【ほぼ無料】香港アート旅!話題のストリートアート&美術館を巡るモデルコース|保存版

Posted by: もろたけいこ

掲載日: Jul 7th, 2025

ビルの隙間に突如現れるカラフルな壁画、昔ながらの街並みに溶け込む現代アート。いま、香港が“アートの街”として静かに、そして力強く進化を遂げています。注目は、再開発エリアの壁をキャンバスに若手アーティストの作品が並ぶ「芸里坊(Artlane)」と、かねてからアートスポットとして人気の「オールドタウン・セントラル」。この対照的な 2つのエリアを歩けば、アートと街の共鳴を体感できるはずです。さらにストリートアートだけでなく、話題のアートタウンにも注目。今回は“ほぼ無料で楽しめる香港アート旅”をご紹介します。

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若手アーティストの息吹が溢れる、芸里坊(Artlane)

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MTR港島線の西營盤(Sai Ying Pun)駅から地上に出ると、静かな住宅街の一角に、突然ポップでカラフルな空間が現れます。ここが注目を集めるニューアートエリア「芸里坊(Artlane)」。再開発により生まれ変わったこの一帯は、建物の外壁や階段、路地の壁面がすべて“アートギャラリー”となり、訪れる人を驚かせます。

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「芸術は日常にあるもの」。そんなメッセージを感じさせるこのエリアは、香港の若手アーティストによる作品が中心です。特に芸里坊の象徴とも言える、壁画が施された階段は必見。

鮮やかな緑色とピンク色の壁に挟まれた階段には、青い背景に赤い金魚が泳ぐ様子が描かれており、ここに立つだけで、まるで水の中を歩いているかのような感覚になるだけでなく、自らもアートの一部になったような気分に。この階段は、多くの人が写真を撮る人気スポットなので訪れた際にはぜひ立ち寄りたい場所の一つです。

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階段を上っていくと、さらに奥にもアートが続いています! そこには、まるで絵本から飛び出してきたかのような、だまし絵のような壁画が! 左側の青緑色の壁にはパン屋さん、右側の黄色の壁にはブティックが描かれており、一瞬、実際にそこに店舗があるかのように見えます。

特にパン屋さんのショーケースに並んだパンやカップケーキは、今にも香りが漂ってきそうなほどリアルに描かれています。また右下の青い看板には「藝里坊 1號 One-ArtLane」とあり、芸里坊で撮影した記念にもなります。

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このアート街が魅力的なのは、単に美術的価値があるからではなく、“このエリア全体がキャンバス”という体験型の空間だから。カフェやギャラリーも点在しており、散策しながら、気になる作品の前で立ち止まり、コーヒー片手にアートと向き合う贅沢な時間がここには流れています。

芸里坊
所在地:香港 Sai Ying Pun, Chung Ching St, 8號奇靈里石棧里 ONE ARTLANE, SHOP NO.2 & 2A

伝統とモダンが交錯する、オールドタウン・セントラル

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一方、MTR中環(Central)駅から上環にかけて広がる「オールドタウン・セントラル(Old Town Central)」エリアは、香港の歴史とカルチャーが色濃く残る街並みと、ストリートアートが自然に共存するエリアです。

このエリアはガイドブックにも掲載されており、ご存じの方も多いのではないでしょうか? 筆者が歩いて感じたおすすめの壁画スポットをご紹介します。

香取慎吾さんが手掛けた壁画

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俳優・アーティストの香取慎吾さんが2018年に手がけた壁画「大きなお口の龍の子(大口龍仔)」です。場所は、中環(セントラル)の名物「ミッドレベル・エスカレーター」の脇、Shelley StreetとHollywood Roadの交差点付近。周囲のストリートアートと見事に調和しながら、ひときわ存在感を放っています。

この作品は、香港政府観光局の依頼によって実現した、香取さんにとって初の海外でのストリートアート作品です。香取さんは以前、映画の撮影でこの地を訪れ、「大口仔(おおぐちの男の子)」というニックネームで親しまれていました。その“再来”として描かれたのがこの龍の子なのだそうです。

中心に描かれているのは、大きく口を開けた迫力ある龍のキャラクターが、かつてのあだ名「大口仔」と、香港の象徴でもある“龍”を掛け合わせたデザインです。背景には、香港島のビル群やヴィクトリア・ハーバーの夜景、伝統的な帆船(ジャンク)や市花であるボウヒニア(洋紫荊)など、香港のカルチャーが詰め込まれています。

そしてよく見ると、東京タワーを思わせる塔や日本の国番号「+81」と香港の「+852」など、日本とのつながりを暗示する細部が潜んでいるのがポイントなんだそう。2018年に完成しましたが、現在も、香港内外から多くの観光客が訪れる人気のフォトスポットになっています。

