エネルギッシュなニューヨークの中で、最もパワフルなチャイナタウン。食とは命の源なのだと感じさせる熱気です。
観光客がウロウロするのはCanal Streetのあたりですが、本当に美味しくて安い店は、観光客が行かないディープなエリアにあります。
常に行列の出来ているこの店こそ、ニューヨークB級グルメの王者 チャーシュー(BBQポーク)丼の店。どの時間帯も並んでいますが、ランチタイムは避けた方が無難。まとめて買う人もいるため、30分以上待つのは覚悟して下さいね。
名物チャーシュー丼 3.75ドル。
3年前は、3ドルでした。今でも、スーパーお値打ち価格です。
店先には、豚さんやチキンさんがイイ感じにこんがりと焼けて、出番を待っています。
チャーシュー丼の他、照り焼きチキン丼、ダック丼もあります。2種類、3種類盛りにすることも出来ますよ。
この方こそ、4ドル足らずで、皆に夢と興奮を与えて下さるシェフ。オーダーを聞き、盛りつけし、集金し、一人で調理+接客をこなすので、時間がかかるわけです。
オーダーを待っている間、彼の手元から目が離すべからず。この列に並ぶ価値があるのは、彼のパフォーマンスが見たいから。
中国人の接客は無愛想な場合が多いですが、彼はとても感じが良いのも人気の理由。
1. 容器にご飯を盛ります。
2. 湯がいたキャベツを、ご飯の上にちょっぴりのせます。
3. タレに浸かったチャーシューを取り出して、その都度、トントンと包丁で切ります。
4. 切ったチャーシューを、ご飯の上にてんこ盛りにギュウギュウとのせます。
5. 3と4の動作をもう1回繰り返します。
6. 最後にタレをたっぷりとかけまわし、山盛りになったチャーシュー丼の蓋を、勢いで無理矢理閉めて、出来上がり。
山場は4の作業です。『あ、すごいてんこ盛り。でも、もっともっとチャーシューを山盛りにして!』って手元を見つめながら、興奮してしまうのです。
人間の欲望とは、どこまで深いのでしょうか(笑)。
ちなみにこちらは、前の方がオーダーされたラージサイズの照り焼きチキン丼。
出来上がったばかりのチャーシュー丼。後ろに行列ができている中、焦って撮影したのでぼけましたが、このてんこ盛りを見て下さい。
チャーシューは、タレをたっぷりかけられて、神々しく光り輝いています(オーバー)。思わず、至福の溜め息が。
勢いをつけて、無理矢理蓋をするとこうなります。一種の職人技ですね。チャーシューが、山手線状態です。
持ち帰ったところを、さらに撮影しました。
チャーシューは、ほんのり八角の利いた甘辛いタレがしみ込み、ジューシーです。ごはんはたっぷりのタレを吸って、『丼ものはタレ多めで』の好みにぴったり合っています。
ご飯とチャーシューと間に位置する湯がいたキャベツは、両者をさりげなく取り持つお仲人的な存在。3つが絶妙なハーモニーを醸し出しています。
スモールサイズは容器が12センチ×14センチ×5センチですが、食べきれる人は相当の大食漢。女性だったら、2食分になりますよ。
このボリューム、美味しさ、そして驚くべき価格。
チャイナタウンのB級グルメの決定版、食べずにニューヨークから帰る事なかれ。
住所 79 Chrystie St, New York, NY 10002
(between Canal St & Hester St in Lower East Side)
持ち帰りのみ可能
[All Photo by Sara Aoyama]