偽物か本物か?【世界のオーパーツ】クリスタル・スカルなど謎に満ちた遺物5選

Posted by: あやみ

掲載日: Feb 19th, 2025

「オーパーツ(Out of Place Artifacts)」とは、時代や文明の技術水準を超越した出土品のこと。これらは、科学の発展とともに次第に解明されつつあります。しかし、依然として完全に解明されていないものも! 今回は、世界で有名な5つのオーパーツの謎と、最新の研究による解明状況に迫ります。

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全13個あるとされるアステカ文明の遺物「クリスタル・スカル(水晶髑髏)」

クリスタルスカル

※画像はイメージです

透明な水晶を精巧に削り出して作られた「クリスタル・スカル」は、アステカ文明の遺物とされています。

20世紀前半、英国の冒険家であるフレデリック・ミッチェル・ヘッジスが、幻のアトランティス大陸を見つけるため、南米のジャングルに赴き、そこでクリスタル・スカルを発見。

クリスタル・スカルは未発見のもの1個を含めると全13個あるとされ、オルメカのピラミッドに収められていましたが、アステカ人がすべて散逸したそうです。

しかし残念ながら、発見された12個のクリスタル・スカルのうち、本物と判定されたものは、今のところひとつもありません。

パリに位置するケ・ブランリー美術館が行った分析によると、水晶の精緻な削り方や磨き方から、近代の道具が使われていることが判明。

さらに大英博物館とスミソニアン研究所(アメリカ)が所蔵するクリスタル・スカルにおいても、分析と調査の結果「偽物と思われる」と判定されています。

ほぼ完全な球体をしている石球「ディキスの石球」

1930年代、コスタリカの密林で大小合わせて200個以上の石球が発見されました。これらの多くは、ほぼ完璧な球体をしているそうです。

また、主に花崗閃緑岩と斑れい岩から作られており、大きさは、直径70cm〜2m超までさまざま。調査によると、1,000年以上も前に先住民によって造られたものもあるとされ、富や力を示す象徴のほか、死後の世界と交信する儀式にも欠かせない存在だったとされています。

しかし、その詳しい製造工程や構築用具は、未だにはっきりとはわかっていません。

ディキスの石球は世界遺産「ディキスの石球のある首長制集落跡」のほか、その周辺の公園や中学校などでも見ることができます。

1,600年以上もの間、ほぼ錆びることなくそびえ立つ「デリーの鉄柱」

インドの首都デリーにそびえ立つ高さ約7.2m、重さ約6トン鉄柱は、1,600年以上もの間、ほとんど錆びることなく現在まで残っているとされているオーパーツ。

インド工科大学カンプール校の研究者らの発表によると、鉄柱は主に錬鉄でできており、金属の錆びを防ぐリンの含有量が高くなる、「鍛接」と呼ばれる技法を用いていることが判明したそう。

さらに、鉄・酸素・水素で形成された化合物「ミスライト」という表面の薄い保護層が錆を防いでいることもわかっています。

この鉄柱は、1993年に世界遺産に登録された「デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群」の敷地内にあり、見学可能です。

“世界最古のコンピューター”と呼ばれている「アンティキティラ島の機械」


1901年にギリシャのアンティキティラ島の沖合で発見された「アンティキティラ島の機械」は、青銅製の精巧な歯車からなる装置です。

製作時期には諸説ありますが、一般的に紀元前1世紀ごろとされています。

古代ギリシャ人たちが暦の計算のほか、太陽や月などの位置の計算に使っていたと考えられています。そのため「世界最古のコンピューター」という別称も。

「アンティキティラ島の機械」は、アテネ国立考古学博物館に展示されています。

偶然に電解質として機能!? 約2,000年前に作られた「バグダッド電池」

※画像はイメージです

「バグダッド電池」は、1930年代にイラクの首都バグダッド郊外のホイヤットラブヤ遺跡で発見されました。

約2,000年以上前に作られたものとされており、陶器の壺内には銅製の筒がアスファルトで固定され、筒の中に鉄製の芯が入っている構造。

電解液として酢や果実のしぼり汁などを用いれば、ガルバーニ電池と類似した構造になることから、世界最古の電池という別称があります。

しかし、これまで電池として使用された証拠は見つかっておらず、金銀のメッキを施すための道具説など、さまざまな論争が現在でも行われているのだとか。

[参考]
『インディ』新作に登場する「古代アステカ文明の水晶ドクロ」、実は19世紀の偽物
「クリスタル・スカル」さらに2点が偽物と判明、英米有名博物館が発表
世界遺産|TBS
unesco
インドの謎の鉄柱、1600年経った今もさびない理由とは?|CNN
2000年前の人骨、「アンティキティラ島の機械」の沈没船で発見|AFP BB News
国立天文台
Panasonic ENERGY

[Photos by PIXTA]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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