”世界最恐”から安全に変わった理由
2015年、エルサルバドルの殺人率は世界ワースト1位でした。(※国連調査によると、2015年時点で10万人あたり103人)。その原因は、ギャング。彼らは1990年代から勢力を拡大し、国内の殺人事件の大半がギャングによるものとされてきました。ギャングたちは麻薬取引、恐喝、殺人などを繰り返し、学校や病院にまで影響力を及ぼし、市民生活を恐怖に陥れ、地元住民は「ギャングの許可なしでは引っ越しすらできない」と語るほどの状況でした。
しかし、2019年にナジブ・ブケレ大統領が就任し、状況は一変。ブケレ大統領による徹底した治安対策、「ギャング対策(プラン・コントロール・テリトリアル)」によって、同国は犯罪発生率が激減。2023年の殺人率は10万人あたり2人以下にまで激減し、中南米で最も低い水準になり、今では「中米で最も安全な国」とも称されるようになっているほどです。
長年の恐怖から解放された地元の人々は今や、のびのびと暮らしています。その中心が、首都・サンサルバドル。標高約600mの高地に位置するこの都市は、年間を通じて温暖で湿度も低く、非常に過ごしやすい気候です。観光は、活火山イロパンゴ湖や、歴史あるカテドラル・メトロポリターナ(サンサルバドル大聖堂)など自然から文化まで見どころも豊富!
特に大聖堂がある中心地は、ヨーロッパにいるような気がするほどクラシックな街並みが美しいのです。その中にあるスターバックスコーヒーも、街歩きでは必ず寄りたいお店の1つ。実はここ、かつての劇場を改装して作られた空間なのです。
劇場の記憶が息づくカフェ——劇場内のスターバックス
サンサルバドルの中心に位置する国立劇場は、歴史ある文化施設。エルサルバドルを代表する舞台芸術の拠点として知られ、クラシック音楽や演劇、ダンス公演の場として長年親しまれてきました。治安改善と共に、この劇場の一部が改修され、現代的な要素を取り入れた新たな文化発信地として再生。2022年11月26日、劇場内にスターバックスがオープンしました。
所在地 Calle Delgado &, 2a Avenida Sur, San Salvador, エルサルバドル
中に入ると、大理石の階段やアーチ型の窓など劇場の趣が漂います。注目すべきは、天井の繊細な装飾。見上げるだけでうっとりしてしまい、「ここはかつて“世界最恐”と言われた国のスターバックス?」と一瞬、悩んでしまうほど。
エルサルバドルの限定グッズは??
実は、コーヒーの名産地としても知られるエルサルバドル。火山性の土壌と高地特有の気候に恵まれ、スペシャルティコーヒーの生産地として世界中のバリスタから注目されています。そんな背景があるエルサルバドルのスタバにも限定グッズはもちろんあります。
まずはご当地マグカップ。青ベースで可愛い! 自然と文化が融合する場所だからこそ、両方のイラストがプリントされています。
他にもカラフルなタンブラーがたくさん!!! 筆者が訪れたのはすでに暑い5月。夏に向けて元気なビタミンカラーのタンブラーが人気でした。
エルサルバドルで飲みたいドリンク
コーヒーの名産地・エルサルバドルだからこそ、地元産のコーヒーのコールドブリューも楽しみたいところですが、地元の人たちは甘いドリンクが大好き! みなさん、甘いフラペチーノなどをオーダーしていました。その中で、私が気になったのが青いドリンクにピンクの謎ドリンク!?

Berry Pearls Lemonade Refresher 5.35米ドル
実は、レモネードで、ピンクの粒粒はベリーのカプセル(タピオカに似ていてタピオカではない)。暑いサンサルバドルの休憩にぴったりです! メニューは青いドリンクですが、なぜか「青くして」と言わないと青くしてくれない可能性があるので、もしオーダーしたい際はお願いしてみましょう(このドリンクは中米全体でも提供されていましたので、ぜひエルサルバドルだけでなくお試しください)。

2025年5月訪問 ©️Keiko Morota
サンサルバドルの街の中心に位置し、おしゃれな劇場の中でほっと一息つくことのできるスターバックス。ぜひ、“世界最恐”から生まれ変わった奇跡の街での観光スポットの1つとして訪れてみては!?
所在地 Calle Delgado y, Calle Delgado, San Salvador, エルサルバドル
営業時間
月~木曜日 8:00-22:00
金~日曜日 8:00-23:00