【世界三大サーカス】120年の歴史ある木下・ロシアのボリショイ・もうひとつは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Apr 14th, 2023

世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、日本勢も入る世界三大サーカスの話を紹介します。

サーカスの曲芸のイメージ

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「世界三大サーカス団」には日本勢も

サーカスの劇場内のイメージ
©︎ Pavel L Photo and Video / Shutterstock.com

「サーカス」と言われると、具体的にどんなサーカス団の名前を思い浮かべますか? 「ボリショイサーカス」の名前が筆者の場合は真っ先に浮かび、「シルク・ドゥ・ソレイユ」(コロナ禍で経営破綻)が次でしょうか。

細かく調べると、たくさんのサーカス団が世界にはきっとあるはずで、その中から「世界三大」を選ぶとしたら、どこが入ってくるのでしょう。

そもそも論として、TABIZINEで過去に各種の「世界三大」を紹介した際も同じでしたが「世界三大サーカス団」についても世界で定説があるわけではないみたいです。英語で調べても、それらしい情報が出てきません。

しかし、あくまでも日本でのみ通じる「世界三大サーカス団」については定説があるようで、

  • ロシア連邦サーカス公団(ロシア)
  • リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス(アメリカ)
  • 木下大サーカス(日本)

の3つが挙げられています。いくつ、ご存じですか?

年間の観客動員数が120万人のサーカス団も

ロシア連邦サーカス公団の建物
©︎ E. O. / Shutterstock.com

「ボリショイサーカス」の名で知られる「ロシア連邦サーカス公団」

ロシア連邦サーカス公団については、「ボリショイサーカス」の名前で日本人の多くが記憶しているはずです。本国での呼び名はロシア連邦サーカス公団で、日本公演の際に「ボリショイサーカス」を名乗ります。

ロシア国内に41のサーカス専用劇場を持ち、移動サーカスも展開します。新人育成の場であるサーカス学校やスタジオを運営し、日本を含めた海外公演にも出かけています。

最初の日本公演は1958年(昭和33年)。以来、1,400万人以上の日本人を魅了してきた人気のサーカス団です。納得のブランドではないでしょうか。

「リングリング」サーカスについては聞き慣れない人も多いはずです。2017年(平成29年)の廃業を経て、2023年(令和5年)秋に復活ツアーを予定しているので、その方面で耳にした人もいるかもしれませんが、日本での知名度はどうなのでしょうか。

廃業するも復活?「リングリング」サーカス

「リングリング」サーカスは、アメリカの超名門サーカス団で、150年以上の歴史を誇ります。特に、猛獣ショーが有名で、世界で最も集客力を持ったサーカス団でした。

動物愛護団体からの批判を受けて一部の動物ショーを中止すると、チケット売り上げが減少。高額な運営費を支えきれなくなって、廃業してしまった過去があります。

しかし、2023年(令和5年)には復活の情報が報道されています。今後は、動物の演技ではなく人間の技に特化したショーになるとの話。復活は間近のようです。

120年以上の歴史がある「木下大サーカス」

世界三大サーカス団の最後は、日本勢の「木下大サーカス」です。120年以上の歴史を誇り、年間の観客動員数は120万人(コロナ禍前)と、「リングリング」が廃業してからは世界一の集客力を誇っていたサーカス団です。

新聞各社とタイアップを結び、新聞契約時の特典としてチケットを配布する戦略が功を奏して、日本人に広く受け入れられた経緯があるそうです。この特典チケットで、子どものころに見に行った読者も多いのではないでしょうか(筆者もその1人です)。

もちろん、ロシア連邦サーカス公団(「ボリショイサーカス」)、木下大サーカスも動物ショーがあるため、「リングリング」サーカス同様、プログラムに対する批判的な意見が存在するようです。

しかし、少なくとも日本人にとって最も身近な木下大サーカスは、動物の尊厳や命の問題に向き合い、見解を発表しています。一度、サーカス団の動物がどのような暮らしをしているのか、深掘りした取材をしたいと筆者は思いました。

今度、サーカスへ出かける際には、各サーカス団のプログラムに動物ショーがあるのかないのか、あるなら、動物の扱いに関してどのようなスタンスで臨んでいるのか、その辺も併せてチェックしていくと、より深い視点でショーを楽しめそうですね。

[参考]
世界三大サーカス – 梓書院blog 梓のつぶやき
ボリショイサーカスへようこそ。
「動物を見世物にしない」、米名門サーカス団の決断 – Forbes
ザ・ドキュメンタリー 赤テントの贈り物~夢と感動をつなぐ木下大サーカス~ – テレビせとうち
創業120年を迎えた「木下サーカス」の今 移動費用は1回3000万円、コロナ禍でも退職者ゼロの経営術 – デイリー新潮
立川公演での動物愛護と福祉活動に関する木下大サーカスの取り組みについて – 木下大サーカス
米「リングリング」サーカスが約150年の歴史に幕、ゾウのショー中止が痛手 – AFP
世界最大級「木下サーカス」を知っていますか – 東洋経済オンライン
アングル:経営破綻のシルク・ドゥ・ソレイユ、復活へ歩み着々 – ロイター
動物愛護法への取り組み – 木下大サーカス
世界で広がる「動物福祉」 各地への巡業に調教、サーカスの現場は今 – 朝日新聞
「サーカスで動物禁止法」ラトビアで成立 旧ソ連諸国で初 世界でも続々 – HUFFPOST
ロシアのサーカス団 – ロシア・エクスプレス

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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