砂漠で起きたデジタルデトックス|ウズベキスタンの遊牧民テントで過ごす1日

Posted by: Mimosa

掲載日: Feb 3rd, 2026

ウズベキスタンの山と砂漠に囲まれたヌラタ地方で、遊牧民テント「ユルタ」に宿泊しました。ときどき放牧された羊やヤギに出くわす一面荒野のような砂漠地帯で過ごした1日は、強い非日常感に包まれた穏やかな時間。電気やWi-Fiは使える環境でしたが、あまりの心地よさにスマートフォンを見ることさえ忘れ、気づけば自然とデジタルデトックスをしていました。ここでは、そんなユルタでの1日と、そこで感じた快適さ、そして体に起きた小さな変化を紹介します。

シルクロードの国・ウズベキスタン│山と砂漠に囲まれたヌラタ地方

ウズベキスタンは中央アジアに位置するシルクロードの交易拠点として栄えた国です。町を歩くと、青いタイルが印象的なイスラム建築や礼拝に向かう人々の姿を目にすることもあります。


都市部を離れると景色は一変し、国土の約7割を占める砂漠や山の雄大な自然がどこまでも広がります。


今回訪れたヌラタ地方は、そんなウズベキスタンの中でも山と砂漠の境目にあたるエリアです。観光地化された都市とは異なり、今も遊牧暮らしが息づき、手つかずの自然が色濃く残っています。周囲には果てしない砂漠が広がり、都市の喧騒から離れて静かな時間を過ごすのにふさわしい場所です。

観光客でも安心して泊まれる遊牧民テント「ユルタ」


遊牧民テントと聞くと、何もない砂漠の真ん中にぽつんと建つ簡素なテントを想像するかもしれません。ですが、今回宿泊したユルタは観光客用に整備されたエリアにあります。敷地は柵で囲われ、安心して滞在できる環境でした。


ユルタの中に入ると、想像以上に居心地のいい空間です。床や天井には、遊牧民が手織りした絨毯が敷かれ、素朴ながらもおしゃれな印象です。電気も通っており、Wi-Fiも利用可能。砂漠にいながら最低限の快適さはしっかり確保されています。

トイレとシャワーは共有ですが、敷地内は清潔に整えられており、共同スペースの食堂には冷房も完備しています。日中は厳しい暑さになる砂漠地帯でも、涼しい場所で休憩ができるのは安心ポイントでした。

1つ注意したいのは、ユルタには鍵がないので貴重品の管理は自己責任になります。ただ、不思議なことに、隣のテントで宿泊していた日本人の母娘は、夜になるとドアを全開にしたまま眠っていました。それほどまでに開放感があり、警戒心が薄れてしまうほど穏やかで気持ちのいい空気が流れています。

砂漠の時間に身をゆだねる ユルタで過ごした一日

午後4時ごろ、遊牧民テント「ユルタ」に到着。まだ日差しが強い砂漠は暑く、冷房の効いた食堂でお茶を飲みながらひと休み。


夕方、暑さが和らいだ頃、ラクダに乗って砂漠をお散歩。平坦な砂漠を想像していましたが、実際はなだらかな起伏が続き、ラクダの背に揺られながら進むと視界がぐっと高くなります。歩いて見る景色とは違う目線で眺める砂漠は、新鮮に感じられました。


日が沈むころに夕食。サラダやスープ、パン、そして肉じゃがともポトフとも似たお肉と野菜の煮込み料理など、ウズベキスタン料理を堪能。夜はキャンプファイヤーを囲んでウズベキスタンの伝統音楽を聴きながら、焚き火を眺めて過ごします。決まった予定もなく、それでも不思議と退屈さはなく、時間がゆっくり流れていくのを感じました。

シャワーを終えたあとは、砂漠の夜風にあたりながら星空を眺めます。余計な明かりも音もない場所で見る満天の星空は、どんな高性能なカメラにも収めきれない美しさです。だからこそ、写真は撮らず、目に焼き付けました。一見不便に思える砂漠での滞在は、情報も刺激も少ない「何もないこと」を贅沢に感じる時間でした。

その夜はスマホの画面を見ることもなく、自然と眠気が訪れていつもより早めの就寝。翌朝、太陽が昇る前の5時ごろに自然と目が覚めました。砂漠の向こうからゆっくりと太陽が顔を出し、静かなサンライズを眺めながら迎えた朝は、いつも以上に頭も体もすっきり。たまっていた旅の疲れが取れ、体内時計が整っていくのを実感する瞬間でした。

遊牧民暮らしを体感できるユルタ宿泊を楽しみにしていたものの、実際にユルタ内で過ごした時間の大半は睡眠でした。過度な音や明かり、情報や刺激のない環境で眠るという体験は、実際の遊牧民暮らしに近いスタイルかもしれません。遊牧民たちの規則正しく整った体内時計を、眠りを通して実感したユルタでの1日でした。

ユルタ宿泊はどう行く?ツアー内容とアクセス方法

今回利用したのは、日本人女性がウズベキスタンで経営する「ウズベキスタン旅行会社 SRP TRAVEL」です。日本語で事前に相談ができるため、不安なくツアーの申し込みができました。ユルタがあるヌラタ地方へは、ウズベキスタンを代表する観光都市サマルカンド、または砂漠の古都ブハラから専用車で約4時間のアクセスです。空港、ホテル、観光地など希望の場所でピックアップしてもらえます。

料金は、2名1ユルタ利用で1人あたり185ドル。往復の送迎、ユルタでの宿泊、夕食と朝食代が含まれています。30,000スム(日本円で約390円)でラクダ乗り体験も可能です。砂漠の散歩は砂ほこりがあるため、マスクとサングラスを持参すると安心です。また、ユルタに近づくと未舗装の道になり、車が大きく揺れる区間があります。乗り物酔いしやすい方は、酔い止め薬をお忘れなく。寒さが厳しくなる11月から3月は、ユルタ宿泊が休業となります。

旅が自然にくれたデジタルデトックス


砂漠のユルタで過ごした一日は、何かを我慢したり、意識的にスマホを手放した時間ではありませんでした。ただ静かな場所で、気の向くままにぼーっと過ごしていただけです。頭の中はいつもより整理され、健康に旅ができていることや目の前に広がる景色、旅の途中で出会った親切なウズベキスタン人たちに自然と感謝の気持ちが浮かんできました。

忙しく、便利なものがあふれる今の暮らしでは、何もしない時間をつくること自体が難しくなっています。砂漠という「何もない場所」に身を置くことで、気づけば情報や便利さから少し距離が生まれ心と体が整っていく。その感覚こそが、今回の旅で一番の収穫でした。
感動や刺激の多いウズベキスタン旅行の中で体験したこのデジタルデトックスは、五感を休ませ、自分のペースを取り戻すための静かな充電時間でした。

[Photo Mimosa]

travelist

PROFILE

Mimosa

mimosa トラベルデザイナー兼 旅ライター

【キャッチフレーズ】
マイペースな旅好き

旅先で出会った忘れられない絶景や癒やし体験を、読者が「行ってみたい」と感じるきっかけになる記事として丁寧に伝えていきます。
最近は、イスラム建築やモスクの美しさに魅了され、イスラム圏の国々を訪れています。国内では幕末や戦国時代の歴史が好きで、マニアックな歴史スポットにも足を運んでいます。

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マイペースな旅好き

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