水かけ祭りとは?
タイの「水かけ祭り」は、正式にはソンクラーンと呼ばれ、毎年4月13日〜15日に開催されるタイの旧正月を祝う伝統的なイベントです。
もともとは仏像や年長者の手に水をかけて新年の幸運を祈る習慣で、仏像に水をかけることは「仏像を水で清めることで自らの罪や厄を洗い流し、新たな年を清らかな気持ちで迎える」という意味。年長者など目上の人には、手に優しく水をかけ、感謝の気持ちを表すとともに、長寿と幸運を祈る意味が含まれています。
しかし、現在では街全体が巨大な水かけバトル場となり、観光客も地元の人々も水鉄砲やバケツを持ち、全身びしょ濡れになりながら楽しむお祭りとなっています。歴史的な背景から、2023年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)により無形文化遺産に登録され、世界中から注目を集めているイベントです。
特にバンコクでは、ソンクラーン期間中の街中が祝祭ムードに包まれ、誰もが笑顔で水をかけ合う光景が見られます。気温が40度近くまで上がることもあるこの時期、水をかけ合うことで暑さを和らげ、思いっきりはしゃぐことができるのもソンクラーンの醍醐味です。
持っていくべき!ソンクラーン攻略の必需品5選
ソンクラーンを思い切り楽しむためには、以下の必需品を準備しましょう。水かけ祭り期間中は、常に水をかけられるので濡れに行くことを覚悟せよ!
水鉄砲
祭りの主役といえば、水鉄砲! 現地でも屋台やコンビニで簡単に手に入りますが、早めに調達しないと売り切れることもあるので注意しましょう。水をかけられてばかりだと楽しくないので、ぜひ準備しておくことがおすすめ! 筆者は日本で安価なものを事前に購入して持参しました。
防水バッグ・防水ケース
スマホや貴重品は水濡れを避けるために防水バッグやジップロックに入れて持ち歩くのがおすすめです。首からかけるタイプの防水ケースが特に便利です。筆者は人生で浴びたことのない水の量をソンクラーンで浴びました。
体感としては、晴れているのに豪雨にあったような感じです。中でもスマホを保護するケースは必需品。タイでも買えますが、不安になるぐらいペラペラだったので日本で買っていくことをおすすめします。
濡れてもいい服装(水着&アロハシャツ推奨)
濡れてもすぐ乾くアロハシャツは、実は便利&正装アイテム! 花柄のアロハシャツは、お正月でもあるソンクラーンでは縁起がよいと言われています。その下に水着を着用すれば完璧です!
ボトムは短パンがおすすめ! 白い服は透けやすいので避けましょう。また、水を含んでも重くならないサンダルやウォーターシューズが最適です。
ゴーグルまたはサングラス
顔に水がかかるので、目を保護するためにゴーグルやサングラスをかけておくと快適です。特にコンタクトレンズを使用している人は要注意です!
