ジブリ映画は、何度見ても楽しめますよね。特に宮崎駿監督の作品はテレビ放映されるたびに高い視聴率を稼ぎだすといいますから、さすがです。
そこで今回はジブリ映画の中でも、宮崎駿監督の作品に影響を与えたという舞台やモデルの土地をまとめます。
もののけ姫
最初は『もののけ姫』。こちらのモデルとなった場所は、想像の通り鹿児島県にある世界遺産の屋久島です。
国立公園にも指定される同島は、種子島を対岸に眺める大隅諸島の1つ。鹿児島湾の南に浮かんでいます。実際に宮崎駿監督も訪れた過去がありますから、大きな影響を受けていると言えそうです。
同じく日本初の世界自然遺産で、青森県と秋田県の県境に広がる白神山地もモデルになったといいます。
風立ちぬ
宮崎駿監督の最新作にして最後の長編劇場作品かもしれない『風立ちぬ』。こちらは大正から昭和にかけての東京を中心とした日本のさまざまな風景が描かれています。
その中に長野県の富士見高原病院(富士見高原療養所)のシーンがありました。気温の寒さだけでなく、結核で隔離される人物のもの悲しさまで画面から伝わってくる見事な場面でした。
ちなみに富士見高原病院は諏訪湖の近く、山梨との県境近くの富士見高原にあります。現在も結核と戦った人々の資料が残っています。長野に訪れた際には、立ち寄ってみると勉強になるはずですよ。
崖の上のポニョ
次は『崖の上のポニョ』です。広島県の福山市にある小さな港町、鞆の浦(とものうら)がイメージの1つになっていると言われています。
公式には映画の舞台ではないと否定されているそうですが、この町に滞在しながら監督は構想を練ったといいますから、町が大きな影響を与えていると考えられますよね。
ちなみにこの辺りは瀬戸内海国立公園の美しい海岸線が見られます。隣町には尾道があり、瀬戸内しまなみ海道を進めば愛媛県の今治まで行けます。どの季節に行っても美しい景色を楽しませてもらえますよ。
紅の豚
次は『紅の豚』です。この映画はアドリア海が舞台。アドリア海とはイタリア半島とバルカン半島に挟まれた海。北はベネチア湾、南はオトラント海峡を経てイオニア海、地中海へと続いています。
沿岸にはイタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、アルバニア、ギリシアなどが続いており、例えばクロアチアの海岸沿いに浮かぶ美しい島々がモデルの1つとされています。
なかなか足を運べる場所ではありませんし、まして主人公のように空から眺める機会は少ないと思いますが(ヘリコプターの遊覧ツアーあり)、写真集や映画を見ながら旅心を満たしたいですね。
となりのトトロ
日本で最初にトトロの森と呼ばれた里山があります。東京と埼玉の都県境に広がる狭山丘陵ですね。こちらは開発の進む里山を守ろうと、住人の寄付によって買い取られた森です。
狭山丘陵は『となりのトトロ』の舞台になったとされており、トトロの森という呼び方には宮崎駿監督もお墨付きを与えています。
森の中には狭山湖と多摩湖があり、隣接して西武園ゆうえんちなどもあります。森の散策に、あるいはレジャーに最適なエリアですので、週末にでも出掛けてみては?
天空の城ラピュタ
『天空の城ラピュタ』はイギリスのウェールズ地方が舞台のヒントとなっています。ウェールズとはイギリスを形作るエリアの1つですね。
サッカーが好きな人であれば、あのギャレス・ベイル選手の生まれた国と言えば分かりやすいでしょうか。
ちなみにモデルの1つとなったカーナーヴォン城はウェールズの北部、アングルシー島を対岸に眺められる、カーナーヴォン城湾に面した絶好の立地にあります。
中庭に建つと石積みのお城の見事な作りを楽しめます。目の前の駐車場からは遊覧船も出ており、船の上からも眺められるようになっています。とても美しいですよ。
以上、宮崎駿監督の作品に影響を与えたと言われる町や風景をご紹介しました。ただ実際は『魔女の宅急便』のように、いくつもの町並みを混ぜて作った舞台も多いと聞きます。むしろ「ここは○○」と場所を断定できる作品の方が少ないですよね。
また、各シーンの背景や基本の設定画を最初に描く美術監督の存在もあります。どこかの町を参考にしていたとしても、アニメ映画で描かれた世界が “その町そのもの” であるかと言われれば、なんとも言えない部分はどうしてもあります・・・。
それでも「宮崎駿の世界の舞台になったんだよ」と言われれば、なんだかワクワクしてきますよね。ぜひとも次の旅の目的地選びで参考にしてみてください。
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