
せり鍋とは?

せり鍋とは、宮城県を中心に東北地方で親しまれている冬の郷土鍋料理。数少ない日本原産の野菜で、宮城県特産でもある「せり(芹)」を主役にしたのが最大の特徴です。

春の七草でもある「せり」ですが、「根せり(冬せり)」は厳寒期が最旬。宮城県は、せりの生産量全国第1位を誇り、県内産の約7〜8割を占める名取市の「仙台せり」、約2割を占める石巻市の「河北せり」が2大産地です。

せり鍋は、新鮮な「仙台せり」の根・茎・葉すべてを丸ごと使い、独特のシャキシャキ食感とさわやかな香りをダイレクトに楽しみます。特に根っこの歯ごたえや甘みが魅力です。「根が一番おいしい」という人がいるほど!
せり以外の具材は鶏肉や鴨肉のみなどシンプルが基本。出汁は醤油ベースや鶏ガラ・昆布・鰹節など。家庭や店ごとに工夫され、ねぎ、ごぼう、豆腐、きのこ、油揚げなどを入れる場合もあります。
おいしく食べるコツは、せりを煮すぎず「しゃぶしゃぶ」のようにサッと火を通して食べること。シャキっとした食感を残すのが通の楽しみ方です。宮城の海の幸「カキ」をいれた「石巻せり鍋」という食べ方も!
石巻せり鍋
「せり鍋」はいつから?なぜ人気急上昇したの?

なぜ人気急上昇となったのかですが、「せり鍋」は2004年頃、仙台市内の居酒屋が考案したとされ、「せり鍋」でせりを食べる文化が生まれたのはつい最近のことです。東日本大震災(2011年)後、被災地応援としてメディアなどで紹介される機会があり注目をあびると、せり鍋を始める店も増え、仙台名物として広がりました。
さらに複数のご当地鍋コンテストなどでも注目され、仙台の冬の定番グルメとして全国的に知名度が上昇。体がしっかり温まる健康的なご当地料理で、観光客にもそのおいしさが伝わっていった背景があります。
「宮城旬鮮探訪」より抜粋|宮城県農政部食産業振興課のWebサイト
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(せりは)鉄、カロテン、葉酸、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれており、美容と健康をサポートしてくれる栄養が豊富な食材で、薬膳にも用いられます。
せり鍋を楽しむなら……おすすめ店はここ!
宮城県で楽しむならせり鍋発祥の店「いな穂」
仙台駅前の昔ながらの横丁「名掛丁センター街」にある黄色いのれんが目印の小さいお店。せり鍋発祥店の雰囲気と一緒に、古くからこの地で愛されてきた「せり」を存分に味わいたいですね。
宮城県仙台市青葉区中央1丁目8-32 名掛丁センター街東
仙台駅西口徒歩5分
営業時間 15:00-23:00(LO22:00)
定休日 日曜日(日月連休の場合日曜営業、月曜定休日)
※予約はお電話のみで承ります
https://www.instagram.com/inahoseri/
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[食べログ]
東京で楽しむなら「季節料理 竹仙」
大将が市場から直接仕入れた新鮮な魚介など、宮城県料理がメインの居酒屋。はらこめし、はっと汁、油麩を使った料理、せり鍋(冬季)などのほか宮城の地酒を数多く取りそろえています。
せり鍋レシピ

- せり鍋レシピ【材料(2人分)】
- せり 1束
- 鶏モモ肉 1枚
- 長ネギ、豆腐、ゴボウなどお好みの具材
- だし汁 300~600ml
- しょうゆ、みりん、酒 適宜
せり鍋レシピ【作り方】
①せりは水で洗います。根は特に丁寧に洗い土を落とします。4~5cmほどの長さに切り、根、茎、葉と分けておきます。
鶏もも肉はひと口大に、他の具材も食べやすい大きさにします。
②鍋にだし汁を入れ火にかけ、沸騰したら調味料を加えます。
③鶏もも肉、ゴボウを入れ、アクを取り除き煮込みます。鶏もも肉に火が入ったら、せりの根、長ネギ、豆腐などを加え軽く煮込みます。
④せりの茎、葉を入れ約20秒ほどさっと煮ます。
・せりは煮すぎないように!煮すぎると味が落ちてしまいます。さっと煮てシャキシャキとした歯ごたえを楽しみましょう。
・香りの強い具材は、せっかくのせりの風味を損なってしまうのでご注意を。
※鴨肉やきのこ、つくね、油揚げ等の具材もおすすめです。
※情報が変更になる場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。


