農と食、自然の循環を体験できる複合施設「KURKKU FIELDS」
千葉県木更津市にある東京ドーム約6個分の広さを誇る広大な敷地で、「農」「食」そして「自然」の循環を体験することができる複合施設「KURKKU FIELDS (クルックフィールズ)」。
農業の生産・加工・消費といった第一次産業のプロセスを実際に体験することができます。さらに、農業や自然だけでなく、アート体験も楽しめるのが特徴。そんなKURKKU FIELDSの敷地内に「地中図書館」があります。
地中図書館とは?
農夫の書庫をイメージした図書館
地中図書館はKURKKU FIELDSの“農や食、自然の循環を体験できる場所”というコンセプトに合わせ「農夫の書庫」をイメージして作られたそうです。そのため、自然や食に関する本が多く置かれています。
とはいえ、農家の方が常に専門的な本からインスピレーションを受けているわけではないので、音楽やアートの本など、農業とは直接関係のないジャンルの本も充実しています。

絵本も用意されているため、子ども連れの家族でも楽しむことができます!
秘密基地のような個室やみんなで本を読める空間も
図書館内には椅子も用意されていて、気になる本を手に取って、ゆっくり読むことができます。まるで秘密基地のような個室スペースもあり、自分だけの特別な空間を堪能できます。静かに本と向き合いたい人には、この個室がおすすめ。
みんなで本を楽しめるソファ席もあり、友人や家族と一緒に楽しむこともできます!
個室以外の席は正面が大きなガラス張りになっていて、目の前には緑の風景が広がっています。
地中図書館に込められたこだわりの数々
洞窟のようになっている理由
地中図書館は、まるで洞窟のような不思議な図書館ですよね。この独特なデザインには、もともとの地形を活かすという発想と、建築家・中村拓志さんの思いが込められています。
図書館が建てられた場所は、もともと谷底へ向かう斜面だった土地で、一度は建設のために埋め立てられていました。そこにもう一度緑をよみがえらせ、その中に図書館をつくっています。
中村さんは、「いかにも建物という感じではなく、自然の中に溶け込むような場所にしたい」と考えていたそう。その想いが、まるで地面と一体化したような地中図書館のデザインにつながっています。
圧倒的な景色!
地中図書館の奥には、大広間の「読み聞かせホール」があります。ドーム型の壁一面には様々な本が並べられていて圧巻です。
天井には外の光が差し込む設計が施されており、館内にいながらも外の世界を感じられるような空間になっています。
特徴的なのが、本棚の柱がそのまま頭上へと伸びて梁になっている構造です。天井はドーム状になっていて、その梁の部分をよく見ると、28本の梁がそれぞれ斜めに傾きながら、お互いに支え合うように組まれています。この構造には、「人は支え合って生きている」というメッセージが込められているそうです。
館内には遊び心が!
地中図書館には、ちょっとした遊び心があちこちに隠れています。たとえば、本棚のあいだには、なんと万華鏡が挟まれている場所も。のぞいてみると、思わず見とれてしまうほど綺麗です。
さらに、壁にも万華鏡が…? どこにあるのか、ぜひ探してみてください。ヒントは、「不思議の国のアリス」をモチーフにしてつくられているということです!
他にも館内には遊び心が隠れています。訪れた際は、隅々まで館内を見てみてください。
本との出会いを大切にする場所に
地中図書館は「本との出会い」を大切にしています。一般的な市の図書館では、本棚にジャンルやカテゴリーが明確に表示されていますが、地中図書館にはそのような表示が一切ありません。
本は、1つの仕切りごとに緩やかにジャンルごとにまとめられてはいるものの、そこには少しだけ雰囲気の異なる本も意図的に混ぜられています。
たとえば、昆虫に関する本が集められた棚を見てみると、専門書だけでなく、昆虫をテーマにした絵本やアート関連の本なども並んでいます。
普通の図書館ではなかなか見られない並びですが、それこそが地中図書館の魅力。思いがけず、普段手に取らないジャンルの本との出会いがあるかもしれません。
地中図書館は予約必須
地中図書館を利用するには、KURKKU FIELDS MEMBER SHIPへの登録と事前予約が必要です。特に連休は予約が埋まりやすいため、早めの予約がおすすめ。
予約は、KURKKU FIELDS公式サイト内の「地中図書館」のページから行うことができます。
のんびり過ごしたい方は宿泊も

