南米ペルーにある遺跡、マチュピチュ。
高い山々に囲まれ、山裾からは見えず、雲に限りなく近い場所に創られたこの地は「天空の遺跡」ともいわれています。
500年以上前の時代、インカ帝国がスペイン軍に攻め込まれたとき、インカ帝国のほとんどの建物は破壊されてしまいました。しかし、マチュピチュはその立地からスペイン軍は存在に気づかず、その後発見に至るまで、静かにひっそりと眠っていたのです。
マチュピチュを発見したのは、インディジョーンズのモデルにもなったアメリカ人の探検家のハイラム・ビンカム。1911年、ハイラムがインカ帝国の遺跡を追ってこの地に辿り着いたとき、近くに住む10歳の少年が「この山の上に遺跡があるよ」と彼に告げたそうです。
風が吹き一気に雲が流され、その雲間から見えるマチュピチュが見える風景は、遺跡時代に引き込まれたような感覚になります。
マチュピチュの保存状態はとてもよく、そこから分かるインカ文明の技には驚かされます。
学校のような跡地があり、そこではケチュア語や織物、さらには天体観測も日時計や暦を観測するための設備までもがあるのです!
石段になっている段々畑は、日中太陽の光で石を温め、夜になっても冷めない温室のような働きをするよう考慮して設計されていたり、標高に適した食物を育てていたりと、この山の中でもきちんと生活が送れるようなシステムができていたのです。
家は石を積み上げて作られていて、この石もこの山頂で切り出したもの。でもこのインカの時代には鉄器というものが存在していなかったようで、石器でこんなにまで綺麗に切り出し隙間無く積み上げたとされています。
マチュピチュは規模としては最大でも750人が暮らしていたとか。広さはそこまで大きいわけではないので、端へ行くと、すぐにそこは急激な崖があらわれます。
今のマチュピチュの住人はこの子たち、リャマです。
このマチュピチュやインカ文明にはまだまだ解き明かされていない謎が多いのですが、“この風景が絶景!”ということだけは今も昔も変わらないことにように思います。