白い壁と円錐形の屋根が織りなす街アルベロベッロ
「アルベロベッロ」は、白い壁と円錐形の屋根をした家が立ち並ぶ約1万人が住む村。
ユニークで特徴的な景観が見事なここはユネスコ世界文化遺産に登録されており、合掌造りで有名な「白川郷(白川村)」とは姉妹都市の間柄です。
ここでは、午後1時から5時の間は昼寝の時間。他人を訪問する事もなく、静かに自分の時間を過ごすのが風習だそう。
筆者が訪問したのは11月中旬。クリスマスに向けて飾り付けの用意が進みつつも、イルミネーションの点灯は行われていませんでした。この時期は、街の中の観光客は少なく、営業する店舗も少ないのだとか。
アルベロベッロの代名詞である光を反射する「白い壁」と魔除けの意味を持つ独特なデザインが描かれた「円錐形の屋根」。歴史を感じる景観の中にも、プロパンガスが利用されるなど現代の生活が見える場面も。
イタリア発祥のスクーター「VESPA(ベスパ)」が駐車中。目が覚めるような真っ赤なボディが、白と茶色のアルベロベッロの景観に彩りを添えています。この光景は正にイタリアです。
この地域はオリーブの栽培がとても盛んで、お土産にも質の高いオリーブ製品がズラリと並びます。現地のスーパーマーケット「トディス」は、お土産のお菓子など品ぞろえは豊富でした。
大自然と人類の歴史が融合する地マテーラ
アルベロベッロのあとに訪れたのは、柔らかい石灰岩を利用した「サッシ」と呼ばれる洞窟居住で有名な「マテーラ」へ。こちらも世界遺産に登録されている有名観光地です。
グランドキャニオンを彷彿とさせる「グラヴィーナ渓谷」は圧巻の一言。吊り橋といった冒険心がくすぐられる場所もあり、自然と調和したワイルドな魅力にあふれるスポット。
時間があれば渓谷をウォーキングするのもおすすめです。
聞くことによると、世界遺産に登録される前のマテーラは、人が寄り付かなくなるほどの荒れ地になっていたのだとか。当時を知る人々はこの街を「廃墟の美」と呼んでいたそう。
先に紹介したアルベロベッロに引き続き、マテーラの街並みで絵になる乗り物を発見。
「モト-カレッシーノ」と呼ばれるこちらは赤い三輪の小さな自動車であり、ラベ・ヴィトというツアー会社が運営。「世界一魅力的な三輪バイク」という通り名に遜色なく、朴訥とした洞窟住居の中で愛くるしいアクセントになっています。
洞窟レストラン
ランチはマテーラの名物スポットの洞窟レストラン「Nadi Ristorante」にて地元の名物料理を堪能。
オレキエッテという耳型パスタにフレッシュなサラダとソーセージ、そしてデザートのアイスクリームで締めくる贅沢な時間を過ごせました。不思議と洞窟に包まれながらの食事は意外にも落ち着くものでした。非日常的を体験したい人にはおすすめです。
おわりに
アルベロの穏やかな生活や歴史的な建物、マテーラの大自然と文化。 南イタリアの旅は、日常では味わえない時間の流れと独自の伝統を体感する絶好の機会でした。
[photo by 北島幸司]