大口龍仔
所在地 40號 Hollywood Rd, Central, 香港

オールドタウン・セントラルで一番有名な壁画

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この壁画は、このエリアで一番有名な壁画です。香港の古い集合住宅をカラフルなモチーフにしたこの作品は、Instagramで話題を呼び、今では“香港を象徴する壁画”ともいえる存在に。石畳の坂道、古びた洋館の壁面、そして昔ながらの漢字看板が残る街並みに、現代的なアートが違和感なく溶け込んでいる様子は、まさに“新旧の融合”を感じられます。

Omni Art Wall
所在池 46 Graham St, Central, 香港

可愛いお店の壁画も注目

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香港のソーホー地区、スタントン・ストリート10-12番地にある「Staunton’s Bar & Kitchen」というガストロパブ。この壁画がまるでイギリスに訪れたかのような錯覚をするほど。香港はかつてイギリス領だったこともあり、イギリスの衛兵の姿が自然となじみます。階段になっているので衛兵の1人になったような撮影をすると可愛くまとまります。

Staunton’s Bar & Kitchen
所在地 10-12 Staunton St, Central, 香港

アジア初のグローバル現代美術館、M+

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ストリートアートを楽しんだら、室内でじっくりとアートに向き合えるスポットもぜひ訪れたいところ。なかでも注目なのが、「M+(エムプラス)」と「西九文化区(West Kowloon Cultural District)」です。

2021年にオープンした「M+」は、アジアで初めての“視覚文化”に特化した大規模な現代美術館。建築・デザイン・映像・インスタレーション・写真・グラフィックアートなど、ジャンル横断的に展示が構成されており、単なる「絵を見る美術館」ではなく、“体験するアート空間”として国内外の評価を集めています。

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コレクションには中国や香港の現代アートだけでなく、日本や韓国、東南アジアの作家たちの作品も多く含まれ、まさに「アジアの今」を知るにはうってつけの場所。特に巨大なLEDスクリーンがビルの外壁に映し出すアート映像は、夜景スポットとしても人気です。

そして、M+が位置する「西九文化区(West Kowloon Cultural District)」は、香港政府が文化振興と国際芸術都市化を目指して開発を進めている一大プロジェクトエリア。ヴィクトリア・ハーバー沿いに広がる広大な敷地には、M+のほかにも中国歴代王朝の美術工芸を扱う「香港故宮文化博物館」や、自由にくつろげる緑豊かな公園、ライブパフォーマンスが楽しめる劇場施設などが集まっています。

このエリアの開発には国際的な建築家やキュレーターが多数関わっており、アートと都市デザインの先進的な融合地として注目の的。単に美術を“鑑賞する”のではなく、自然や食、音楽、建築、すべてが融合した“アートタウン”として、滞在そのものが文化体験になる設計がなされています。

M+(エムプラス)
38 Museum Dr, West Kowloon, 香港
営業時間 10:00~20:00
定休日 月曜日
美術館の展示を見る場合 チケット代必要(HKD 120)
https://www.mplus.org.hk/en/

観光×アートを満喫する、香港街歩きプラン

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上記のアートスポットを巡る街歩きモデルコースをご紹介します。徒歩やMTRを活用すれば、半日で主要スポットを効率よく回ることが可能です。また午前中に巡ると人通りが少ないので撮影向きでおすすめです。

  • 朝:オールドタウン・セントラル散策
  • 歴史ある街並みを背景にしたストリートアートは、撮影スポットとしても人気。

  • 西營盤(Sai Ying Pun)駅下車 → 芸里坊
  • →階段や建物に描かれたアートをのんびり鑑賞。周辺にはおしゃれなカフェやベーカリーが点在しているので、散策後は一息つくのもおすすめ。

  • 開館した時間に M+へ
  • →意外とアクセスが面倒くさいM+ですが、芸里坊近くからバスが走っているのでアクセスが便利です。M+で芸術を見るのもよし、また無料でアクセスできるM+の展望台からヴィクトリア・ハーバーの眺めが最高にきれいなので、こちらもおすすめです。

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M+からの眺め

“アートの街・香港”は今が旬

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香港はアジアを代表するアートシティのひとつと呼び名も高いですが、特別なチケットがなくても、街そのものがアートの展示空間になっていることこそ、香港ならではの魅力です。若手アーティストが未来を描き、伝統の中に現代性が息づく。それが芸里坊とオールドタウン・セントラル、そして新しい芸術の最先端・M+というエリアに象徴されています。

どこを切り取っても“絵になる”この街で、自分だけの感性と出会える時間を過ごしてみませんか?

©︎Keiko Morota

PROFILE

もろたけいこ

Keiko Morota ライター/テレビプロデューサー

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。

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