茂林寺(館林市)
分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)とたぬきのご利益
童話(民話)「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」ゆかりの地として知られる、館林市の「茂林寺(もりんじ)」。本堂では、実際に分福茶釜を拝観することができるので、拝観料を払う価値ありです。
寺伝によると、この茶釜は不思議なことにいくら湯を汲んでも尽きることがなかったそうです。分福茶釜を同寺にもらたしたとされる和尚・守鶴は、福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付け、この茶釜の湯で喉を潤す者は、開運出世・寿命長久等、八つの功徳に授かると言ったと伝えられています。
また、たぬきに所縁のあるお寺として、参道にはたぬきがずらりと並んでいます。たぬきは時にフラダンスの衣装を身にまとい、ひな祭りにはお雛様に化けたりするので、インスタ映えスポットとして人気。たぬきは参道のほか、トイレやマンホールなどあちこちにいるので、探してみてくださいね。
たぬきだけに、ご利益は他(た)を抜いて勝つ「必勝祈願」。「他抜(たぬき)守り」を持てば、他者から勝ち抜けますよ。強運がつきそうな気がするのは、ユーモラスなたぬきたちに、化かされているわけでもなさそうですよ。
迦葉山弥勒寺(沼田市)
天狗の面を借りて開運招福・諸願成就
嘉祥元年(848年)に開創した沼田市の「迦葉山弥勒寺(かしょうざんみろくじ)」は、天狗の霊峰として知られ、高尾山薬王院、鞍馬寺と共に「日本三大天狗」のひとつとして数えられています。迦葉山の中峰堂には、昭和14年(1939年)、商工会有志により戦勝を祈願し作られた日本一の大天狗面(顔の丈:6.5メートル、鼻の高さ:2.8メートル)と、昭和45年(1970年)大天狗奉賛会により交通安全を祈願して作られた「交通安全身代わり大天狗」(顔の丈:5.5メートル、鼻の高さ:2.7メートル)が安置されています。
迦葉山参りでは、
1.最初の年、中峰堂から小さめの天狗面を借りて帰る
2.次にお参りするときには新しいお面を購入して、借りたお面と一緒にお寺に納め、少し大きめのお面を借りて帰る
という、習わしだそうです。願いが成就したら、年々天狗のお面を大きくするようですね。自宅で天狗に見つめられているとちょっと怖い気もしますが、心を改めねばと行いがよくなり、願いが叶いそうな気がします。
■参照
日本一の天狗面(2019年10月5日 沼田市) – 群馬県
迦葉山(かしょうざん)|沼田市公式ホームページ
縁切寺満徳寺(太田市)
トイレに悪縁を流す縁切り寺
江戸時代中期以降、幕府から公認された縁切寺は、鎌倉の東慶寺とここ上州(群馬県)の満徳寺の2つだけでした。縁切寺とは、江戸時代に離婚を求めて駆け込んだ妻を救済して、夫との離婚を達成させてくれた尼寺のことで、「駆け込み寺」とも「駆け入り寺」ともいいます。満徳寺は明治5年(1872年)に廃寺になりましたが、昭和31年(1956年)には、跡地の一部が群馬県指定遺跡「縁切寺満徳寺遺跡」に指定されました。
この資料館で最も興味深いのは、一か所で縁切り・縁結びが行える「縁切・縁結厠(かわや)」。向かって右の白いトイレが縁切り用、左の黒いトイレが縁結び用です。縁切札・縁結札を、それぞれに流して、白黒をはっきりさせ、自分の人生を一歩前進させて欲しいとの意味が込められています。なんと、トイレで悪縁を流すという大胆な縁切り。縁を結びたい人は黒いトイレで縁結び。どうぞくれぐれも白黒をお間違いなく。
写真提供:ググっとぐんま
今回は、群馬県のパワースポットをご紹介いたしました。人間はいつでも強くはいられません。心が弱っているな、エネルギーが足りないなと感じたら、パワースポットで良い運気に触れ、明日へ立ち向かう元気をもらいましょう。