【香港】中国大陸への移動を時短!空港到着後フェリーに乗り継ぎサービスとは?利用方法を解説

Posted by: しげたまこと

掲載日: May 8th, 2025

香港国際空港に到着後、街に繰り出せるのは香港だけではありません。実は、フライトのトランジットのように、イミグレーションを通過せず、フェリーに乗って中国本土やマカオへ移動できるんです。この方法を使うと、深圳や広州など、日本からの直行便が少ない都市へのアクセスがしやすくなります。この記事では、香港国際空港に到着してからフェリーで最終目的地に移動する方法を解説します。

香港フェリーアイキャッチ

飛行機を降りたらイミグレを通らずにフェリーへ


香港国際空港のフェリー乗り継ぎサービス「SkyPier Terminal Ferry Transfer(SkyPier フェリー乗継サービス)」は、香港に入国せずに空港と中国本土・マカオの各港を結ぶ、乗継専用の高速フェリーサービスです。入国審査・税関手続きをスキップでき、スムーズな移動が可能です。スーツケースなどの預け荷物は自動的にフェリーに積み替えられるので、最終目的地まで手ぶらで移動できるのがメリット。

コロナ禍で一時全面停止となっていましたが、現在はほぼコロナ前の運行状況に回復しています。さらに、2024年11月30日に日本国籍を含む対象国の一般旅券所持者が中国へのビザなし渡航が再開され、観光や出張での利用がさらに便利になりました。

SkyPier Terminal Ferry Transfer
営業時間:07:00 – 22:30(最終便到着まで)
住所:Level 5 Transfer Area E2, Hong Kong International Airport, Lantau, Hong Kong
電話番号:+852 2181 8888(HKIAインフォメーション)
公式サイト:https://www.hongkongairport.com/en/transport/mainland-connection/ferry-transfer.page

空港に到着したらフェリーの乗り継ぎカウンターへ

筆者は以前中国・深圳に滞在しており、この方法を利用して深圳に数回渡航したことがあります。2025年1月に、約6年ぶりに香港国際空港からフェリー乗り継ぎサービスを利用して、中国大陸の深圳へ向かいました。その様子を注意点とともにお伝えします。

香港空港イミグレ付近

フェリー乗り継ぎカウンターは、入国審査エリアの手前に位置しています。香港国際空港に到着したら、まずは「入境检查/Immigration(イミグレーション)」の表示に従って進みましょう。ただし、入国審査を経て香港に入境してしまうと、空港からフェリーに乗船できなくなるので注意してください。

香港空港フェリーカウンターの表示

イミグレーション付近に到着したら「内地/澳門 Mainland/Macau」と書かれた表示に沿って、フェリーの乗り継ぎカウンターへ進みます。他の乗客と一緒に入国審査へ並ばないように気をつけましょう。

フェリー乗り継ぎカウンター

緑色のモニターが並ぶカウンターが目印。フェリー乗り継ぎカウンターに着いたら、目的地を伝えてチケットを購入します。パスポートと航空券の提示が必要となるので、搭乗時の紙のチケットの半券があるとスムーズです。出発地で預けた荷物が有る場合は、荷物タグも忘れずに提示してください。

筆者は予約せずに直接カウンターで乗船手続きを行いました。料金は215HKD(当時)で、クレジットカードでも支払可能。特に申し出なければ、最短で乗船できるフェリーのチケットが発券されます。

APM

チケット購入後は、APMと呼ばれる専用シャトルでフェリーターミナルまで移動します。チケットカウンターの裏手に乗り場があります。

フェリーターミナルのワークスペース

フェリーターミナルのセブン

フェリーターミナルに到着したら、目的地の搭乗口を確認し、乗船開始まで待ちます。ターミナルにはセブンイレブンやワークスペースがあります。

乗船口
フェリー外観

乗船時刻になったら、パスポートとチケットを提示して乗り場へ移動します。

船内

乗船時間は30分ほど。平日の夜ということもあり、乗客はまばらでした。

乗船チケット半券

入国カード表

入国カード裏

最終目的地が中国大陸の場合は、船内で入国カードを受け取って記入しておきましょう。フェリーの便名を書く欄があるので、フェリーのチケットは到着までなくさないように気をつけてください。

到着したら、案内に従って入国審査へと進みます。外国人は、基本的に入国審査官がいる列に並びます。

無事入国審査を通過したら、出発地で預けた手荷物を受け取ります。筆者は機内持ち込みの荷物だけで渡航したのでそのまま出口に向かいました。出発地で荷物を預けた人は忘れずに。

深圳のフェリーターミナルロビー

ちなみに、中国に入国するので現地の通貨は人民元になります。キャッシュレス決済や現金の準備をお忘れなく。

香港国際空港のフェリー乗り継ぎサービスはどの都市まで行ける?

