
世界一うるさいマッサージBRADBURY

BRADBURYは、その名のとおり「世界一うるさい」を特徴とするマッサージ店です。施術中はクラブ並みの大音量が鳴り止みません。
うるさいのは音だけではありません。まるで玉座のような金色基調の椅子に、余白なく描かれたアート壁面。マッサージルームを照らすLEDスクリーン。視覚的にも”うるさい演出”が施されています。

施術の終盤にはダンサーが登場します。マッサージ師と客が一緒に踊るショータイムも用意されています。
「世界一うるさいマッサージ」という呼び名は、誇張でも単なるキャッチフレーズでもありません。では、施術はどのように進むのか。この店では、何が行われているのでしょうか。
マッサージが非日常体験に変わる瞬間

まず入店して圧倒されるのは、スタッフの元気のよさです。
アロハシャツ姿のスタッフが並び、日本の居酒屋のような声で「サワーディーカップ」と声をそろえます。
この時点で、多くの日本人は少し面食らうはずです。歓迎されているのに、なぜか圧がある。それでも全員が笑顔で、気づけばこちらも少し気持ちが軽くなる。店に入った瞬間の第一印象は、そんな不思議な空気でした。

続いて目に入るのが、金色のトゥクトゥクに置かれた足洗い用の椅子。その周囲には南国風の植物が並び、ここがただのマッサージ店ではないことを印象づけます。
統一された世界観というより、楽しさを詰め込んだ空間です。ここで気分がさらに一段上がります。
クラブのような空間で始まる施術

マッサージルームに入ると、空気が一変します。LEDスクリーンと照明に囲まれた空間は、まるでクラブのフロアのようです。流れる音楽もクラブ並みの音量です。ただし、ただうるさいだけでは終わりません。
驚いたのは、施術そのものがきちんとしていることでした。ちゃんと気持ちいい。見かけだけのパフォーマンスではなく、マッサージとしても成立しています。
大音量のEDMが流れる中で受ける本格マッサージ。本来なら相容れないはずの二つが同時に重なることで、頭は覚醒し、体はゆるむ。このちぐはぐな感覚が、不思議な中毒性を生み出します。
シラフでもこれだけ楽しく気持ちいいのですから、お酒が入った状態で訪れれば、さらに印象は変わるはずです。
そして施術の中盤。およそ20分を過ぎたあたりで、店内の演出が切り替わります。
うるさいのに眠くなる?!

壁一面のLEDスクリーンには南国のビーチが映し出されます。音楽はフェードアウトし、代わりに波の音が流れます。
「そろそろ気持ちよくなってきた」そのタイミングでの切り替えです。流れ出したのは、波の音。明らかに演出だと分かっているのに、不思議と気持ちは落ち着き、気づけばうとうとしていました。
「世界一うるさい」を謳うマッサージ店で、まさか眠気に誘われるとは思いもしません。BRADBURYの核心は、このギャップにもあります。
施術後に待つショータイム

施術が終わると、ダンサーとDJ、スタッフが登場します。空間はマッサージからディスコへと切り替わります。
マッサージをしてくれた施術師と、同じフロアで一緒に踊る。この距離感がハイライトです。最終的には、「マッサージを受けた」というよりも、「ひとつのエンターテインメントを味わった」そんな気分になりました。
なぜこの体験が成立するのか
BRADBURYは、施術、音楽、空間を別々の要素として扱っていません。施術の段階と体の状態に合わせて音や光が変化するため、刺激が邪魔にならないよう設計されています。
その結果、音量は大きいのに、感覚は落ち着く。
「うるさいのに気持ちいい」という一見矛盾としか思えない体験が成立します。
タイという土壌が支える理由

BRADBURYのような「エンタメ×マッサージ」が成立する背景には、タイという国の文化が大きく関係しています。
タイでは、マッサージは特別な行為ではありません。観光客も地元の人も、日常の延長として頻繁に店を利用します。まず、この前提が日本とは大きく異なります。そしてもう一つ大きいのが、人の気質です。タイ人の施術師は明るく、ノリがいい。
オーナーはこう話します。
「施術者に負担があるのでは、とよく聞かれますが、逆です。静かに黙って施術するほうが、実はしんどい。BRADBURYでは、働く側も楽しんでいます。その空気が、そのまま店の雰囲気になるんです」
さらに、「実は日本を含め、ほかの場所での出店の話はいただいていますが、現時点では考えていません。“世界一うるさいマッサージ”をコンセプトに掲げる、ここだけの体験として、一生の思い出になるような時間を楽しんでほしいと思っています」
マッサージは静かであるべき——その前提が、必ずしも正解とは限りません。BRADBURYは、そう気づかせてくれる体験を提示しています。日本では、仕事中に施術師が踊る光景は成立しにくいでしょう。人件費や労働観の違いもあり、同じ形を再現するのは簡単ではありません。
世界一うるさいマッサージは、場所も含めて完成する体験なのです。
営業時間:12:00〜0:00
公式WEBサイト:http://brad-bury.com
Instagram:https://www.instagram.com/bradburymassageand?igsh=YmZibXY1dnFzN2Fj
施術料金:フット&ショルダー(30分1,000バーツから)
[photo Itoryoji]


