世界遺産にも登録!アルウラの古代都市遺跡「マダイン・サーレハ」
アルウラを旅する人のほとんどが訪れるのが、アルウラの北東約22kmにあるサウジアラビア初の世界遺産・ヘグラの考古遺跡(マダイン・サーレハ)です。ここは、紀元前1世紀から紀元後1世紀に文化が築かれた古代都市で、ナバデア人というアラブ系民族が作ったものと言われています。
映画「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」のロケ地でも有名なヨルダンのペトラ遺跡もナバデア人が造ったと言われており、北のペトラ、南のへグラと言われるようです。考古学資料が少ないために、現在も調査が進んでいるなどまだまだ神秘的な場所とも言われるのに加え、このヘグラが一般に公開されたのは2019年と最近のため、保存状態が良好! しかも、保全のために、観光ルートを変えていたりと工夫されているそうです。
カスル・アル・ファリード
他にも観光ルートには、カスル・アル・ファリードという高さ22mの一枚岩に作ったお墓も必見。形が似ているので、ヨルダンのペトラ遺跡と比較されます。この遺跡群の中でも最も大きいお墓と言われています。
他にも、軍人や女性たちと種類豊富なお墓が111基あり、ガイドの説明を聞きながらツアーで巡ります。ツアーは公式で申し込むのが一番お安いので、そこでの申し込みがおすすめ。ホテルからタクシーを申し込んでウェルカムセンターに集合して行くと節約できるかなと感じました。
筆者は時間がなかったので遺跡だけでなく、行きたいところを含んでくれるプライベートツアーを申し込み、1日でぐるっと回りました。しかし振り返るとタクシーをチャーターした方が安かったかなと反省です。
所在地 Unamed Road, Hegra 43541 サウジアラビア
営業時間 6:30-24:00
https://www.experiencealula.com/en/places-to-go/hegra
2000年以上の時を経てまだ残る野外図書館!?「ジャバル・イクマ」
他にも必見なのは、ジャバル・イクマ。古代のアラビア語が岩に刻まれており、「野外図書館」と呼ばれています。いまだに岩に刻まれた文字の凹凸が綺麗に残っていることに感動! なんと書いてあるのかは完全には理解できませんでしたが、その保存状態がすごすぎました。
さらにワークショップで実際にアラビア文字を掘る体験もできるので、ぜひその大変さを感じてみては!?
所在地 375, AlUla 43532 サウジアラビア
営業時間 6:30-24:00
https://www.experiencealula.com/en/places-to-go/jabal-ikmah
「エレファント・ロック」で夕焼けを見ながらお茶するとチルタイム
アルウラのガイドブックでよく見るのが、長い鼻を持ったゾウのように見える「エレファント・ロック」。天然の1枚岩できており、その高さは52mととても大きなもの! 自然にできたものとは思えないほどで、夕焼けスポットとしても人気です。
岩の周りには砂地を窪ませて作ったソファが設置され、周りには屋台があるので、飲み物を片手にチルタイムを過ごせるのがうれしいポイント。夜は、照明が灯されて幻想的な雰囲気になるので、夕焼けから夜にかけて人が集まってきます。時には音楽フェスが行われていたり、地元の方にも愛される場所です。
所在地 AlUla 43521 サウジアラビア
営業時間 土曜〜水曜 16:00-23:40
木曜、金曜 16:00-24:40
https://www.experiencealula.com/en/places-to-go/elephant-rock
旧市街もおしゃれ
壮大な自然だけでなく、アルウラでは旧市街もおしゃれだと人気です。旧市街では、1000年前に香料の貿易ルートや、メッカへの巡礼路の途中として栄えた街と言われています。興味深いのは、住宅で石と日干しレンガで建てられている様子を見ることもできます。
旧市街のショッピングストリートは可愛らしい外装をしており、フォトジェニック! こちらも夜になると照明が灯され、両脇にあるお店がオープンしとても賑やかになるそう。どこのお店に行くべきかなど困ったときは、インフォメーションセンターに行くのがおすすめ。
「WhatsApp持ってる?」と聞かれ、「LINEのようなチャットアプリで連絡先を交換するのか!?」と心配になったものの、聞きたいことを英語で問い合わせると、英語ですぐにおすすめや困ったことをURL付きで紹介してくれるのです! 臆せずぜひ使ってみると便利です。
筆者は夏の暑い昼間に訪れたので、どこもお店は休憩中で開いておらず、唯一開いていたスタバに行きましたが、スタバすらもおしゃれ! ぜひ、散策してみては!?
