【日本三大くんち】「長崎くんち」と「博多おくんち」もうひとつは?それぞれの起源・開催日や見どころを紹介!

Posted by: あやみ

掲載日: Oct 1st, 2024

「くんち」とは秋祭りのひとつで、諸説ありますが、節供(9月9日)の9日に「お」をつけたものといわれています。しかし、祭日は9日とは限りません。今回は、日本三大くんちに挙げられる「長崎くんち」「博多おくんち」「唐津くんち」の起源や見どころをご紹介します。

日本三大くんち トップ
©️Matthieu Tuffet / Shutterstock.com

独特でダイナミックな奉納踊は必見! 380余年の歴史を誇る「長崎くんち」(長崎県長崎市)


「長崎くんち」は、毎年10月7日から3日間にわたり開催する、長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭です。1634年に二人の遊女が諏訪神社の神前に謡曲「小舞」を奉納したことがはじまりとされています。

長崎は言わずと知れた異国情緒あふれる町。遊女が謡曲を奉納した同年に「出島」埋め立てがはじまり、「眼鏡橋」が架けられて以来、長崎奉行の援助もあり、長崎くんちは年々盛り上がるように。さらに、奉納踊にはオリエンタリズムが多く取り入れられ、江戸時代には、その豪華絢爛な祭礼が評判になったとか。

年によって奉納踊をする組は異なり、7つの組(踊町)が7年に一度(各年1組ごとの当番制)執り行います。

長崎くんちの一番の見どころは、1979年に国指定重要無形民俗文化財に指定された奉納踊。龍踊(じゃおどり)、鯨の潮吹きのほか、長唄に合わせて踊る日本舞踊やおらんだ万才などの本踊(ほんおどり)は必見です。

長崎くんち 山車
©️Picture Partners / Shutterstock.com

太皷山(コッコデショ)や鯱太鼓といった大勢の担ぎ手が担ぐ演し物(だしもの)には、空中に放り投げて手拍子するなどの業が入り、より盛り上がりを見せます。船に車輪をつけて大勢で曳く、豪快な曳物(ひきもの)にも注目を!

そして、アンコールを意味する「モッテコーイ」のかけ声が響き渡り、クライマックスを迎えます。

長崎くんち開催中は、市内はお祭りムード一色。勇壮華麗な演し物の数々には圧巻ですよ。

なお、諏訪神社・お旅所・八坂神社・中央公園くんち観覧場の4か所は有料となりますが、町中を巡る「庭先回り」でも短い奉納踊を見ることができます。

長崎くんち
開催地:長崎県長崎市(諏訪神社、中央公園、お旅所、八坂神社)
電話:095-822-0111(長崎商工会議所)
開催日:毎年10月7日・8日・9日の3日間
詳しいスケジュールや会場についてはこちらをご覧ください。
公式サイト:https://nagasaki-kunchi.com/#about

1,200年前から続く! 五穀豊穣に感謝する行事としてはじまったとされる「博多おくんち」(福岡県福岡市)


1,200年前から続く、櫛田神社の秋季大祭「博多おくんち」は、博多の秋の風物詩です。五穀豊穣に感謝する行事として始まったとされています。開催期間は毎年10月で、期間中は多彩な神事や行事が開催され、博多の街がお祭りムードに!

御神幸(おくんちパレード)は見どころのひとつ。牛車に引かれた煌びやかな神輿が櫛田神社を出発し、博多の街を巡ります。ブラスバンドの演奏や、稚児行列も要チェックです。また、夕方からは櫛田神社の境内で無数の灯明の光が揺れる神事「千灯明」を開催。幻想的な雰囲気を堪能できますよ。

加えて、新鮮な魚や野菜が揃う五穀豊穣市も行われるため、地元の特産品を購入したり、グルメを楽しんだりしたいですね。

2024年の博多おくんちの開催日は、10月23日~24日の2日間。五穀豊穣市は10月22日~23日に開催されます。


「櫛田神社」は博多の総鎮守として最古の歴史を誇る古社。地元の人たちから「お櫛田さん」の愛称で親しまれています。御祭神は、大幡主命(おおはたぬしのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)の三神。

境内への入口には、樹齢1,000年ともいわれる御神木「櫛田の銀杏」が! この御神木は延命長寿のシンボルになっています。博多おくんちを鑑賞する際は、ぜひ櫛田の銀杏もチェックしてみてくださいね。

博多おくんち
開催地:福岡県福岡市(櫛田神社、博多区内一帯)
電話:092-291-2951(櫛田神社)
開催日:毎年10月の2日間
交通アクセス:地下鉄「櫛田神社前駅」下車
公式サイト:https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/12510

ユネスコの無形文化遺産に登録されている、唐津最大の行事「唐津くんち」(佐賀県唐津市)

唐津くんち 祭りの様子
©️Mtraction / Shutterstock.com

唐津神社の秋季例大祭である「唐津くんち」は、毎年11月2、3、4日の3日間にわたり開催されます。くんちとは「供日(くにち)」が九州の方言で訛ったものといわれており、九州北部地方では秋祭りを「くんち」と呼ぶ地域が多いです。これには収穫を感謝する気持ちが込められています。

唐津くんちの神輿の渡御(とぎょ)は江戸時代にはじまったとされます。曳山(やま)は神輿にお供して神様を警護する目的でつくられたそうです。この曳山が誕生したのは氏子町のひとつ刀町が赤獅子を唐津神社へ奉納したことからはじまり、その後、15台の曳山がつくられたものの、うち一台が明治中期に損滅。14台が現存しています。

唐津くんちの見どころは、11月2日の夜に開催される宵曳山(よいやま)。豪華絢爛な曳山が「エイサ! ヨイサ!」の声とともに14台が街中を巡ります。提灯の明かりが美しく、目を奪われますよ。

そして最大の見どころは、11月3日の「曳き込み」。神輿を中心として前後に曳山が従い、明神台(西の浜お旅所)まで巡行します。

11月4日は、前日とほぼ同じ巡路で、旧城下の東西約8kmを回り、フィナーレに。

唐津くんち 山車
©️infinindy / Shutterstock.com

なお、最終日の巡行が終わると14台の曳山は、唐津ふるさと会館アルピノ敷地内の「曳山展示場(※)」へ。唐津おくんちを見逃したとしても、曳山展示場で14台の曳山を見ることができますよ。

※展示場建て替えのため、2021年10月1日よりふるさと会館アルピノ旧多目的ホールにて一時移転開業中

なお、唐津くんちは1980年に国の重要無形民族文化財に、2016年には曳山行事を含む「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。

唐津くんち
開催地:佐賀県旧唐津市内一帯
電話:0955-74-3355(一般社団法人唐津観光協会)
開催日:毎年11月2日・3日・4日の3日間
公式サイト:https://www.karatsu-kankou.jp/feature/karatsukunchi/

[参考]
travel nagasaki|長崎市公式観光サイト
ながさき旅ネット
クロスロードふくおか|福岡県観光WEB
YOKA NAVI|福岡市 観光情報サイト
旅Karatsu|唐津観光協会
唐津市
唐津神社

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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