雷のシーズンは夏と冬
雷というと夏のイメージがありますが、実は冬にも発生しています。「夏季雷」は、上昇気流の起こりやすい山岳や山沿いで発生が多く、北関東、中部山岳、奈良盆地、北九州、南九州地方に多く見られます。一方、寒冷前線に沿って発生する「冬季雷」は、日本海沿岸で発生します。
雷の正体は、積乱雲(入道雲)の中で発生した電気。夏に比べ積乱雲が低い場所で発生する冬は、雷が発生する高さも夏の積乱雲より低くなります。さらに冬の落雷では、大地へ流れる電流が大きくなることが多く、落雷した地上の建造物に大きな被害を及ぼすことがあり注意が必要です。
年間の雷日数が多いのは、あの県のあの都市!
気象庁が全国各地の気象台や測候所の目視観測に基づき、過去30年間(1991年〜2020年)の雷を観測した日の平均値を調査。この結果、年間の雷日数では、石川県金沢市がダントツ1位の45.1日!
ちなみに2位は新潟市で34.7日、3位は鹿児島市で27.4日、4位は宇都宮市で26.5日、5位は福岡市で25.5日です。東京も体感的に多く感じるものの、ここ30年の平均は14.5日だそう。
場所によって異なる!? 雷が多いのは何月?
冬季雷の発生率が高い金沢市と、夏季雷の発生が多い宇都宮市の月別の雷日数を見てみると、日本海川の金沢市は11月〜2月にかけて、内陸部の宇都宮市では7・8月が多くなっています。
豆知識:落雷が多い季節は?
雷というと、やはり気になるのが落雷。NHKの公式ページによれば、昔と比べると温暖化により増えているそうで、年間の落雷数は10万〜100万回。7・8月に多いとのこと。とはいえ、冬季雷も落雷することはもちろんあるので、雷の音が近づいてきたら要注意。
NHK曰く「避難するときは頑丈な建物か車の中へ!」。外出先で雷を避ける場所がない時は、緊急手段として、耳をふさぎ足をそろえてつま先立ちでしゃがみ込む「雷しゃがみ」をするとよいそうです。
落雷による人的被害は毎年発生しており、その危険性は侮れません。近くで雷が鳴ったときには、安全を確保するようにしましょう。
おまけ:冬の雷は世界的にも珍しい!
最後に、話のタネになる雷の豆知識を。実は冬季雷が発生するのは、日本の日本海沿岸やノルウェー西岸などごく一部の地域のみ。冬の雷は、世界的に見ても珍しい気象現象なのだそうです。
参考
[気象庁]
[NHK]
[株式会社サンコーシヤ]
[Photos by Shutterstock.com]