【世界一うるさいマッサージ?!】バンコクで話題の異色店「BRADBURY」を体験してきた

Posted by: 伊藤良二

掲載日: Jan 26th, 2026

タイの首都バンコク中心部に、「世界一うるさい」を掲げる異色のマッサージ店「BRADBURY」があります。クラブのような店内にはDJブースが置かれ、大音量の音楽に合わせて踊りながらマッサージの施術が行われます。静けさと癒やしが定番のマッサージとは正反対ともいえる異様さから、現地では賛否の声が広がっています。なぜ、こんな店が成り立つのか。なぜ、バンコクで支持されているのか。その疑問を確かめるため、筆者自身が世界一うるさいマッサージBRADBURYで施術を受け、オーナーにも直接話を聞きました。

BRADBURY アイキャッチ

世界一うるさいマッサージBRADBURY

BRADBURY 外観
BRADBURYは、その名のとおり「世界一うるさい」を特徴とするマッサージ店です。施術中はクラブ並みの大音量が鳴り止みません。

うるさいのは音だけではありません。まるで玉座のような金色基調の椅子に、余白なく描かれたアート壁面。マッサージルームを照らすLEDスクリーン。視覚的にも”うるさい演出”が施されています。

BRADBURY 椅子
施術の終盤にはダンサーが登場します。マッサージ師と客が一緒に踊るショータイムも用意されています。

「世界一うるさいマッサージ」という呼び名は、誇張でも単なるキャッチフレーズでもありません。では、施術はどのように進むのか。この店では、何が行われているのでしょうか。

マッサージが非日常体験に変わる瞬間

BRADBURY お出迎え
まず入店して圧倒されるのは、スタッフの元気のよさです。
アロハシャツ姿のスタッフが並び、日本の居酒屋のような声で「サワーディーカップ」と声をそろえます。

この時点で、多くの日本人は少し面食らうはずです。歓迎されているのに、なぜか圧がある。それでも全員が笑顔で、気づけばこちらも少し気持ちが軽くなる。店に入った瞬間の第一印象は、そんな不思議な空気でした。

BRADBURY トゥクトゥク
続いて目に入るのが、金色のトゥクトゥクに置かれた足洗い用の椅子。その周囲には南国風の植物が並び、ここがただのマッサージ店ではないことを印象づけます。

統一された世界観というより、楽しさを詰め込んだ空間です。ここで気分がさらに一段上がります。

クラブのような空間で始まる施術

BRADBURY 施術
マッサージルームに入ると、空気が一変します。LEDスクリーンと照明に囲まれた空間は、まるでクラブのフロアのようです。流れる音楽もクラブ並みの音量です。ただし、ただうるさいだけでは終わりません。

驚いたのは、施術そのものがきちんとしていることでした。ちゃんと気持ちいい。見かけだけのパフォーマンスではなく、マッサージとしても成立しています。

大音量のEDMが流れる中で受ける本格マッサージ。本来なら相容れないはずの二つが同時に重なることで、頭は覚醒し、体はゆるむ。このちぐはぐな感覚が、不思議な中毒性を生み出します。

シラフでもこれだけ楽しく気持ちいいのですから、お酒が入った状態で訪れれば、さらに印象は変わるはずです。

そして施術の中盤。およそ20分を過ぎたあたりで、店内の演出が切り替わります。

うるさいのに眠くなる?!

BRADBURY 内装
壁一面のLEDスクリーンには南国のビーチが映し出されます。音楽はフェードアウトし、代わりに波の音が流れます。

「そろそろ気持ちよくなってきた」そのタイミングでの切り替えです。流れ出したのは、波の音。明らかに演出だと分かっているのに、不思議と気持ちは落ち着き、気づけばうとうとしていました。

「世界一うるさい」を謳うマッサージ店で、まさか眠気に誘われるとは思いもしません。BRADBURYの核心は、このギャップにもあります。

施術後に待つショータイム

BRADBURY DJ
施術が終わると、ダンサーとDJ、スタッフが登場します。空間はマッサージからディスコへと切り替わります。

マッサージをしてくれた施術師と、同じフロアで一緒に踊る。この距離感がハイライトです。最終的には、「マッサージを受けた」というよりも、「ひとつのエンターテインメントを味わった」そんな気分になりました。

なぜこの体験が成立するのか

BRADBURYは、施術、音楽、空間を別々の要素として扱っていません。施術の段階と体の状態に合わせて音や光が変化するため、刺激が邪魔にならないよう設計されています。

その結果、音量は大きいのに、感覚は落ち着く。

「うるさいのに気持ちいい」という一見矛盾としか思えない体験が成立します。

タイという土壌が支える理由

BRADBURY ダンス
BRADBURYのような「エンタメ×マッサージ」が成立する背景には、タイという国の文化が大きく関係しています。

タイでは、マッサージは特別な行為ではありません。観光客も地元の人も、日常の延長として頻繁に店を利用します。まず、この前提が日本とは大きく異なります。そしてもう一つ大きいのが、人の気質です。タイ人の施術師は明るく、ノリがいい。

オーナーはこう話します。
「施術者に負担があるのでは、とよく聞かれますが、逆です。静かに黙って施術するほうが、実はしんどい。BRADBURYでは、働く側も楽しんでいます。その空気が、そのまま店の雰囲気になるんです」

さらに、「実は日本を含め、ほかの場所での出店の話はいただいていますが、現時点では考えていません。“世界一うるさいマッサージ”をコンセプトに掲げる、ここだけの体験として、一生の思い出になるような時間を楽しんでほしいと思っています」

マッサージは静かであるべき——その前提が、必ずしも正解とは限りません。BRADBURYは、そう気づかせてくれる体験を提示しています。日本では、仕事中に施術師が踊る光景は成立しにくいでしょう。人件費や労働観の違いもあり、同じ形を再現するのは簡単ではありません。

世界一うるさいマッサージは、場所も含めて完成する体験なのです。

BRADBURY・Bradbury / World’s Noisiest Massage / Massage Shop
営業時間:12:00〜0:00
公式WEBサイト:http://brad-bury.com
Instagram:https://www.instagram.com/bradburymassageand?igsh=YmZibXY1dnFzN2Fj
施術料金:フット&ショルダー(30分1,000バーツから)

[photo Itoryoji]

travelist

PROFILE

伊藤良二

Ito Ryoji タイ在住ライター、タイ旅行ブロガー

タイ在住三年目のライターです。バンコクを拠点に現地取材と撮影を行い、ブログ「 タイ一択 」を運営しています。
集英社オンラインなど複数媒体で、タイの旅、文化、街の今を発信しています。

【キャッチフレーズ】
足で取材するバンコク在住ライター

タイ在住三年目のライターです。バンコクを拠点に現地取材と撮影を行い、ブログ「 タイ一択 」を運営しています。
集英社オンラインなど複数媒体で、タイの旅、文化、街の今を発信しています。

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足で取材するバンコク在住ライター

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