必要なものを全部車に詰め込んで、シャワーとベッド付の車で快適に暮らしつつ、気の赴くままに旅をする。誰もが憧れるこんな生活は、実は想像しているよりもずっと安く、簡単に実現できるかも知れません。今日は、そんな夢のような毎日を生きるひとりの男性を紹介します。
中古バンに託した大きな夢
マイク・ハドソンさんは、自分で改造したバンに暮らしながら、ヨーロッパ中を旅して暮らす20代のイギリス人。バンと言っても侮るなかれ! お高いキャンピングカーにも劣らない快適さなのです。
一見どこにでもある白バンですが、ここに夢を見出したのがマイクさんです。夢は、ズバリ「我が家のように心地よいバンに暮らしながら旅をすること!」。こんな想いを胸に、2013年にエンジニアの仕事を辞めることを決意。まずは、中古のバンを改造しました。
そして5か月後に完成したのがこちら。まるで、森の別荘のような雰囲気です。キッチンはもちろん、トイレもシャワーも完備!さらに、収納スペースまで設けられているのが見えますか?
旅の情報収集に欠かせないパソコンを使うスペースまで! テーブルは収納式なので、移動中の安全も確保されています。
夜寝るときは、キッチンの向いに置かれたソファベッドで。そしてお昼寝には、こんな風にハンモックをかけることだって出来てしまいます。
電力は、ルーフに搭載したソーラーパネルから。前職の経験と徹底したリサーチのおかげで、複雑な配線も様々なパーツの設置もすべてほぼ一人でこなしたそうです。ちなみに、バンに搭載した設備は、どれもホームセンターで購入できるものとのこと。
気になる費用・・・どのくらいかかるの?
中古キャンピングカーは、10年前のモデルでも100万円前後はするようです(参照:カーセンサー.Net)。では、マイクさんの場合は?
中古の白バンは、日本円にして約44万5千円(2,500ポンド)で購入。そして、すべての改造にさらに44万円ほどかかったそう。それなら中古キャンピングカーを買うのと同じ? でも、100万円で買える中古キャンピングカーに、これほど充実した設備はありません。望めるのは、ベッドに収納スペース、そしてシンクくらいなのです。
旅の資金は、約80万円(4,500ポンド)。当初は10か月程度で旅を終える予定でしたが、予想外にも節約が上手く行き、まだ旅を続ける余裕があるとか。海外の人気旅ブロガーにはスポンサーを募ったりしながら、旅をしつつ収入を得る人も多くいます。マイクさんの場合は、最近になってブログから収入が発生し始めたそう。
より小回りのきくバンだからこそ行ける場所がある。それも彼の楽しみなのでしょう。
キャンピングカーは手が届かないかも知れないけれど、バンで旅なら自分にもできるかも。そんな気分にさせてくれるマイクさんの物語。その行動力は、私たちもぜひ見習いたいものです。
[All photo by Van Dog Traveller]