TINY HOUSE VILLAGE ⒸKURKKU FIELDS
KURKKU FIELDSは宿泊も可能。「cocoon(コクーン)」と「TINY HOUSE VILLAGE(タイニーハウスビレッジ)」という2つの宿泊施設があります。
cocoon

ⒸKURKKU FIELDS
KURKKU FIELDS の敷地の高台に位置する「cocoon」。まゆのような形をした6棟の小さい客室と1棟の少し大きい客室、さらには、キッチンラウンジやレストラン、フィンランド式サウナの小屋などもあります。

ツインルーム ⒸKURKKU FIELDS

ワイドルーム ⒸKURKKU FIELDS
客室は「ツインルーム」と「ワイドルーム」の2タイプが用意されており、宿泊プランも2種類から選択可能。滞在スタイルや好みに応じて、選んでみてください。
- 宿泊プラン
- takka(タッカ)プラン:自分たちで調理し、食事を楽しむプラン。内容によっては、自ら収穫した野菜や食材を調理することも可能です。
- perus(ペルース)プラン:カウンターにて、シェフがご用意する旬のコース料理をゆったりと楽しむことができます。
さらに、宿泊者は予約なしで「地中図書館」を利用可能。利用時間は17:00から翌11:00までとなっています。
客室 ツインルーム 定員2名 6室 / ワイドルーム 定員4〜5名 1室
チェックイン 14:00〜 / チェックアウト 10:00
予約:利用月の3ヶ月前から予約開始
詳細:https://kurkkufields.jp/stay/cocoon/
TINY HOUSE VILLAGE

ⒸKURKKU FIELDS
小さな窓が天井や壁にたくさん付いた、まるで車のような見た目の「TINY HOUSE VILLAGE」。併設された「CENTER HOUSE(センターハウス)」には、アナログオーディオやBARカウンターが設けられたリビングスペースもあります。
BBQや焚き火、星空観察など、一晩かけて楽しめる魅力が盛りだくさん! ただ泊まるだけでなく、夜まで楽しめるのが嬉しいですね。cocoon同様、宿泊者は「地中図書館」を予約なしで、17:00から翌11:00まで利用することができます。
チェックイン 15:00~18:00 / チェックアウト 10:00
予約:利用月の3ヶ月前から開始
詳細:https://kurkkufields.jp/stay/tinyhousevillage/:
アクセス・料金は?お出かけ前にチェック
KURKKU FIELDSへ行くなら、車でのアクセスが一番おすすめです。ですが、車を使えない方もいると思うので、今回は都内から公共交通機関を使った行き方をご紹介します。
筆者は今回、東京駅八重洲口から出ている高速バス「アクシー号(東京〜鴨川線)」を利用しました。
降車するバス停は「クルックフィールズ入口」。料金は、1800円でした。「クルックフィールズ入口」のバス停からKURKKU FIELDSまでは徒歩約10分ほどで到着。道中は少し坂道になっています。
また、「クルックフィールズ入口」に停まるバスは1日に3本しかないため、事前の時刻チェックは必須です。ちなみに、木更津駅からもバスでアクセス可能なので、自分に合ったルートを検討してみてくださいね。
KURKKU FIELDSの入場料は下記のようになっています。
- >KURKKU FIELDS MEMBERSHIPへご登録の場合:
- 千葉県民 800円(小学生400円)
- 千葉県民以外 1300円(小学生600円)
※次回以降のご入場から保全料300円(小学生100円)でのご入場が可能
※未就学児は無料
なお、地中図書館の利用には、KURKKU FIELDS MEMBERSHIPへ登録とご予約が必要です。こだわりの詰まった「地中図書館」。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
住所:千葉県木更津市矢那2503
アクセス:
【車】館山自動車道木更津北インター下車、自動車で約15分
【アクシー号】「かずさアーク」で降車した場合、徒歩約30分、タクシー約5分
「クルックフィールズ入口」で降車した場合、すぐ
【電車とバス】JR久留里線・JR内房線「木更津駅」から路線バス「木更津鴨川線」または、路線バス「かずさアカデミーパーク線」(平日のみ)30分「クルックフィールズ入口」で降車 徒歩で約10分
【電車とタクシー】JR久留里線・JR内房線「木更津駅」からタクシーで約20分
営業時間:10:00-17:00 定休日:火・水曜 (祝日は営業日となり、振替休日を設けます)
電話番号:0438-53-8776
公式サイト:https://kurkkufields.jp/
[All Photos by patora]