川には、海にも湖にもない魅力があります。
それは、行き先が必ず決まっていること。
目的地に向かって、脇目もふらずに流れていくこと。
その潔さは眺める者に安心感と心地よい距離感を与えてくれます。
そんな川たちの中から、美しさや珍しさを感じるものを集めてみました。
始まりは山から
タイで一番美しいといわれるエラワン滝を擁するカンチャナブリーの渓谷。清流とはこの流れのためにある言葉かと思えるほどの清らかさです。
五色の川
コロンビアにあるキャノ・クリスタレスは、秋の数週間だけ世界一美しい川になります。川底の苔や藻により様々な色彩が生まれ、このような絶景を作り出すのだそう。
大地をうねる龍
ポルトガルのオデレイテ川には、ブルードラゴンの異名があります。空から見ると、本当に天へ登る青龍のようです。
日本の聖域
奈良県の天川は、小説や漫画で有名な安倍晴明が雨乞いの儀で最後に訪れた場所。村中を水の気で満たす、浅葱色の豊かな川です。
川底まで見通せる透明度
透明度の高さで有名なスイスのヴェルツァスカ川。そのあまりの美しさから、ダイビングスポットとしても人気です。
風に波打つ巨大な布
アメリカ最大の川、ミシシッピを行く貨物船。広く平たい川は水というより巨大な一枚布にも見え、海の持つ包容力をかすかに感じさせます。
エジプトはナイルの賜
母なるナイルの夕暮れは、それはそれは穏やか。土の恵みもまた、雄大な川によりもたらされました。
川はいつも、眺める者に無関心です。それでもいつまでも眺めていたくなる。それは一心に流れるひたむきさのせいでしょうか。もしかしたら、眺めているうちに、自分の心も洗い流されているような気持ちになるからかもしれません。
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