美しい色合いと味のバリエーションもさることながら、優雅なひとときを約束してくれるカクテル。歴史に名を残す文豪が愛したものから、名門ホテルのバーテンダーが考案したものまで、選りすぐりのカクテルを「トリップグラフィックス」よりご紹介します。カクテルの由来が分かれば、選ぶ楽しみも味わう喜びも倍増するかも!?
キール(フランス)
白ワインにカシスを合わせたカクテル。1945年当時、ブルゴーニュ地方ディジョンの市長を務めていたフェリックス・キール氏が食前酒として振る舞ったのが始まりです。キール・ロワイヤルは白ワインの代わりにシャンパンを使用。
ベリーニ(イタリア)
イタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」と白桃ピュレをミックスした淡いピンク色のカクテルで、15世紀の画家ジョヴァンニ・ベリーニから名をとったもの。ベニスにある「ハリーズ・バー」で活躍していた当時のバーテンダー、ジュゼッペ・チプリアーニが1948年に考案したそうです。「ハリーズ・バー」はヘミングウェイを始めとする著名人が足繁く通った店としても知られています。
ブルー・ハワイ(アメリカ)
その名の通り、ハワイの真青な海を彷彿とさせるカクテル。1957年にホノルルの「タパ・バー」で生まれたもの。ウォッカベースで作るのが正式なのだとか。
マルガリータ(メキシコ)
グラスの縁に飾られた塩がビーチの砂を思わせるテキーラベースのカクテル。かの有名なマリリン・モンローも口にしたそうですよ。これからの時期はフローズンで楽しみたいですね!
モヒート(キューバ)
ミントとサムが爽やかに香るサトウキビ入りのモヒート。起源は不明だそうですが、ヘミングウェイが愛したモヒートは1942年創業のハバナのバー「ラ・ ボデギータ ・デル・メディオ」で味わえます。
シンガポール・スリング(シンガポール)
シンガポールが誇る伝統的なあコロニアルスタイルのラッフルズ・ホテル。ホテル内の「ロングバー」で 1910〜1915年頃に誕生したのがトロピカルな味わいのシンガポール・スリング。イギリスの小説家サマセット・モームもこのカクテルの大ファンだったそうです。
バンブー(日本)
明治時代に旧横浜グランドホテルで考案された日本生まれのカクテル第一号。ドライシェリーがベースで、辛口の日本酒にも似た味わいだとか。
お気に入りはありましたか?
せっかくなので、カクテルの歴史についても少し見ていきましょう。古代よりアルコールに何かを混ぜて飲む方法は存在しましたが、近代的なスタイルのカクテルが発展したのは1920年代に入ってからのこと。禁酒法によりアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されていたアメリカでのことです。
カクテルが誕生したホテルやレストランを訪れる機会に恵まれたなら、本場の味にも触れてみたいものですね。