ウミネコってどんな鳥?
島を埋め尽くすほどの白い鳥『ウミネコ』。ミャアミャアと鳴く声が猫に似ていることからこの名前がつきました。チドリ目カモメ科で全長は約44~48cm程度で、イワシの豊漁具合に比例して数が増減します。
少しだけ混ざっている茶色い羽の雛鳥は生まれてからおよそ45日で親鳥と同じ大きさまで成長しますが、白い羽に生え変わるまでには3年ほどかかります。
蕪嶋神社の見どころ
ウミネコの数はもちろんですが、弁財天を祀っていることから「商売繁盛・縁結び・漁業安全」の守り神として700年以上に渡り信仰を集めてきました。近年では蕪嶋神社の「蕪=株」にちなんで「金運・仕事運・人気運」の株上がりのご利益を願う人々が全国から参拝に訪れています。島に近づくにつれて増えるウミネコの羽数に圧倒されながら、境内へと続く階段をゆっくりと登ります。
知る人ぞ知る!運が付いたら開運招福
多くの人が無料の傘を借りてウミネコから落ちてくるフンに備える蕪嶋神社。実はここ、ウミネコのフンがつけば「運」がついたということで、階段上の社務所で「会運証明書」の絵馬をもらうことができるんです。
毎日お腹一杯イワシなどを食べているウミネコたちから落とされる「運」は相当な匂いを放ちますが、開運のためならなんのそのという方はお試しあれ。万が一フンがついてしまったときは食器用洗剤で軽く洗ってから洗濯すると匂いが落ちやすくなるそうですよ。
ちょっと変わった参拝方法で「運開き巡り」
- 手順1:蕪嶋神社の周りを3周回ることで心身を清めることができる
- 手順2:拝殿横の蕪とひょうたんの石像を撫でてから参拝すると運が開ける
限定御朱印とウミネコ守りで運をお持ち帰り
- 蕪嶋神社の御朱印
- ①通常の朱印
- ②今月限定朱印
- ③御縁辰年朱印
①②③いずれか一体申し込みのときは初穂料500円
①②または②③または①③の朱印を申し込みのときは初穂料800円
①②③三体の朱印を申し込みのときは初穂料1,300円
(内200円は再建の御奉贄として)
社務所ではウミネコの描かれた限定御朱印や、ウミネコをモチーフにしたお守りを購入することができます。どれも可愛くて目移りしてしまいます。
蕪島の由来
蕪島の名には諸説あるようで「神嶋」や「神場嶋」から「かぶしま」となった説や、アイヌ語で「カモメの大岩」という意味を持つ「カピュ・シュマ」が語源という説も。春になると、島全体を黄色く覆うほどの菜の花が咲き誇ります。
蕪島の歴史
1269年にこの地に流罪となった鎌倉武士が、故郷神奈川の江ノ島に見立てて弁財天を奉納したことが蕪嶋神社の起源とされています。1919年になると本来は離島だった蕪島に橋が架かり、1942年には海軍により埋め立てられ、陸続きとなりました。1269年以前よりもウミネコは生息していたようですが、蕪嶋神社の方に聞いてみたところ、ウミネコの棲みついた正確な時期はわかっていないとのことでした。
蕪島周辺散策
ウミネコたちも遊泳中「蕪島海水浴場」
蕪島の目の前に広がる砂浜。湾になっているため波が穏やかで、飛べるようになったウミネコの雛たちもぷかぷかと海水浴を楽しんでいます。
もっと蕪島が好きになる「蕪島休憩所」
蕪嶋神社の階段を降りてすぐにある休憩所。涼しい館内には蕪島の歴史や、ウミネコの特徴、蕪島周辺の見所などが詳しく展示されてます。可愛らしいウミネコの折り紙もいただきました。
住所:青森県八戸市大字鮫町字鮫93番地先
電話番号:0178-51-6464
営業時間:【4月から11月まで】 9:00~17:00
【12月から3月まで】 9:00~16:00
蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」
蕪島から橋を渡った先にある施設。八戸の特産品やお土産品をはじめ、軽食も取りそろえています。ここでしか買えないお土産や、ウミネコグッズもありますよ。
住所:青森県八戸市鮫町鮫86-1
電話:0178-38-5228
営業時間:
10:00~17:00(4~10月)
10:00~16:00(11~3月)
公式サイト:https://visithachinohe.com/spot/kabunya/
蕪嶋神社へのアクセス
今回は「うみねこレール」の愛称で親しまれている八戸市内線で最寄りの「鮫駅」まで向かいました。その名にちなんだ、駅前にある鮫のオブジェが目印です。駅から蕪嶋神社までは平坦な道を徒歩で約15分。電車は上りも下りも本数が少ないため、事前に発車時刻を確認しておくのがおすすめです。
住所:青森県八戸市鮫町鮫56-2
電話:0178-34-2730
拝観時間:8:30~17:20
交通:JR八戸駅鮫駅より徒歩で約15分
八戸・久慈自動車動種差海岸階上岳ICより車で約20分
施設情報:https://aomori-tourism.com/spot/detail_29.html
青森に来たら八戸のシンボル「蕪嶋神社」へ!
島そのものが御神体だと言われるほど、古くから信仰の場として愛されてきた蕪嶋神社。地元では「豊漁を呼ぶ神の使い」として大切にされてきたウミネコたちの保護や、繁殖地としての蕪島の保全活動にも取り組んでいます。ぜひ一度、ウミネコの棲む神社へ参拝してみてはいかがでしょうか。
[Photos by Aya Yamaguchi , はなすけ]