【ドイツのディープな穴場都市「ケムニッツ」とは?】多くの産業遺産が残るノスタルジー漂う街

Posted by: TABIZINE広告部 【PR】

掲載日: Nov 1st, 2024

ケムニッツ(Chemnitz)という名前の街をご存じですか? ドレスデン、ライプツィヒに次ぐドイツ東部のザクセン州第3の都市。くるみ割り人形の故郷であり、クリスマスマーケットが美しいエルツ山地地域の玄関口とも言われる、人口25万人の中規模都市です。ケムニッツは2025年の欧州文化首都に選ばれ、今、にわかに注目を集めています。今回は、知られざるディープな穴場的魅力がいっぱいのこの街と周辺地域をご紹介します。

ドイツ ケムニッツ 街並み

旧東独ノスタルジー漂う街

© Ernesto Uhlmann

ドレスデンからローカル線で1時間の距離にあるケムニッツは、旧東ドイツ時代の名前を「カール・マルクス・シュタット(Karl-Marx-Stadt)」と言います。これは共産主義思想の創始者、カール・マルクスの名を冠した「カール・マルクス・シティ」を意味する名称。当時の名残を伝える巨大なマルクスの頭部像が市街中心部に残っていて、東ドイツノスタルジーを今に伝えています。

>>「世界トレンド観光地」に選ばれたケムニッツとは!?Booking.comが旧東ドイツの工業都市を推す理由

古くから工業都市として栄えたケムニッツは、ドイツの中でも類を見ないほど多くの産業遺産が残る街。産業革命による急激な近代化と二度の世界大戦、東西分断とドイツ再統一という激動の歴史を経験したこの街の数々の建築物を通して、ドイツの知られざる歴史の側面をたどることができる、ちょっぴりマニアックなお宝スポットです。

“産業化と衰退”激動の歴史を経験

ザクセン産業博物館(Sächsisches Industriemuseum) © Ernesto Uhlmann

ザクセン産業博物館(Sächsisches Industriemuseum) © Ernesto Uhlmann

ケムニッツを代表する場所のひとつが、旧工場建築を利用したザクセン産業博物館(Sächsisches Industriemuseum)。洗練された佇まいの赤れんがの建物は、今では記念碑に指定されています。

ここでは人々の生活を劇的に変化させた近代の産業発展の歴史が、当時の蒸気機関などの機械とともに展示されていて、その多くは今でも稼働できる状態にあるのだとか。

19世紀ドイツの代表的な建築様式、グリュンダーツァイトユーゲントシュティールの宝庫と呼ばれるのが、ケムニッツのカスベルク(Kaßberg)地区。精緻な装飾が施されたファサードが美しいマヨリカの家群(Majolikahäuser)に代表される優雅な住宅街は、19世紀の急速な産業化とともに発展しました。

ちなみにユーゲントシュティール様式といえば、市街中心部の市庁舎にも注目です。

もっと旅が楽しくなる!豆知識

  • グリュンダーツァイト|Gründerzeit
  • 1871年の普仏戦争後の好景気時代と、当時好まれた建築様式を指す。おもにバロックやロココなど歴史主義建築の復古様式がこれにあたる。

  • ユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォー)
  • 19世紀末〜20世紀初頭にかけて登場した建築・デザインなどの様式。動植物のシルエットなどをモチーフとした、柔らかい曲線美が特徴。

  • プレハブコンクリート建築
  • 工場生産したコンクリートパネルを現場で組み立てるタイプの建築。旧東ドイツの集合住宅などに多く見られる。

2025年に開催されるフラッグシップ・プロジェクトのひとつが、#3000Garagen プロジェクト。旧東ドイツ時代に建てられたケムニッツ市内の3万件のガレージを公開し、所有者の個人史を紹介すると同時に、このユニークな場所を活用したアートプロジェクトです。

カール・マルクス像周辺など、市内には東ドイツ時代の社会主義的建築の代表ともいえるプレハブコンクリート建築が今も多く残っている一方で、19世紀の雰囲気を色濃く残す重厚な建築も存在感を示しています。そのコントラストが醸し出すノスタルジックな雰囲気が絶妙です。

クリスマスマーケットとお宝雑貨

そしてケムニッツが最も輝く季節は、クリスマス前の4週間、市庁舎前の広場にクリスマスマーケットが立つアドベントの時期です。

エルツ山地オリジナルのくるみ割り人形などクリスマスの伝統工芸品

地元エルツ山地オリジナルのくるみ割り人形などクリスマスの伝統工芸品の屋台が立ち並び、まさに絵本の中から抜け出したクリスマスの子ども部屋のような多幸感に包まれます。

寒い中で飲むホットワインと、ソーセージやボリュームたっぷりのザワークラウトのスープなどの地元料理も絶品

またこの街はクリスマスシーズン以外にも、豊富な伝統工芸品や旧東ドイツ時代のレトロ雑貨を見つけることができる蚤の市が有名で、お宝探しが楽しめます。

ケムニッツ近郊の見どころ

2025年の欧州文化首都に選ばれたのは、ケムニッツとその周辺の中部ザクセン38自治体。ケムニッツ周辺で必見の観光スポットを以下にご紹介します。

リヒテンヴァルデの宮殿と庭園

ポツダムのサンスーシ宮殿などと並び称される、バロックアンサンブルの庭園が美しいリヒテンヴァルデ城。職人技術の粋をきわめた庭園建築と水の芸術、多種類の植物や花々が、ドラマチックな構成をなしています。宮殿建物の中にある宝物美術館も見どころ満載です。