小銭や最低限のお金
水かけ祭りでは財布を出し入れするのが大変なので、小銭や少額のお札を持ち歩くのが便利。防水ケースに入れておけば安心です。
水かけ祭りのおすすめエリア
水かけ祭りの期間中、バンコクの街中どこでも水をかけあう環境ですが中でも、水をかけるために人が集まるエリアを紹介します。逆に水をかけられたくない人が近づいてはいけないエリアです。
カオサン通り(バックパッカーの聖地)
バックパッカーの聖地として有名なカオサン通りは、ソンクラーン期間中、バンコクで最も賑わうエリアの一つです。道路全体が水かけバトル場となり、DJの音楽が鳴り響く中、観光客や地元の若者が入り乱れて大騒ぎ! 国際色豊かな雰囲気で、知らない人ともすぐに打ち解けられるのが魅力です。夜遅くまで水かけバトルは続きます。
所在地 161, 163 Khaosan Rd, Talat Yot, Phra Nakhon, Bangkok 10200 タイ
シーロム通り(地元タイ人にも大人気)
BTSサラデーン駅近くのシーロム通りは、バンコク最大級のソンクラーン会場の一つ。道の両側には高層ビルが立ち並び、上の階からも水をかけられることもあるので要注意。地元のタイ人が多く参加しているため、ローカルな雰囲気を味わいたい人におすすめです。
所在地 Si Lom Rd Bang Rak, バンコク 10500 タイ
セントラルワールド前広場(ファミリー向け)
家族連れや子どもたちが安心して楽しめるのが、セントラルワールド前の特設会場。ショッピングモールが近く、食事や休憩もしやすいのがポイントです。水かけだけでなく、伝統的なソンクラーンの儀式やパフォーマンスも見られるので、落ち着いてお祭りを満喫したい人にもピッタリです。
所在地 999/9 Rama I Rd, Pathum Wan, Bangkok 10330 タイ
水かけ祭り会場で気をつけること(防犯対策)
2024年に筆者が実際に参加して、女性だけで水かけ祭りに参加する際気を付けたいこと、そして初めての人も必見の対策方法です。
貴重品は最小限に
水かけ祭りでは、スリや盗難が発生することもあるため、貴重品はホテルのセーフティボックスに預けておきましょう。持ち歩くのは少額のお金・スマホ(防水ケース入り)・ホテルのカードキー程度にとどめるのがベストです。
痴漢に注意。過度な露出は控えること
女性にとって怖いのが痴漢。混雑していて満員電車並みに密着してしまうシーンも時にはありますが、過度な露出をしすぎないことも重要です。筆者はこのスタイルで問題ありませんでした。また、カオサン通りではアルコールなどで気分がハイになっている旅行客も多いので、明るい時間帯に行くようにするのもポイントです。
防水対策は完璧に
スマホやカメラが水没すると修理費が高額になる可能性があります。防水ケースに入れるだけでなく、密封されているか事前にチェックしておきましょう。ちなみに筆者は防水カメラを利用していましたが、ソンクラーンのすさまじい量の水で防水カメラすらも破損しました。可能ならハウジングをすると安心かもしれません。
びしょ濡れすぎるとタクシーには乗れない
ソンクラーン期間中はタクシーやGrab(配車アプリ)が混雑しがち。BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)を活用するのがスムーズです。また、問答無用で水をかけまくるお祭りですが、鉄道では行わないのがマナー。筆者にとっては、一時のオアシスでした。また濡れているとタクシーは乗車拒否されることも多いので、費用は高くなりますがトゥクトゥクなどの利用がおすすめです。
水は飲み物を買えばタンクで補充してくれる
荷物は最低限に……と心得ているつもりでも、「水鉄砲の水はどうやって補給すればいいの?」と思った筆者です。参加して知ったのは、露店で飲み物を購入すると無料で水を補充してくれるのです。そのためこまめな水分補給をしながら、水鉄砲に水を補給すれば、不要な液体を持ち歩く必要もなく、また熱中症対策で飲み物を飲むタイミングとしても露店を使っていました!
水かけ祭り期間は常に濡れると覚悟せよ
水かけ祭りの最中、「自分が水かけモード」ではない時も濡れることを覚悟して過ごしましょう。筆者の場合だと、ホテルを出て5秒後には水をかけられ、バス停でバスを待っているだけで走る車から水をかけられ、トゥクトゥクに乗っているのに、対向車線から水をかけられ、挙げ句の果てには放水車に水をかけられ。こちらが水かけするぞ! という気分でない時にも水をかけられました。
さらに筆者は帰国する夕方に高級スパに行き、きれいになって帰国……と思ったら帰りの道で放水車に水をかけられ、下着までずぶ濡れ……。空港に着くまでに予備の服を持っていることがいいぐらいです。気を抜かずに過ごしましょう。
バンコクの水かけ祭り(ソンクラーン)は、タイの旧正月を祝う特別なイベントであり、地元の人々や観光客が一緒になって楽しめる最高のお祭りです。
「水をかけられたら、笑顔でかえす!」 これがソンクラーンの基本ルール。びしょ濡れになってもOKな服装と防水対策をしっかり準備して、思い切り楽しみましょう!