ポーランドの古都「ヴロツワフ」と「ポズナン」で色濃く残る歴史と現役の蒸気機関車庫に触れる旅!観光に便利なホテルやレストラン情報も紹介

Posted by: 北島幸司

掲載日: Mar 21st, 2025

ポーランド南西部にあるヴロツワフとポズナンを中心に見どころは近郊都市に広がります。ヴロツワフはドイツとチェコにも近く、日系企業も進出する経済的に重要な拠点でありながら、美しい運河や建築物が訪れる人々を魅了します。また、ポズナンには鉄道ファンにはたまらない「蒸気機関車庫」といった魅力的なスポットも。今回はそんな2都市の旅へ皆さんをお連れします。

ポズナンの王宮博物館からの展望

「ヴロツワフ」の歴史と文化

ポーランドの都市「ヴロツワフ」は、オドラ川沿いに広がる運河都市で、街中に140を超える橋があり、「ポーランドのヴェネツィア」とも呼ばれています。

この街は第二次世界大戦で80%が破壊されましたが、以前はドイツ領であったため、街並みや文化にはドイツの影響が色濃く残っているのが特長です。

百年記念会館の全景です
ナポレオン戦争から100年を記念して建てられた「百年記念会館」は、世界遺産に登録されている鉄筋コンクリート建築の傑作です。

直径60m以上、高さ40mを超える規模であり、かつては最大収容人数50,000人を誇りました(現在は安全基準の観点から5,000人)。通年してさまざまなイベントが開催されており、訪問時には書籍の展示会が行われていました。

(入場料30ズウォティ)

街に点在する小人像

街のいたるところにある小人像
ヴロツワフの街のアイコンは、市街に点在するドワーフ(妖精)と言われる小人像の数々。1980年に当時の政党が共産党への風刺表現の為に小人に託したことから、民主化の象徴とされており、正確な数は不明ですが、異なるデザインだけでも全部で700以上あるともされています。

ヴロツワフ大学前の小人は本を開いて勉強するなど、場所などによって意匠の違いがあります。込められたメッセージを読み取りながら散策するのもおすすめです。

陶器工房へと陶器博物館

陶器工房の売店にてお土産が買えます
ヴロツワフの西、ドイツやチェコの国境に近いボレスワヴィエツでは、ポーリッシュポタリーとして38の工房があります。うち数軒で近年注目を浴びる陶器の生産現場を見ることができます。

その中でもマヌファクトゥーラ工房(見学45ズウォティ)では、ガイドの案内を聴きながら手作業で行われる制作工程を見てまわるツアーが人気。

陶器工房で絵付けをする人たち

クリーム色と鮮やかな青色で彩られた素朴な陶器で、多くは女性の絵付師さんの繊細な手の動きから生み出されるデザインは温かみがあります。70ズウォティで絵付けの体験をすることも可能です。

併設された陶器直売所ではアウトレット品もあり、食器や人形などの装飾陶器もお手頃な価格で販売されているので、お土産を買い求めるにもピッタリです。

博物館の陶器の数々
陶器博物館(入場15ズウォティ)の館内では陶器に関する歴史を学習できます。かつて陶器スペインからウクライナまでの交易路のなかで重要な位置を占めていたとか。年代と地域に分かれた展示では、デザインを見比べることもできて陶器の変遷がわかります。

ヴロツワフの宿泊と食事

オドラ川をわたりトゥーンスキ地区へ
ヴロツワフでの宿泊は「The Bridge Hotel Wroclaw(ザ ブリッジ ヴロツワフ)」へ。トゥムスキ地区にある「洗礼者ヨハネ大聖堂」や、オドラ川沿いの美しい景観を楽しむことができます。

ザ ブリッジお部屋の中は落ち着いた感じ

ベッドの上の吊るされたキャンドルがあしらわれた天蓋のフレームなど、スタイリッシュな装飾が素敵なアクセントです。窓からは大聖堂の美しいライトアップを見ることができ、ロマンチックな景色を楽しめます。

(通常期134ユーロ~)

ピヴニツァ・シフィドニツカのビール飲み比べ
レストランは、醸造所併設の「Piwnica Świdnicka(ピヴニツァ・シフィドニツカ)」を訪れてみてください。創業1273年のヨーロッパ最古のビアセラーで、地元の食材と自家製ビールを楽しむことができます。

鴨胸肉です
カリフラワーステーキの迫力の皿
ビールの飲み比べもできますし、伝統的なポーランドのスープに始まり、肉料理、魚料理、野菜も味わい深く調理されて見栄えも良く提供されます。カリフラワーステーキ(49ズウォティ)など見栄えも華やか。デザートも絶品です。

