日本で初めての小説家が書いた『南総里見八犬伝』とは?
こんにちは、TABIZINE編集部の土田です。みなさんは『南総里見八犬伝』という物語はご存知でしょうか? 戦国時代に安房(現 千葉県南総)の地を活躍の拠点とした房総里見氏の歴史を題材に創作された長編小説です。
著者は江戸時代の文豪・曲亭馬琴(きょくていばきん)。生計のほとんどを原稿料でまかなっていたとされ、日本で初めての著述家(小説家)と知られています。現代、数多くいるライターの始祖的な存在ですね。
『南総里見八犬伝』は映画や舞台、ゲームにまで展開されるほどに有名な作品である一方、2024年10月25日(火)には、著者の曲亭馬琴をテーマにした映画『八犬伝』が公開を控え、いま大いに注目を集めています。
物語の始まりとなった南房総「伏姫籠穴」へ
『南総里見八犬伝』について調べてみると、千葉県南房総市にて物語にまつわるスポットがあるとのこと。
南房総市の富山(とみさん)の中腹にある「伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)」は、物語の発端である安房里見家初代・里見義実の娘「伏姫(ふせひめ)」と、義実の愛犬「八房」が隠れて過ごしたという洞窟です。
誰がいつ何を目的に掘ったものかは不明らしく、門は現実と物語の境界線を隔すもののようなただならぬオーラが。
門の先は鬱そうと木々が茂る森で空気はひんやり。自然豊かな場所ということもあり、動物たちの鳴き声が至る方向から聞こえます。
かつては常に深い霧が立ちこめ、悪霊や妖怪が跋扈していたと言い伝えがある富山。ここに住む野生動物たちがもしかしたらその正体なのかもしれません。
3分ほど歩いて本丸の「伏姫籠穴」の前へ。物語のキーワードでもある「玉」が鎮座しています。近くの案内板によるとこれは伏姫、八房、2人から誕生した八犬士の心をイメージしているのだそう。
洞窟内には「仁・義・礼・智・忠・信・考・悌」と記された玉がゴロゴロ。物語で伏姫が力尽きたときに各地へ四散した霊玉にもこれらの字が記されていました。
伏姫籠穴はそこまで大きなスポットではありませんが、訪れたらぜひ寄ってほしいのが道中にある広場。
開放感バツグンの広場は八角形になっており、それぞれの角には物語で活躍する八犬士たちの名前が書かれた柱が立てられているので、推しと一緒に写真撮影するのにもよさそうです。
千葉県南房総市合
電話:0470-28-5307(南房総市観光協会)
アクセス:車 鋸南富山ICから約8分/鉄道 JR内房線岩井駅から徒歩約25分
公式サイト:https://maruchiba.jp/spot/detail_10418.html
絶景が楽しめる遊歩道もおすすめ
門の付近からほど近くには富山の遊歩道の入り口がありハイキングも可能! 山頂には辺り一帯を一望できる展望台などのスポットなどがあるので、時間が許すなら立ち寄ってみるのも一つの手。なお山道は上級者向けなのでしっかりとした準備をお忘れなく。
道の駅の絶品グルメと限定お土産
伏姫籠穴から車で10分弱の場所にある「道の駅 富楽里とみやま」は、地場で採れた生鮮食品をはじめ千葉県ならではのお土産がズラリとそろい、多くの人々が訪れるスポット。
里見八犬伝をモチーフにしたお土産がたくさんある中でも、特に注目なのがここでしか販売していない「伏姫八房饅頭(10個入 税込972円)」。千葉県の名産品である落花生の粉末が使われていてお土産におすすめです。
腹ごしらえをするならば道の駅2階のフードコートへ。地元の郷土料理など豊富な料理がそろう中、伏姫の名前を冠したブランド牛「里見伏姫牛」を使ったお肉メニューをぜひ。
筆者が食べた「ローストビーフ丼(税込 1,800円)」はとろけるような肉質で、非常に美味! 海産物のイメージが強い千葉県においてここまでのお肉が食べられるとは!
千葉県南房総市二部2211
電話:0470-57-2601
営業時間:平日 9:00~18:00/土日祝 8:30~18:30
公式サイト:https://www.furaritomiyama.jp/
物語と現実が交錯する神秘の世界へ!
いかがでしたか? 今回は南房総市にある「伏姫籠穴」について紹介しました。不思議な雰囲気が漂う空間はまるで物語の中のようで、非日常的な体験ができました。南総にはほかにも『南総里見八犬伝』ゆかりのスポットがたくさんあります。物語と現実が交錯する旅へ出かけてみてはいかがでしょうか?
[Photo by 土田洋祐]