375, AlUla 43562 サウジアラビア
https://www.experiencealula.com/en/places-to-go/alula-old-town
アルウラで絶対見たい鏡張りの不思議な建物「マラヤ」とは!?
そして、アルウラの魅力といえば「アート」な魅力。砂漠の中で突然現れる鏡ばりの箱。まるで忍者のように砂漠の中に馴染んでいるのですが、これはマラヤと呼ばれるコンサートホール。
「マラヤ」とはアラビア語で鏡を意味するように、9740枚の鏡ばりのパネルで覆われています。全面鏡で覆うことで、周囲の砂漠の景色を映し込み、時には空の景色も反映させ、建物の姿が常に変化していくのが芸術的です。
現地のガイド曰く、「午前中が撮影するのにピッタリだよ!」とのことです。コンサートだけでなく、屋上ではミシュランのスターシェフによるレストラン「マラヤ・ソーシャル」も入っているなど、魅力抜群。絶対に訪れたい場所です。
絶対に行きたいマラヤ!でも注意点も
一方で、訪れるのには注意点も。マラヤは後ほど紹介する、「バンヤンツリー アルウラ」「アワ・ハビタス・アルウラ」の敷地内にあるため、ホテルのセキュリティ上、
- 2つのホテルに宿泊している人
- 2つのホテルの中にあるレストランを予約している人
- マラヤ内のレストラン・マラヤ・ソーシャルを予約している人
でないと入れないそうです。筆者はそのルールを知らずたまたま「バンヤンツリー アルウラ」に宿泊予定だったので、入ることができました。一方で運がよければ、現地ガイドがいて「マラヤ見たい」と入口のセキュリティに言えば入れることがあるそうです。ただ一番、確実にコストをかけずに入れるのは「ホテルのレストランを予約」です。ご注意ください。
見逃せないアルウラのホテル
サウジアラビア政府も観光地としてイチオシするアルウラは、現在、世界中のラグジュアリーホテルブランドが注目しているそうで、すでに決まっているものだけで、アマンリゾート、チェディ、シックスセンシズ、オートグラフコレクションと名だたる高級ホテルが建築予定! その中でも2024年現在、おすすめしたいおしゃれリゾートホテルをご紹介!