Piwnica Świdnicka
Rynek Ratusz 1A, 50-106 Wrocław, ポーランド
https://piwnicaswidnicka.pl/en/home-en/

ポーランドの古都「ポズナン」

ポズナンは初代君主がポーランド王国を興した場所で、900年後半から1000年前半にかけてポーランド最初の首都でした。現在はポーランドで有数の商業の都市として栄えています。

旧市庁舎の上部からヤギが出てきます
旧市街広場はポズナンの歴史を感じられるエリアです。広場の四隅には美しい噴水が配置され、観光客を魅了します。

広場にある旧市庁舎は博物館としても利用されており、16世紀にルネッサンス様式で再建されました。「ヤギの物語」が有名で、毎日正午になると時計台から2匹のヤギ(ピレックとディレック)が現れて喧嘩をするように踊ります。この伝統は1555年から1999年まで続いており、現在も観光名物となっています。

訪れた際には、旧王宮まで足を伸ばしてもいいですね。展望テラスからの眺めは街の様子が一望でき、赤茶色の屋根がどこまでも続く落ち着いた景色を楽しめます。

アイスフェスティバルで日本人の活躍を見る
ポズナンでは毎年、氷柱を削って作品を作るアイスフェスティバルが開催。このイベントには世界各国からのアーティストが集まり、腕を競い合います。

欧州唯一のボルシュテイン「蒸気機関車庫」

タウリシュさんと蒸気機関車
ボルシュティンには、欧州唯一の蒸気機関車庫が現存しています。1907年から稼働するこの機関車庫は動態保存するだけではなく、実際に2月から11月には定期列車として1日2往復走る蒸気機関車が並びます。定期列車で走るのは世界でもここだけ。

20台の機関車が保存され、直径20.5mのターンテーブルと扇形機関庫には8台の機関車が格納できます。そのほか、100トンの水を貯める給水塔と300トン以上の石炭を備蓄することもできるのだとか。

毎年多くの観客の中を蒸気機関車パレードで走る
機関庫には資料室や宿泊施設も併設されており、硬券乗車券発券機や鉄道模型レイアウトなども残されています。歴史的な建物として貴重でありつつ、鉄道ファンにはおすすめのスポットです。

(入場券20ズウォティ)

Parowozownia Wolsztyn
Fabryczna 1, 64-200 Wolsztyn, ポーランド

西部の地域は、陶器と機関車の施設を中心に趣味の世界を満喫できる個性的な観光施設があります。隣国ドイツやチェコの影響を色濃く受けたこれらの街も一味違って良いものです。

ポズナンの宿泊と食事

ノボテルポスナンはアクセスも良好です
ポズナンでの宿泊には「Hotel Novotel Poznan(ノボテル ポズナン)」が便利です。快適な施設と優れたアクセスで、観光の拠点として最適です。(通常期91ユーロ~)

Hotel Novotel Poznan Centrum
pl. Władysława Andersa 1, 61-894 Poznań, ポーランド

ヴェランダの楽しい店内です
レストランは商業施設「スタリ・ブルワール」内にある「ヴェランダ」がおすすめです。屋内庭園の中にあるような造りでゆったりとした時間を過ごすことができます。地元の食材を使用したおいしい料理が楽しめると評判です。

味の芸術品のサーモンタルタル
サーモンタルタル(43ズウォティ)など見た目は芸術的で味も見事なものでした。

Weranda Lunch & Wine
Półwiejska 42, 61-888 Poznań, ポーランド
https://werandafamily.com/pl/restaurant/weranda-lunch-wine

※2025年2月25日時点での換算レートで1ズウォティは約38円、1ユーロは約157円です。
※取材時の情報です

[Photo by 北島幸司]

[取材協力]
ポーランド政府観光局:https://www.poland.travel/ja
LOTポーランド航空:https://www.lot.com/jp/ja/

PROFILE

北島幸司

tabi240805 航空ジャーナリスト

航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅について寄稿する航空マニアな航空ジャーナリスト。 現在は航空部品メーカーで顧問業のかたわら執筆しています。航空コンサルタントとして事業も開始。航空ジャーナリスト協会に所属しています。

【キャッチフレーズ】
飛んでいれば満足

航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅について寄稿する航空マニアな航空ジャーナリスト。 現在は航空部品メーカーで顧問業のかたわら執筆しています。航空コンサルタントとして事業も開始。航空ジャーナリスト協会に所属しています。

【キャッチフレーズ】
飛んでいれば満足

SHARE

  • Facebook