リヒテンヴァルデの宮殿と庭園(Schloss & Park Lichtenwalde)
https://www.schloss-lichtenwalde.de

フライベルク

850年以上前に、銀の豊富な産出地として「シルバー・ラッシュ」を経験したエルツ山地のフライベルクは、世界遺産のエルツ山地鉱業地帯の一部であり、ザクセンに富と栄光をもたらしてきた重要な意味を持つ場所です。歴史的旧市街にある記念碑指定建造物の数はなんと500件に上ります。バロック・オルガンの製作者として名高いゴットフリート・ジルバーマンはエルツ山地出身。良質な木材や金属を使ったジルバーマン製作のオルガンは、この街に4台残されています。

アンナベルク=ブーフホルツ

アンナベルク=ブーフホルツ Frohnauer Hammer, Foto: © Ronny Küttner, Photoron

© Ronny Küttner, Photoron

2019年にユネスコ世界遺産に選ばれた「エルツ山地鉱業地域」の主要都市アンナベルク=ブーフホルツ。銀や錫、鉄などの多様な鉱山資源に恵まれたこの地域は、鉱山産業が廃れたあともクリスマスの工芸品やおもちゃなどの手工業の産地として栄え、現在に至っています。ドイツ最古の鍛冶ミュージアム、フロナウアー・ハンマー(Frohnauer Hammer)では、17世紀当時の水力技術を見学することができます。鉱業と手工業で発展した街の歴史を伝える美しいクリスマスマーケットも有名です。

アンナベルク=ブーフホルツ(Annaberg-Buchholz)
https://www.annaberg-buchholz.de

ツヴィッカウ

アウグスト・ホルヒ・ミュージアム © Oliver Göhler

アウグスト・ホルヒ・ミュージアム © Oliver Göhler

音楽家のロベルト・シューマンの故郷であり、ドイツで最も美しい音楽ミュージアムのひとつとされるシューマンハウス(ROBERT SCHUMANN HOUSE)が存在する街ツヴィッカウ。旧東ドイツの片隅に位置するこの街は、実はドイツ自動車産業の歴史の重要な舞台でもありました。戦前にここで高級車アウディの前身ホルヒが誕生し、戦後は西側へ移転。残された工場設備を利用して、東ドイツの国産車トラバントが製造されました。アウグスト・ホルヒ・ミュージアム(August Horch Museum)では、その激動の歴史をたどることができます。

2025年欧州文化首都関連主要イベントリスト

ドイツ ケムニッツ シアタースクエア ©︎ Nasser Hashemi

©︎ Nasser Hashemi

開催日 内容
2025年1月18日 欧州文化首都オープニングイベント
【場所】ケムニッツおよび欧州文化首都地域
2024年10月25日〜2025年6月29日 「銀の輝きと鉱夫の死」展 ー 何世紀にもわたり銀の産出で栄えたその歴史と、過酷な鉱山労働の実態を紹介する展示
【場所】ケムニッツ考古学博物館(Staatliches Museum für Archäologie, Chemnitz)
2025年4月11日〜13日 アート&彫刻展「Purple Path」ー 欧州文化首都を舞台にした、多彩なアーティストによる共同アートプロジェクト
【場所】ケムニッツおよび欧州文化首都地域
2025年4月25日〜11月16日 変遷の物語展 ー 「ザクセンのマンチェスター」だったケムニッツが経験した急激な産業化の発展と衰退。同様の過程を経験した欧州の産業都市の変遷の歴史と、将来への展望を探る
【場所】ザクセン産業博物館(Sächsisches Industriemuseum, Chemnitz)
2025年4月27日〜8月10日 欧州のリアリティ展 ー 1920〜30年代の欧州における近代化と産業化の裏に存在した貧困と飢餓、経済の活性化と文化の爛熟、技術の発展と女性解放運動、多様性の出現など混沌の時代に迫る
【場所】グンツェンハウザーミュージアム(Museum Gunzenhauser, Chemnitz)
2025年5月30日〜6月1日 ストリートアート・フェスティバル
【場所】ケムニッツ市内
2025年6月13日〜15日 コスモス・ヨーロッパ ー 寛容性と世界に開かれた街をテーマに、ケムニッツについて紹介するイベント
【場所】ケムニッツ市内
2025年6月19日〜22日 Makers United ー 欧州各国のクリエイティブでイノベーティブなモノづくりや発明スピリットに着目したフェスティバル
【場所】ケムニッツ市内

[公式サイト]
2025年8月10日〜11月2日 エドヴァルド・ムンク展
【場所】ケムニッツ・アートコレクション(Kunstsammlung am Theaterplatz, Chemnitz)
2005年9月10日〜13日 ヨーロピアン・ピース・ライド ー ケムニッツを中心に近隣諸国もコースに入れた自転車ロードレースの平和イベント。正式なコースは2025年初めに発表
【場所】ケムニッツおよび欧州文化首都地域と周辺地域

[公式サイト]
2025年9月20日 オペラ「ルンメル広場」初演 ー ケムニッツ生まれの小説家ヴェルナー・ブロイニッヒの作品「ルンメル広場」のオペラ作品が同市オペラ座で初演される。
【場所】ケムニッツ・オペラハウス

[公式サイト]
2025年11月24日〜12月30日 Maker-Advent ー クリスマスイベント
【場所】ケムニッツおよび欧州文化首都地域
2025年11月29日 欧州文化首都閉会イベント
【場所】ケムニッツおよび欧州文化首都地域
欧州文化首都ケムニッツ2025公益有限会社
Kulturhauptstadt Europas Chemnitz 2025 gGmbH
Fabrikstraße 11
09111 Chemnitz
presse@chemnitz2025.de
www.chemnitz2025.de

Chemnitz 2025: European Capital of Culture Logo

ドイツ観光局ロゴ

協賛:ドイツ観光局

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