中米の北東部に位置する国ベリーズ。この国が有する「カリブ海の宝石」と呼ばれるスポットをご存知でしょうか?
本土から東へ約88キロの地点、世界第2位の面積を有する珊瑚礁地帯の中で、ひときわ深いブルーの輝きを放つ巨大サークル「ブルーホール」。世界遺産に指定されており、世界の7大水中景観の一つとも言われています。
理由は不確かですが、地殻変動により海中に水没して形成されたもので、壁側にはかつて陸上や地下に存在していた洞窟や鍾乳洞が残っています。
©Pete Niesen / Shutterstock.com
まるごと楽しむ空からの景観
直径約313メートル、深さ100メートル以上にも及ぶブルーホール。数種類のサメや巨大魚と一緒に泳げるダイビングスポットとしても人気ですが、この美しい色と存在感を目に焼き付けるならば、絶対に外せないのが遊覧飛行です。ツアーに参加すれば1週1時間ほどで楽しむことができます。
絵の具では作れないたくさんの青
離陸するとまず目に飛び込んでくるのはマングローブで覆われた島。しばらく経つと珊瑚礁特有の淡いブルーの海が広がっていきます。その美しさは例えるならばアクアマリンや青みがかったオパールといった宝石の類。
水深やサンゴの群生によって、淡くなったり、濃くなったり。海と環礁が織り成すいくつもの「青」は飽きることなく私たちの目を楽しませてくれます。
「人工的」なのに「自然」という神秘
そして突如現れるサファイヤ色のサークル。ブルーホールの登場です。自然が作り出したものであるにも関わらず、あまりにも真ん丸で完璧な円形は人工的な印象すら与えてしまうほど。しかしそれが逆に神秘的な魅力を強めており、一度焦点を合わすと、その視線はあっという間に海の奥底に吸い込まれていきます。
ブルーホールは「カリブ海の宝石」だけでなく「地球の入口」「魔物の巣窟」といった呼び名も併せ持ちます。
もしも地球の内部に入り込む道があるとしたら。
もしもこの世に存在しないと思っていた「魔物」が実在する場所があるとしたら。
それはここなのかもしれない、と思わせるほど不思議な力で人を魅了しているのです。