
インドネシアの経済発展を支えた日本
新型コロナウイルスの流行も徐々に終焉に向かいつつある中、今後は日本人の海外渡航が再び活発化することが予想されます。そのような中、インドネシア訪問を計画している人も多いかもしれません。実はインドネシアも世界有数の親日国家といわれます。では、なぜインドネシアは親日国家といえるのでしょうか?

まず、歴史的視点から述べると、戦後、インドネシアの経済発展を支えてきたのは、紛れもなく日本です。日本は長年ODA(政府開発援助)などを通して、インドネシアを経済的に支援してきました。

snapstoria / Shutterstock.com
道路や鉄道などのインフラ、学校や病院などの建設で多くの日本人がインドネシアにわたり、現地の人々に技術を伝えてきました。それによって日本人とインドネシア人との間には徐々に信頼関係が生まれ、国と国との距離感も小さくなっていきました。
また、今日もそうですが、昔から多くのインドネシア人が日本へ留学しています。ある程度の大きな大学であれば、インドネシア人留学生を見つけることは難しくなく、日本の大学で学んだインドネシア人が母国へ帰り、現地のエリート層になることも少なくありません。
中国との関係は共通の課題

Jesse33 / Shutterstock.com
そして、今日では政治的観点からも日本とインドネシアの関係は緊密化しています。インドネシアも中国と安全保障や経済の分野で問題を抱えており、習政権によって進められる「一帯一路」(巨大経済圏構想)と「債務の罠」に警戒する声も以前より増えています。
今後も経済発展が期待できるインドネシアとしては、中国経済への過度な依存によって成長率が鈍化することは避けたいため、近年やはり日本との関係を第一に考えようという意識も広がっています。
一方、台湾有事や日中関係、米中関係に悩む日本としても、ASEAN(東南アジア諸国連合)最大の国家インドネシアとの安定的な関係が重要になってきています。最近、中国に進出する一部の日系企業は中国から離れ、インドネシアへシフトしようとする動きも見られます。
これまで日本とインドネシアの関係は、日本が支援する、インドネシアが支援を受けるという関係でしたが、今後ますますインドネシアは日本にとってなくてはならない戦略的経済パートナーになるでしょう。それによってインドネシアの親日度はいっそう高まると思われます。
[All photos by Shutterstock.com]

あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
andalucia
政治学者
専門分野は比較政治、国際政治経済。特に近年は米中関係や経済安全保障などの日本の国益を左右する研究に従事する。また、学術研究に留まらず、NHKや共同通信、朝日や日経、産経など大手メディアで解説なども行う。
【あの国はなぜ親日国なのか?】インドネシアが親日といわれる歴史的・政治的
Mar 13th, 2023 | アンダルシア
世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。
【世界の立入禁止スポット人気記事ランキング】遺跡や聖地・心霊スポットまで
Jan 2nd, 2023 | TABIZINE編集部
遺跡や宗教の聖地、人が住まなくなった廃墟の街、心霊スポットなど、世界のミステリアスで美しい立入禁止スポットを紹介する連載「世界の立入禁止スポット」。これまで公開した記事の人気ランキングを発表します。
【世界の立入禁止スポットvol.6】多くの謎に包まれた世界遺産〜インドネ
Dec 5th, 2022 | あやみ
インドネシアのジャワ島中部に位置する、世界最大の仏教遺跡「ボロブドゥール遺跡」。2020年、この遺跡の上層部は一般観光客の立ち入りが禁止になりました。世界的な観光地として有名な遺跡は、なぜ立入禁止になったのでしょうか。そこには、とても残念な理由がありました。
【世界の絶景クイズ】山の写真から推察その4! ここはどこの国でしょう?
Jan 23rd, 2022 | Nao
まだまだ海外への旅が難しい今。こんなときは世界各地の写真を見て「次の旅行」に想いを馳せるのも楽しいかもしれません。そこで、今回は山の写真を見て国を当てるクイズを出題! 見た目や説明文から推察して、どこの国なのか想像してみてください。
【インドネシア・フィリピン・中国編】世界のローソンでは今何が人気?売れ筋
Jan 8th, 2022 | 小梅
海外旅行中のコンビニ巡りは、そこに住む人々の生活が見えてくるようで、かなりわくわくするもの。見たことがない商品や、日本ではありえないサービスなどと、生活に密着しているコンビニは情報の宝庫! ということで、次の旅がもっと楽しくなるような「海外ローソン」の人気商品&おもしろサービスをご紹介します。今回は、「インドネシア」、「フィリピン」、「中国」です。
【インドネシア】首都移転!2つの新首都候補はどんな場所?
May 20th, 2019 | 倉田直子
首都移転。かつて日本でも「遷都」という言葉で、国の機能の中心を移動させたことがあります。けれど現代社会でそれを実行しようとすると、大変な労力と費用がかかるのではないかと想像できます。その首都移転を、東南アジアのインドネシアが実行しようとしています。なぜ、そういう決定にいたったのでしょうか。
ありえない!日本人がバタム島を旅して驚いたこと〜NAGOYAを発見!?〜
Oct 26th, 2018 | sweetsholic
TABIZINEライターが、各国でのサプライズ経験を綴る「ありえない! 日本人が○○で驚いたこと」シリーズ。驚くほど安い物価、中心街の名前が「NAGOYA」!?など、今回はインドネシアのバタム島で驚いたことをお伝えします。
世界が終焉する音?人々の心を揺るがす「アポカリプティックサウンド」とは?
Nov 30th, 2017 | あやみ
科学の発達や情報の拡散が目覚ましい現代においても、未だ明かされない世界の謎。国内外のミステリースポット、心霊スポット、諸説あるもののはっきりとは謎が明かされない遺跡や文化、不思議な現象などなど。
... more
南国生活が教えてくれた生きていくうえで大切な4つのコト
Sep 10th, 2017 | 「バリ島旅行のみかた」編集部
「とにかく日向ぼっこだけしたい」そう思って日本を飛び出したのは2年前の海の日。現在は「バリ島旅行のみかた」という月間40万PVの情報サイトのメインライターを務め、バリ島の情報を発信している筆者が、今回 ... more
バリ島のあちこちでみかける「チャナン」ってなに?
May 19th, 2017 | sweetsholic
バリ島の至る所で見かける、カラフルで美しいお供え物「チャナン」。寺院はもちろんのこと、民家の前や店先、ホテルに空港、ビーチなどさまざまな場所に置かれているので、現地を訪れたならきっと目に留まるはずです ... more