでは子どものほぼ100%、そしてワクチンの接種有無にかかわらず、大人の80%が一度は新型コロナに感染したといわれています。
「いまさら?」という感じではありましたが、今回は、「新型コロナウイルスを特別扱いしない」と方向転換したイギリスでの、筆者の新型コロナウイルス感染体験を2回に渡ってお伝えします。
イギリスの現状
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2022年5月現在、イギリスでは国民の約50人に1人が新型コロナウイルスに感染中(推定)で、感染から1カ月で亡くなる人が1週間で700人程度、入院する人が1週間で5,000人程度いるとされています。この数字からも、新型コロナウイルスは消滅したわけではなく、現在もかなりの人が感染、そして治療中といえます。
マスクは本人の自由
「イギリス人はマスクが大嫌い」ということは日本でもよく知られている事実です。イギリスでは現在、屋外でマスクをしている人はほぼゼロですが、混んでいるバスや電車、スーパーマーケットなどでは10%ほどの人がマスクをしています。企業のオフィスなどでは本人の自由で、こちらも20%程度の人が場所を選んでマスクを使っている印象です。
パンデミック前との大きな違いは、以前ならマスクをしていると「この人、大丈夫?」という異様な空気が流れていましたが、現在は白い目で見られることがなくなりました。
現在の基本ルール
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「脱コロナ、Withコロナ」を世界に先駆けて体現するイギリスでは、新型コロナウイルス感染症はウイルス性感冒(インフルエンザや風邪)と同様とみなされつつあります。
無料検査の撤廃
家庭でできる簡易検査キットの(ほぼ無制限の)無料配布やPCR検査は、2022年3月に終了しました。2022年6月現在は、既往症などのある人や医療従事者など限られた人のみが無料の検査を受けられる状態です。
実質は「新型コロナウイルスの症状(風邪の症状)があっても、基本的には検査の必要なし。ただし、家族に既往症のある人がいる場合などは個人の判断で検査すること」というスタンスです。
つい数カ月前までは中学生以上は週2回検査が義務づけられていましたが、180度政策が変わりました。
新型コロナウイルス感染中も隔離なし
驚くことにイギリスでは、新型コロナウイルスに感染しても濃厚接触者はもちろん、本人の隔離の義務もありません。なぜなら、新型コロナウイルスの症状があっても検査義務がないので、風邪と区別がつかないからです。
何かの理由で検査をして陽性になった場合は、感染発覚から大人は5日、子どもは3日ほどはできるだけ家にいるようにと推奨されています。
ただし、医療関係でなくとも職場によっては、会社から検査キットを配布されて陰性になるまでは休む、もしくは在宅勤務に切り替える、というルールを敷いているところも多くあります。
完全無制限なイギリスからの出国およびイギリスへの入国
イギリスからの出国およびイギリスへの入国にはPCR検査も受ける必要はなく、ワクチンの接種証明なども必要ありません。乗り入れる航空会社によっては搭乗前に陰性証明が必要なところもあるかもしれませんが、基本的に無制限です。
パンデミックからの再起を目指すイギリスでは、新型コロナウイルスは依然存在しているものの、法律上はほぼすべてのルールが撤廃され、ほぼ過去のものになりつつあります。ほとんどの人がすでに感染済み、しかも最近では2度目、3度目感染も珍しくないイギリスで、筆者は初めて新型コロナウイルスに感染してしまいました。
次回は、感染がわかった経緯や症状、飲んだ薬、また隔離はしなくていいとはいえ、仕事や子どもの学校の送迎はどうしたかについて、筆者の1週間をシェアさせていただきます。
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