【世界にひとつだけのスターバックス農園！現地ルポ】コスタリカ「ハシエンダ・アルサシア」で味わうコーヒーの原点

ハシエンダ・アルサシアとは？

スターバックスが、世界で唯一の直営コーヒー農園を開いた場所。それがコスタリカのハシエンダ・アルサシアです。この地を選んだ理由は、コーヒー栽培に理想的な環境条件がそろっているから。

コスタリカは火山性の豊かな土壌、標高約1,400mの高地であり、昼夜の寒暖差、そして適度な降雨量といった、アラビカ種にとって最適な気候を誇ります。特にポアス火山の麓にあるアルサシア農園は、風味豊かで高品質なコーヒー豆を育てるのに適した土地です。

しかし、スターバックスの意図は単なる「良い豆を育てること」だけではありませんでした。2013年の買収以降、この農園は同社の“サステナブルコーヒー”戦略の中核的存在となっています。

ここでは、気候変動や病害虫への耐性を持つ新しい品種の研究や、化学肥料に頼らない農法の実証、さらには世界中の小規模農家への技術共有も行われています。また、ハシエンダ・アルサシアは、世界中のコーヒー生産者が参加できる無料の研修プログラムも提供。コーヒーの未来を守るため、スターバックスはここを通じて持続可能な農業の知見を広めています。

こうした活動の背景には、スターバックスの企業理念である「人と地球にポジティブな影響を」という強い思いがあります。単にコーヒーを売るだけでなく、その原点である“農業”のあり方にも責任を持ちたい。

そんな姿勢が、この農園には濃く刻まれています。それでいて、ここはただの研究農場ではありません。スターバックスのビジター向け施設としては世界で唯一、一般にも公開されている場所なのです。

カフェやツアーを通して、訪れる人々がコーヒーの背景にある物語に触れ、学び、味わい、そして次の一杯を大切に思うようになる。「開かれたコーヒー体験」ができるように農園は設計されているのが特徴です。

農場カフェの魅力〜コーヒー好きの聖地へようこそ

農園を訪れてまず驚かされるのが、広がる緑の谷を見渡せる絶景カフェ。店内からは、風にそよぐコーヒーの木々がどこまでも続き、自然と深呼吸したくなるような開放感に包まれます。

ここでは、現地で作られたアルサシア農園産の豆を使ったスペシャリティコーヒーが味わえます。ドリップで丁寧に淹れられた1杯は、特別。3種類のコーヒーの飲み比べセットが人気だそうです。

さらに1杯からでも注文できるのですがコーヒーの淹れ方で味が変わるそうで、好きな淹れ方を指定したり、アルコール入りのカクテルコーヒーも！

メニューが豊富な上に、大きく開かれたカフェはまさに特別な空間。滝を眺めたり、コーヒー農園をパノラマのように見下ろすことができるので、時の流れを忘れるほどです。人気なのはロッキングチェアの席。朝早めに来ると空いているのでおすすめ。

農園ガイドツアーも開催中

筆者の訪問時には時間の都合で参加できなかったのですが、ハシエンダ・アルサシアでは、本格的な農園ガイドツアーも行われています。コーヒーの苗木がどう育ち、収穫され、精製されていくのかを実際の農園で学べる貴重な内容です。

焙煎施設や精製所も間近で見学でき、コーヒーが私たちのカップに届くまでの旅路を追体験できると評判です。ツアーに参加できなくても安心してください。店内には焙煎機が設置されており、運がよければ焙煎のライブ作業も見学できるのが嬉しいポイント。

またタイミングによっては、コーヒーの違いを学ぶクラスも開催され、農園を眺めながら専門のスタッフから、普段飲んでいるスターバックスのコーヒーの世界の奥深さを学べるのは唯一無二の経験！ 時間に余裕があったらぜひ参加したいツアーです。予約はオンラインからのみ受け付けているとのこと。（直前の場合は空きがあれば、デスクで受け付けてくれるそうです）

おみやげ＆フォトスポットも見逃せない！

旅の思い出にはやっぱりここだけの限定グッズを探したいですよね。ショップにはハシエンダ・アルサシア限定のマグカップ、豆、Tシャツやトートバッグなど、ここでしか買えないアイテムがずらりと並びます。

筆者のお気に入りは、農園のロゴが入ったシンプルなマグカップと、3種の飲み比べで飲んだ中でお気に入りのコーヒー豆。コーヒー豆を挽く道具は持っていませんが、スタバの豆ならどの店舗でも豆を挽いてくれるそうで、日本で挽けばOK！ その情報を共に伝えれば、お土産にも大活躍です。

15,000コスタリカコロン

32,000コスタリカコロン

ここで学べること〜サステナビリティの最前線

9,900コスタリカコロン

ハシエンダ・アルサシアの真価は、観光農園の枠を超えて、「サステナブルなコーヒー生産の未来」を実践している場所であることにあります。

地元の小規模農家を対象にした研修や、気候変動に強いコーヒー品種の研究、農薬削減への取り組みなど、この場所では日々、未来のための試みが行われています。

観光客として訪れるだけでも、その空気に触れ、何かを考えさせられる体験になるはず。「コーヒーは、どこから来て、どう作られているのか？」—そんな問いの答えが、この農園にはあります。

PROFILE

もろたけいこ

Keiko Morota ライター／テレビプロデューサー

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。