中華圏の旧正月は、日本のお正月と同じようにお餅を食べる習慣があります。ちなみに旧正月というのは旧暦に従った正月のことで、15日間続く大切な行事です。お餅は縁起のよいものとされていることから、期間中にはお祝い料理のほかに年糕(ニェンガオ)と呼ばれる餅を食べたりします。
旧正月の始まりから数えて15日目は元宵節と呼ばれており、この日は新年で最初の満月にあたる日です。(2014年は2月14日)
中国ではこの日に白玉団子のようなお餅「湯圓(タンユエン)」を食べる習慣があります。丸い形のタンユエンには円満や団らんを象徴する意味があることから、家族揃って食べるのが元宵節の習わしです。
元宵節のライトアップ(マレーシア・ペナン島)
中国のレストランやカフェなどでも食べることのできるタンユエンですが、家庭で作るのが一般的。昔は手作りをしたといいますが、現在は冷凍のものをスーパーで買って来て茹でるだけ。タンユエンの中には、すりゴマ、落花生、小豆あんなどが入っており、温かいスープに浮かべて食べます。
スープはタンユエンの茹で汁のみの場合もあれば、キンモクセイの花と砂糖を煮詰めて作ったシロップ「桂花醤(ケイファジャン)」を熱湯に溶かしたものもあります。キンモクセイ入りのスープは香りがとてもよく、華やかで上品な味わい。
タンユエンに必要な材料はたったこれだけ!
寒い冬にはもってこいの美味しいデザートなのに、日本ではなかなかお目にかかることがありません。簡単にできてアレンジも効くので、自宅で挑戦してみる甲斐はありますよ! 作り方は、桂花醤少量を溶かした熱湯に茹でたタンユエンを入れるだけ。桂花醤でなく、生姜湯でも美味しく作ることができます。今回は桂花醤が手に入らなかったため、お花のシロップで作ってみました。
中華食材店に行けば冷凍のタンユエンと桂花醤を手に入れることができます。近所に食材店がないという方は、ネットで探してみるとよいかも。家族や友人と一緒に、今年の元宵節には中国を旅した気分でタンユエンを味わってみるのも楽しそうです。