知らないと損するメキシコの食べ歩き方
雑貨や交通費、ミュージアムの入場料は日本に比べたら格段にお得なメキシコの物価ですが、意外と高く付くのが外食費。
高級レストランで食事したら一人250〜500メキシコペソ(2000〜4000円相当)中級でも一人100〜250メキシコペソ(800円〜2000円相当)。
日本の旅行者から「けっこう高いのね」なんて声もよく聞きます。
そこで、節約しながらも充実した旅の食生活を送るためのヒントを教えます。
メキシコの定番料理、タコスに叶うものなし
大きめのタコス(通称ワラーチェ)を売る店。ズッキーニの花を炒めている
旅の通ならばすでにご存知かと思いますが、ストリートフードはどこの国でも最強グルメ。
そんなメキシコのストリートフードを代表する、安い早い旨いの三拍子がそろった料理がタコス。
安いところだと、ひとつ4メキシコペソ(32円相当)ぐらいからありますが、おすすめは、ひとつ20メキシコペソ(160円相当)くらいのちょっと大きめのタコスを売っている店。数種類のサルサ(ソース)、サボテンのマリネサラダや、じゃがいもの煮たものなど、おまけのオカズを太っ腹に提供する店を狙いましょう。タコス1つでも、おかずでお腹いっぱいになります。
キュウリスライスにワカモレ、ウチワサボテンのサラダ、トマトとタマネギのみじん切りソースや数種のサルサなど、おまけのオカズが多い店を狙おう!
オカズはたいがい店頭に並んでいるので、自分でがっつりタコスに後のせするのです。(お店の人が入れてくれる場合もあります)
ただ、モクテスマ(アステカ帝国最後の王)の呪いにかからないよう注意せねばなりません。
「モクテスマの呪い」とは、メキシコでの「食あたり」の俗称です。
もし日本だったら、食あたりを起こさせるお店は閉店になるほどの大騒ぎですが、メキシコでは
ひどい食あたりにあったとしても、店も責められないし、周りの人々も「モクテスマの呪いにかかったから仕方がないね」とあたりまえのようにスルーされます。
・・・とにかく、モクテスマの呪いにかからないためには、お客が多く、常に回転しているような店が狙い目。きちんと見極めましょう。
メキシコ流巨大サンドイッチ、トルタもお得
メキシコのサンドイッチ、TORTA(トルタ)も経済的で1つでもお腹いっぱいになります。
20〜50メキシコペソ(160〜400円相当)で、ハム、ソーセージ、タマゴ、チキン、ビーフカツといった中に挟む具が選べ、その場で調理してくれます。そこに、さらに、アボカド、チレのピクルス、トマトなどを挟みます。
TORTA CUBANA。(トルタ・クバーナ)食いしん坊には、その店で扱う全部の具が入ったこのトルタががおすすめ。なぜ、クバーナ(キューバ風)なのか?その答えは・・・ミステリーです・・・。
レストランよりも町の食堂の日替わり定食が狙い目
市場や下町の食堂でお昼時(だいたいPM1:00〜PM5:00くらい)に提供されるのが、COMIDA CORRIDA(コミダコリーダ)または、メヌウ(MENU)という日替わり定食。
スープ、サラダ、メインの一品、パン、フルーツジュースのほかに、デザートやコーヒーまで付くので、大満足です。30メキシコペソ(240円相当)くらいからあります。
ここでは、50メキシコペソ(400円相当)の定食の一例を紹介しましょう。
まずスープが出てきます。メキシコのスープはどこのものも美味しいです。もちろん、トルティージャも付いてきます。
〆のデザートはバナナのサワークリーム和え。なんて地味なデザートなんだ!でも、これ、メキシコ定食屋の定番デザートです
定食屋のデザートには、フルーツを極限まで甘く煮たものや、異常に固いゼリーが登場することが多いです。
たいがい、あまり美味しくないですが、あればあったで何となく嬉しいものです。
そのほか、このメニューにはAgua(アグア=季節のフルーツを水で割ったもの。フルーツジュース)がつきます。
400円でこれだけ食べられるのなら、文句なしですね。
定食の定番には以下のような料理があります。
あげたトルティージャチップスにサルサやサワークリーム、チーズがかかったチラキレス(Chilaquiles)煮豆のペーストとごはんが付け合わせになっています。
薄切りビーフステーキ(Bistec)とトルティージャのなかに具をいれてサルサをかけたエンチラーダス(enchiladas)
大きな辛くない青唐辛子のなかに、チーズを入れ、溶き卵と小麦粉の衣をつけて、焼き揚げにし、トマトソースをかける料理、チレレジェーノ(Chile relleno)
だいたいどんな店でも扱う、ハズレがない料理です。
コンビニのコーヒーが意外と優秀
ヘタなカフェに行くよりもコンビニのコーヒーがおすすめ。OXXO(オクソ)というメキシコチェーンのコンビニのものはなかなか美味しいと評判
最近のメキシコのコンビニのコーヒー販売機は、その場で豆を挽くタイプの本格派が主流になってきました。価格も通常のカフェの持ち帰りアメリカン・コーヒーが20〜25メキシコペソ(円相当)くらいなのと比べたら、14〜16ペソ(円相当)と破格の安さなので、毎日でも利用したいですね。
ちなみにメキシコのスタバのコーヒーはイマイチなうえに、高いので、コーヒー通にはおすすめできません!
チェーン展開するファーストフードやファミレスはけっして安くない
日本であれば、ファーストフードやファミレスは手軽に安く食事ができる場所のひとつ。しかしメキシコでは、意外と高いのです。
VIPS(ビップス)やSambornes(サンボーンズ)といったメキシコで全国展開するファミレスチェーン店のメイン料理は100〜200メキシコペソ(800〜1600円相当)もします。
マクドナルドなどのファーストフードもハンバーガー、ポテト、ドリンクのセットが48〜78メキシコペソ(384〜624円相当)と割高だったりします。食堂で40メキシコペソ(320円相当)の定食を食べた方がお得感がありますね。
裏技。地元の大学の学食を使ってみる
安くて早くて、充実したごはんが食べられるのが学食です。
メキシコの学食の定食は30〜40メキシコペソ(240〜320円相当)。学生でなくても、自由に利用できる場合がほとんどなので、もしも大学へ行くことがあったら、ぜひ試してみてほしいところ。
[All Photo by Miho Nagaya]