バンヤンツリー アルウラ (Banyan Tree Alula)
タイのラグジュアリー・ウェルネス・リゾートであるバンヤンツリーが2022年に開業したホテル。1つ1つの部屋がコテージになっており、広大な砂漠と奇岩に囲まれています。あまりにも広大な敷地で、ホテルのフロントは2つあります。端から端に移動するには、ゴルフカートで25分! というほど。
人気なのは、奇岩に囲まれたプール。インフィニティープールになっており「ロックプール」と言われる景色はフォトジェニックだとSNSでも話題です。
他にも朝晩行われるヨガクラスも、岩に囲まれ、自然の鼓動を感じることができます。
レストランは、アラビア料理をモチーフにしたものと、本格タイ料理が食べられるレストラン・Saffron Thai Restaurantがあるのが魅力。筆者のように中東の食事に飽きてしまった人には救世主のように感じる場所でした。(実際、ホテルを選んだ決め手はタイ料理でした)
所在地 Road, Wadi Ashar Tabuk, AlUla 43563 サウジアラビア
チェックイン 15時
チェックアウト 12時
https://www.banyantree.com/saudi-arabia/alula
アワ・ハビタス・アルウラ (Our Habitas Alula)
もう1つ比較されるホテルが、英国で急成長を遂げるホテルブランド・アワ・ハビタスの中東第1号のホテルである、アワ・ハビタス・アルウラ (Our Habitas Alula)。敷地内に美術品を展示し、「野外美術館」と呼ばれることも。人気なのは、こちらもインフィニティープール。砂漠の真ん中に置かれた広大なプールで、敢えて浅く作っている箇所があるので、ここを歩くだけで砂漠の中にある水の中を浮いているように歩く写真が撮れると世界中で話題なのです。
バンヤンツリーとよく比較されるのは、日替わりアクティビティが充実していること。プールやヨガはもちろん、屋外シネマやトランポリンがあります。ホテルを検索していると「キャラバン・アルウラ」というホテルも出てくるのですが、同じ敷地内にあり、客室がキャンピングカーになっているのが特徴です。もうどこに泊まっていいのか迷ってしまうほど。
所在地 Ashar Valley, AlUla 43511 サウジアラビア
チェックイン 15時
チェックアウト 12時
https://www.ourhabitas.com/alula/
2つのホテルの比較と、楽しむための裏技
筆者の所感だと、
- バンヤンツリー→プールはこちらの方が人気、アジア人多め、コテージなど部屋のクオリティが一番良い
- アワハビタス→アクティビティーが飽きない、欧米のゲスト多め、部屋はこじんまり
という違いです。一方で、この2つのホテル同じ敷地内にあるのでホテルの無料シャトルサービスで行き来が可能です。しかし、簡単には入れず。宿泊していない方のレストランを予約し、1人あたりのミニマムチャージ(最低1万円ほどの飲食をする)を支払えば、訪問可能です。
筆者はバンヤンツリーに宿泊していましたが、アワ ハビタス アルウラのプールにどうしても行ってみたく、プールに面したレストラン・Tamaで食事をし、なんとかプールで写真を撮ることができました。Tamaというレストランもガイドブックに掲載されるほど地産地消にこだわった食材を使っている有名店で、ミニマムチャージも実際、他で飲食してもそれぐらいかかってしまう価格帯なので「高すぎる!」というほどではありませんでした。
所在地 QR9X+48, Shlal 43570 サウジアラビア (Our Habitas Alula内)
営業時間 7:00-24:00
https://www.ourhabitas.com/alula/dining/
他にもこの2つに宿泊する魅力が、前述した「マラヤ」への無料シャトルサービスがあること。ホテルの敷地内にマラヤがあるため、無料で行けるのは本当に助かります。筆者はチェックイン前にタクシーで訪問し、もう1度見てみたくホテル滞在中にシャトルサービスで訪問。「タクシー代もったいなかったなぁ」というのが正直な気持ちでした。
- 2つのホテルは行き来できること
- マラヤは無料で連れて行ってくれること
この2点は調べてもそんなことどこにも書いていない! ぜひ、参考にしてみてください。
気になる宿泊費は…○○を選ぶと安い!
そして、さらに裏技。気になるのは宿泊費です。どちらも高級ホテルなのでお値段は高め。しかし筆者が訪れた9月はオフシーズンだったのもあり、脅威の78%オフの値段で宿泊。ほぼ8割引とは……もはや何が定価なのかよくわからない価格です。2名2泊で60万1,969円のところが13万5,172円でした。つまり1人1泊3万3,793円。「ちょっと高いけど、払えない値段じゃない!」という価格で2泊しましたが、それは天国のようなリゾート体験。
オフシーズンはホテル以外のお店が涼しい夜しか開いていないなど不便なことも多いですが、ホテルステイを楽しみたい方にはおすすめの選択肢です。
魅力あふれるサウジアラビアのアルウラ。SNSでも人気が高まり、話題沸騰になること間違いなし。あなたの旅先選びの参考になれば幸いです。