【実は日本が世界一】直径1.2km!世界最大の「水中花火」は1988年に洞爺湖で打ち上げられた

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 5th, 2023

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、夏にぴったりの花火の世界一を紹介します。

洞爺湖の花火
 


 

世界最大の水中花火の花火玉

水中花火
※写真はイメージです

日本の花火は、世界トップクラスに優れている印象があります。実際はどうなのでしょう。調べてみると、ギネス世界記録に日本の花火が掲載されたケースは少なくなく、日本の花火会社が世界一の記録を維持しているケースもあります。

例えば、水中花火の分野です。

水中花火とは、平凡社『世界大百科事典』によると、

<水中花火(水に浮上し,または飛びはねて効果を現すもの)>(平凡社『世界大百科事典』より引用)

とあります。

ちょっとよくわからないのでさらに調べてみると、

  • 1.設置式(水上花火とも)
  • 2.打ち込み式
  • 3.投げ込み式

があるようです。詳しくは、

  • 1.最初から水面上に花火玉を設置しておくタイプ
  • 2.水面に一度打ち込んで、沈んだ花火玉が浮かんでから開花するタイプ
  • 3.モーターボートで走りながら点火した花火玉を次々と水面に投げ込むタイプ

といった感じ。いずれにせよ、空中ではなく水面(地表)近くで開花する花火です。ギネス世界記録では「Largest ground firework shell」と書かれています。日本語にすると「世界で最も大きい、足元で爆発する花火玉」といえるでしょうか。

この水中花火の分野で、世界最大の花火玉は、アルプス煙火工業(長野県)の手によって1988年(昭和63年)に開発に成功しています。

直径1.2kmの水中花火

水中花火のイメージ
※写真はイメージです

アルプス煙火工業の開発した花火玉は、どのくらい大きかったのでしょうか?

ギネス世界記録によれば700kg、直径139cmの花火玉だったとされています。139cmといえば、小学校に通う中学年・高学年の児童の身長と同じくらいです。花火玉だけ見ても、すさまじい大きさですよね。

この花火玉は実際に、直径1.2kmの花火として開いたそうです。『小学館の図鑑NEO+プラス もっとくらべる図鑑』によれば、11両編成の山手線(E231系電車)の長さですら220mにしかなりません。クフ王のピラミッドも一片の長さは約230m。日本で一番長いホームの京都駅0番・30番ホームでも558mです。

同社の公式ホームページ、およびギネス世界記録によると、この世界最大の水中花火は北海道洞爺湖で1988年7月15日に開花に成功したとの話。

以来、この花火玉を超える水中花火は、ギネス世界記録に申請した花火の中で限って言えば、世界のどこにも存在しないのですね。

もともと、アルプス煙火工業は、世界最大の打ち上げ花火玉の記録も保有していました。その記録については破られていますが、アルプス煙火工業が世界トップクラスの会社である点には変わりがありません。。

アルプス煙火工業を代表とする日本の花火業界は世界に誇る文化と技術を持っているとあらためて知った上でこの夏も、各地の花火大会やお祭りで美しい花火を満喫したいですね。

[参考]
Largest ground firework shell – Guinness World Records
挑戦の軌跡 – アルプス煙火工業
水中花火のあれこれ – AllAbout
Largest aerial firework shell – Guinness World Records

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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