記事作成現在、香港国際空港からフェリーで行ける都市は以下の5つです。

・深圳(Shenzhen)
・マカオ(Macau)
・中山(Zhongshan)
・広州(Guangzhou)
・東莞(Dongguan)

各都市への所要時間や詳細は以下のサイトを参考にしてみてください。

https://www.hongkongairport.com/en/transport/mainland-connection/ferry-transfer.page

フェリー乗り継ぎサービスを利用する前に確認しておきたいこと

・空港到着後はフェリーの手続きに間に合う?

フライトの到着時刻と、乗船予定のフェリーの出発時刻を事前に確認しておきましょう。受託手荷物ありの場合は、乗船の90分前、受託手荷物なしの場合は30分前までにフェリー乗り継ぎカウンターで手続きを済ませなければなりません。

目的地によっては、1日数便しか運行していないフェリーもあります。事前にフェリーの時刻表を確認しておきましょう。
https://www.cksp.com.hk/#/main/shipline/ship2
ちなみに、深圳・蛇口行きのフェリーは1日14本出ていますが、24時間運行ではありません。2025年5月6日時点では深圳行きの最終便は21:30なので、受託手荷物がある場合は遅くとも20:00までにフェリー乗り継ぎサービスのカウンターに向かう必要があります。

・フェリーに乗れなかった場合も想定しておく

香港国際空港からフェリーに乗り継ぐ場合は、フェリーの席が空いていれば予約していなくても乗船可能です。ただし、悪天候により欠航になることがあります。また、中国大陸のホリデーシーズンには混み合うことも予想されるので、事前に予約しておくか陸路での入境も考えておいた方がよいでしょう。

・搭乗時のチケットの半券と手荷物のタグはなくさないで!

フェリー乗り継ぎカウンターでは、出発地で搭乗前に切り離されたチケットの半券の提示を求められます。また、空港で手荷物を預けた場合は、荷物タグも必要です。香港到着までなくさないように気をつけてください。

逆区間を利用できるのは指定された航空会社のみ

中国大陸のフェリーターミナルから香港国際空港に向かう場合は、香港到着時にフェリーを乗り継ぐ場合と異なる点があります。

・事前にフライトチケットの購入が必要

事前に香港国際空港発のフライトのチケットを予約しておくことが乗船の条件となります。またどの航空会社でも乗船できるわけではなく、スカイピアフェリーターミナルの参加航空会社のフライトに搭乗する人しか利用できません。筆者の帰国便はPeachでしたので対応していませんでした。

参加航空会社は、香港国際空港の以下のURLからご確認ください。

https://www.hongkongairport.com/en/transport/mainland-connection/participating-airlines-list.page

・フェリーターミナルでフライトのチェックインができる便も

一部の航空会社では、空港ではなくフェリーの乗船時にフライトのチェックインができ、受託手荷物を預けることができます。日系航空会社ではJALとANAが対応しています。詳細は、香港国際空港のHPをご確認ください。

https://www.hongkongairport.com/en/transport/mainland-connection/airline-check-in-at-prd-and-macao.page

・フライトの出発時刻の80分前に到着できる便に乗船

香港国際空港のフェリーターミナルには、フライトの出発時刻の80分前に到着する必要があります。そのため、フライトの出発時刻の80分前に到着できないフェリーには乗船できません。深圳からフェリーに乗って香港国際空港に向かう場合は、フライトの出発時刻の3時間前までの便が目安になるでしょう。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

香港国際空港のフェリー乗り継ぎサービスを活用すれば、中国南部やマカオへの移動がより手軽になります。香港国際空港から、一味違った旅に出る際の参考になれば幸いです。

[参考]
香港国際空港
CKS(珠江客運)
香港フェリー乗り継ぎサービス(JAL)
珠江デルタ各都市とのフェリー乗り継ぎサービスについて(ANA)

※記事作成・公開時の情報です。シーズンによっては内容が異なる可能性があります。

[Photos by Makoto Shigeta]

PROFILE

しげたまこと

Makoto Shigeta ライター

在外教育施設の教員として、タイと中国の日本人学校に通算8年間勤務。2022年に帰国し、ライターとして活動を始める。出身は奄美大島。ついつい気になってしまう旅先は国境と島。

在外教育施設の教員として、タイと中国の日本人学校に通算8年間勤務。2022年に帰国し、ライターとして活動を始める。出身は奄美大島。ついつい気になってしまう旅先は国境と島。

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