箱根の山々の息吹を感じる足湯テラスに迎えられる
カラフルでかわいい箱根登山鉄道で「大平台駅」に降り立つと、そこは箱根の喧騒が嘘のような静寂さ。にぎやかな箱根湯本と宮ノ下という一大温泉地に挟まれ、ぽっかりと時が止まってしまったかのような豊かな自然に包まれた大平台。
箱根登山鉄道のスイッチバック、箱根駅伝などで有名なヘアピンカーブで知られる大平台ですが、降車するも人もわずか。街には商店が1店、飲食店も数えるほどしかありません。そんな、な~んにもない箱根で、な~んにもしない贅沢を味わえるのが「自家源泉かけ流しの宿 箱根翠泉(はこねすいせん)」。
風に揺れる真白な暖簾をくぐると、箱根の山々が眼前に広がる一面ガラス張りのロビーに迎えられます。“うゎ~、素敵!”と思わず声を上げてしまいそうなリラックスした空間と緑まぶしい景観。
箱根外輪山が連なる扇の要に位置しているので、穏やかな尾根をつくる緑を遠方まで望めるヌケ感が素晴らしく、テラスには足湯まで用意されています。
宿泊時はあいにくの空模様だったのですが、雨に濡れた緑は一段とみずみずしさを増し、低く雲が垂れ込んだ霞がかった雰囲気にも趣が。風が運ぶわずかな温泉の匂い・水音・木々のざわめき・小鳥のさえずり……・ 心がゆっくりと解き放たれて行きます。
何もしたくなくなる緑を取り込んだ眺望抜群の客室
案内された客室は、約32平方メートルの「スーペリアルーム」。保養所だった建物をリノベーションして2021年4月に開業した宿で、踏み込みにパウダースペースやトイレをレイアウト。
畳敷きの客室にシモンズのベッドが配され、その向こう側に板張りの広縁が広がります。
リラックスチェアが配された広縁からの眺めが素晴らしいこと!
客室にまで緑を取り込むような美しさで、穏やかな稜線をつくる箱根の山々が連なる眺望は息をのむほど。
いつまで眺めていても飽きることのない、リラックスできる雰囲気。喧騒から離れて、箱根でな~んにもせずに、束の間の休日を過ごすのも悪くありません。
だって、源泉かけ流しの温泉があるんですから。温泉と客室を行ったり来たり…… 自分時間でゆったりと過ごせます。
源泉かけ流しの湯があふれる露天風呂と内風呂
こちらが男女別に設けられた露天風呂。
緑をすぐ近くに感じられる景観をもち、全客室数がわずか15室ということもあり、ほかのお客さんと重なることも少なく、プライベート感たっぷりに温泉を楽しめます。
弧を描く石造りの内風呂は2つ。男女入替制ですが、どちらもほぼ同じような造り。
源泉かけ流しということに加え、微細な気泡が溶け込んだマイクロ・ナノバブル温泉になっていて、うっすらと乳白色に染まり身体を優しく包み込むような湯を楽しめます。
ラウンジ・キッチン・無料朝食! 自分時間で過ごせる大平台
な~んにもない箱根の秘境、大平台だけに!? 館内にはソファやチェアが配された自由気ままに過ごせるラウンジも完備。
スタッフ厳選のクラフトビールが自動販売機(3階)で販売されているのもユニーク。
時の流れに身をまかせたひとときが過ごせること間違いなしです。
基本的に食事を提供しない素泊まりの宿なのですが、朝食の無料サービスはうれしいかぎり!
2階のダイニングで毎朝提供される朝食は、クロワッサンやデニッシュなどの焼き立てパンに加え、スープ、ソフトドリンク、コーヒーなど。しかも食べ放題!!
そのダイニングには、本格的なキッチンも完備。
食材などの持ち込みは自由なので、この広々した真白なキッチンを使って料理をすることも可能。もちろん、夕食などを作ってもOK! ただ、大平台には本当にお店がないので、買い出しは箱根湯本などで。
食器類はもちろんですが、炊飯器やトースター、電子レンジ、IHコンロ、冷蔵庫、調理器具、調味料などもそろっているので、みんなで作るのも楽しいですよ。
源泉かけ流しの温泉、眺望抜群の客室、足湯、ラウンジ、キッチンなど、自由気ままに過ごせる「自家源泉かけ流しの宿 箱根翠泉」。箱根最後の秘境、な~んにもない大平台を楽しんでください!
住所:神奈川県足柄下郡箱根町大平台254
料金:1名利用/1泊素泊まり1名8,800円~ 2名利用/1泊素泊まり1名9,570円~
CHECK IN/OUT:15:00/11:00
客室数:15室
アクセス:箱根登山鉄道「大平台駅」より徒歩3分
URL:https://www.suisen-hakone.com/
※2022年9月現在、新型コロナウイルス感染症対策のためサービス体制や料理提供方法などが通常と異なることがあります
[Photos by ©︎tawawa]