世界が黄色に染まる街
中国の羅平という地域では、春になるとあたり一面が菜の花畑になります。その広さは東京都よりも大きく、あたりを見回すと、果てしなく黄色い世界が続いています。
世界を黄色に染める、菜の花の絨毯。何だか別の星にやってきたような、不思議な気分になりませんか?
毎年菜の花が咲くころになると、中国をはじめ世界中の人がこの美しい風景を見にやってくるそうです。
心和む優しい景色
羅平の独特の地形も、良い味を付け加えています。平野の中に、まるで手でぎゅっと固めて作ったようなかわいい山がぽつんぽつんと点在し、絵画のような牧歌的な雰囲気に。春の陽気に照らされてこの絶景を眺めていると、ほっこり心が和みます。
朝もやや霧に包まれると、さらに幻想的な空気に満ちて、心が洗われるような美しさに。
花畑の真ん中に立てば間近に景色を楽しむことができますし、高台に上れば雄大な眺めを楽しむこともできます。時間や場所が変わると、景色の趣もがらりと変わるので、一日中居ても飽きることがありません。
さらに、牛街という地域では、こんな特徴的な風景も見られますよ。
日本でもなかなかお目にかかることがない、円形のだんだん畑。なんだかミステリーサークルのようにも見えて面白いですね。
この羅平の菜の花は、キャノーラオイルに加工されるそうです。キャノーラオイルは私たちの生活の中で普段、当たり前のように存在するものですが、透明なスプーン一杯の油がこの花畑に繋がっているのだと想像すると、ひそやかな感動が胸にじわりとこみ上げてきます。
中国にある菜の花畑の黄色い絨毯。世界の不思議を感じさせてくれる、素晴らしい絶景なのでした。
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