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「ローマの休日」でオードリーが乗ったスクーター「Vespa」の博物館

Posted by: 藤原亮子
掲載日: Oct 24th, 2015. 更新日: Feb 13th, 2019
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名画のワンシーンを飾った名車「Vespa」の博物館

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

映画「ローマの休日」の中で、オードリー・ヘップバーン扮するアン王女が、ローマ散策のために乗っていたころんと丸い形がかわいいスクーター「Vespa」。名画のワンシーンとともに記憶に残る方も多いでしょう。このスクーターはイタリアのメーカーPIAGGIOが長らく作りつづけるヒット商品で、今も昔もイタリアで愛され続けている名車です。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

そんな名車ベスパの歴史を一同に展示した「PIAGGIO博物館」を紹介します。

愛され続ける名車「Vespa」が生まれるまで

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

ベスパを作るPIAGGIOの工場は今、トスカーナのポンテデラという町にあります。今はスクーターを中心に作るメーカーですが、前身はジェノバの造船業者でした。その後、鉄道の発展に伴い、造船の技術を活かし、電車の車体を作るようになり、また大戦が始まると、軍事用の車両やモーターの生産をするなど、激動の時代とともに大きく変遷していきました。

戦争が終わると、軍事用に開発していたモーターの技術を活かして、一般の人が足代わりに気軽に乗れる小型バイク、スクーターの開発を手がけます。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

そのバイクは、独特のエンジン音が蜂の羽音に似ていることから、イタリア語のスズメバチ「Vespa」という名前がつけられました。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

そして、スカートを履いた女性も乗れるようにと、足をそろえてのせられる車体へと改良されました。スカートを履いた女性が笑顔でベスパにまたがる広告は、人々に軽快で身近な乗り物として強くイメージづけたのです。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

その後、戦後の経済成長とともに、庶民の足として軽くて便利なベスパは爆発的な人気を誇ります。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

軍事産業の名残で、グレーやカーキーといった色であったものが、時代を反映してカラフルな色になり、ポップでカラフル、軽くて使いやすいベスパは、こうして人々の生活に受け入れられていったのです。

見た目のかわいさだけではない、ベスパの真髄は軽くて強いエンジン

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

ベスパの人気は時代のニーズにうまく答えてきたからと言えますが、ただデザインや規格が時代にあったからだけではありません。このスクーターが人々に愛された理由は、何よりもその軽くて強いエンジンです。

ベスパはそのパフォーマンスとして、耐久レースや、速度を競うレース、また小さなベスパの上で曲乗をするといったイベントを多く開催していました。

その時に使用した車体や記録もこちらに展示されています。

ベスパの夢は止まらない

様々な夢を描きつつ、人々の生活の中で愛されてきたベスパ。丸いかわいらしいフォルムもまた人々に愛される理由のひとつです。

時代の流行に応じて、そのデザインも80年代には角張ったり、2000年になってからは近未来的なフォルムになったりと変遷を遂げますが、根強い要望のもと、当初の丸みのあるデザインもまだ作られています。

冒頭でも記述した映画「ローマの休日」の印象的なシーンで用いられているように、その見た目のかわいらしさから映画や芸術のワンシーンに登場することが多いベスパ。そういった貴重な資料もこちらの博物館に展示してあります。

オードリーも乗ったあのスクーター「Vespa」の博物館

こちらは映画「007」でジェームスボンドが使用した水陸空兼用の夢のベスパ。もちろん、それは映画の中のお話で、実際に飛べたり、水の上を行けたりするわけではありませんが、そんな夢が広がるインスピレーションを与えてくれる魅力にあふれています。

ただの小さなバイクがこんなにも愛されるのは、いつの時代も夢と希望を持って走って来たからなのかもしれませんね。そんな歴史のつまったピアッジョ博物館は入場無料です。詳しくはこちらから。

[ピアッジョ博物館公式サイト]
[All photos by Ryoko Fujihara]

藤原亮子

Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

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