【日本三大美港】「長崎港」と「神戸港」もうひとつは?それぞれが歩んできた歴史と観光スポットを紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Aug 27th, 2024

世界三大美港は、オーストラリアのシドニー港、アメリカのサンフランシス港、ブラジルのリオデジャネイロ港といわれていますが、日本三大美港はどこなのか知っていますか? 長崎県の「長崎港」、兵庫県の「神戸港」、そして静岡県の「清水港」が挙げられます。今回は、それぞれの美しさと歴史をご紹介! なぜ美しいとされるのかがわかり、一度訪れてみたくなりますよ。

日本三大美港 トップ

出島で有名! 鎖国時代に唯一の海外への窓口だった「長崎港」(長崎県)

長崎港

1571年にポルトガル船が入港して交易を求めてきたことで開港した「長崎港」。1636年には出島、1702年に新地蔵所(現・中華街付近)などの人工島がつくられ、鎖国時代には唯一の海外への窓口でした。

そして開国後、東山手・南山手地区などに外国人居留地が造成されると、近代産業の中心として発展。1951年には、重要港湾に指定され、造船業の生産などが拡大しました。2021年には開港450周年を迎えています。

長崎港

そんな長崎港の魅力は、タイムスリップしたような気分を味わえるスポットがある点。かつて出島と向かいの江戸町をつないでいた「旧出島橋」が、130年の時を経て「出島表門橋」として復活したのです。

さらに徳川幕府の命により築造された人工の島「出島」にある国指定史跡「出島和蘭商館跡」も必見! 1951年に長崎市が出島の復元整備を開始し、現在、16棟の建物のほか、景観も当時の面影を残しています。

また、長崎港は五島列島や伊王島、高島などへ向かう高速船も充実。軍艦島クルーズや長崎港めぐりといった周遊観光遊覧船もありますよ。

高さ20mの球体の横にある展望デッキもぜひ訪れたいスポット。ここからは長崎港を一望できます。長崎港ターミナル内の食事処で食事を楽しんだり、お土産を探したりするのもいいでしょう。

長崎港
住所:長崎県長崎市国分町
公式サイト:http://www.nagasaki-port.jp/

世界各国のクルーズ客船が入港! 1869年に華々しく開港した「神戸港」(兵庫県神戸市)

神戸港

古くは「務古水門(むこのみなと)」「大輪田泊(おおわだのとまり)」と呼ばれていた神戸港は、中国や朝鮮半島の港との交流が盛んでした。平安時代に、国際貿易の拠点として発展。室町時代や江戸時代には、「兵庫津」と呼ばれ、鎖国を行っていた江戸時代には、国内交通の要衝に。

そして1868年に英米の艦隊18隻からの祝砲とともに華々しく開港。国内外の多くの港と結ばれ、人・物・情報が行き交う、国際貿易港として、現在も発展し続けています。

神戸港の大きな魅力は、緑豊かな六甲の山並みと、瀬戸内海に囲まれた美しい景観です。クルーズ客船の誘致やウォーターフロント整備も積極的に行っているのもポイント。

関西最大級の豪華遊覧船「ロイヤルプリンセス」に乗船して、手軽に港クルーズを楽しむことも可能です。この遊覧船の3階は屋根のないスカイデッキ。六甲山を背景とした神戸の街並みを見渡すことができます。

神戸港 夜景

夜景が美しいことでも有名

また、神戸港といえば神戸のランドマーク「神戸ポートタワー」です。鼓型の優雅な外観には世界初の独特のパイプ構造を採用。最上階の展望室からは、神戸港はもちろん、市街地や六甲山系の大パノラマを望めます。

そのほか、夜には約12万個のLEDを使用したイルミネーションが輝き、風見鶏やヨットといったアニメーションが映し出される「モザイク大観覧車」、貨物の倉庫として使われていた異国情緒たっぷりな2棟の「神戸煉瓦倉庫」、船の仕組みやクルーズ客船の魅力などを学べる「神戸海洋博物館」といった神戸港ならではの施設が目白押しです。

神戸を訪れた際は、ぜひ神戸港にも足を運んでみてくださいね。

神戸港
住所:兵庫県神戸市中央区港島5
公式サイト:https://www.kobe-meriken.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/port.of.kobe/

波が穏やかで、三保の松原などの観光資源が豊富な「清水港」(静岡県静岡市)

清水港

日本一深い駿河湾(水深2,550m)に面する「清水港」は、静岡県のほぼ真ん中に位置します。清水港の歴史は飛鳥時代までさかのぼります。当時、百済への救援船がこの場所から出港していた記録が残っているのです。

そして戦国時代から江戸時代にかけては、軍事の要所として機能していたほか、海陸の交易地として幕府から重用されてきました。

1899年に開港場指定されたことで、近代港湾に。お茶の海外直接輸出に始まり、柑橘、缶詰、オートバイ、楽器などの生産品を中心に、臨海部の工業化の進展に合わせて、港域と機能を拡張。コンテナ輸送へもいち早く対応しました。

現在は、静岡県および近隣の県にとって利用しやすい海の玄関口になっています。

清水港の大きな魅力は、三保半島が防波堤のように港を守っていることから、波が穏やかな点と、世界文化遺産にも登録された三保の松原などの観光資源が豊富な点です。このことから、美しい港とされています。

2023年3月からは外国客船の清水港への寄港が再開。2024年4月には世界的に有名な豪華客船「クイーン・エリザベス」が初入港しました。

清水港の魅力を存分に味わいたいのなら、港内を一周する「清水港遊覧船」がおすすめ。駿河湾越しに富士山を眺めることができます。

そのほか、昭和初期に木材や石炭の荷役に利用された登録有形文化財「テルファー」や、西洋の城壁を彷彿させる歩道に囲まれたイベント広場などがある「清水マリンパーク」、清水港を中心に、港の生い立ちから未来までを展望できる「フェルケール博物館」といった見どころが盛りだくさんです。


また、清水港には世界中の海で漁獲されたマグロが冷凍運搬船によって運ばれてきます。それらの多くが水揚げされている江尻埠頭には、清水魚市場の仲卸業者が直接販売する施設「清水魚市場 河岸の市」が! ここではマグロを始めとした新鮮な魚介類のほか、海産物、野菜、お茶、みかんなどをリーズナブルな価格で購入したり、味わったりできますよ。

清水港
住所:静岡県静岡市清水区新港町
公式サイト:https://www.portofshimizu.com/

[参考]
長崎港
ながさき旅ネット
長崎市公式観光サイト
神戸市
Feel KOBE|神戸公式観光サイト
一般財団法人 神戸観光局 港湾振興部

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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