南イタリアはバジリカータ州にある「マテーラ」という町をご存知ですか?この町の旧市街には、「サッシ(イタリア語で岸壁を意味する)」と呼ばれる、 洞窟住居が未だに残っており、1993年には世界遺産にも登録されました。
サッシがいつから作られたかは定かではありませんが、8世紀から13世紀にかけて、イスラム勢力を恐れた修道憎が多く住み着き、サッシを構えたと言われています。その後15世紀から16世紀にかけては、オスマン帝国の侵略を恐れた、多くのアルバニア人などが住み着いたそうです。
サッシは、小作農民の住居として知られていた事もあり、戦後は南イタリアの貧しい生活を象徴する住居として廃墟化していました。しかしその後、貴重な洞窟住居として評価を受けるようになり、現在では多くの冊子がレストランやお土産屋として利用されているだけでなく、実際に住み生活を営んでいる人達も多くいます。
昼間のマテーラも素敵ですが、ライトアップされる、夜のマテーラもとっても素敵です。静かで、何だかノスタルジアを感じさせる空気は、新たな生活を求めて避難してきた人々の悲しい過去を物語っているようにも思えます。
まだまだガイドブックでも紹介されていないマテーラ。プーリア州の州都、バーリから電車で一本で行けます。また、車窓からは一面に広がるオリーブ畑の絶景を楽しめますよ。
サッシに泊まってマテーラを満喫することもできます。