まだまだ寒い日が続きますが、そろそろ梅の見ごろです。桜と比べたら、わざわざ梅を見に行く人は少ないかもしれません。しかし、梅には桜とは違った魅力があります。
桜と梅はどう違う?
桜の花びらは切れ込みのある舟形で、梅の花は切れ込みのない円形というのはよく知られているもの。そのほかにも、桜と梅は枝振りと花のつき方が違います。
スカッと晴れた冬空に向かって、まっすぐに伸びる枝と、枝に密着するようについた梅の花。とても直線的で凛とした印象です。
こちらの桜の枝振りと比べてみましょう。枝は下の方に垂れ下がり、花は枝の先にぽわんぽわんとボール状についています。梅と比べると、桜はふわふわとやわらかい印象を受けますね。
はかなさの代名詞となっている桜の花に比べて、梅の花の花期は長いのも特徴。早咲き品種、遅咲き品種があるので、梅園を訪れる時期によって、違った花を楽しむことができるのも魅力です。
もうひとつ、梅の特徴といえば、その香り。桜にもほのかな香りはありますが、梅ほど強く訴えかけてはきません。澄み切った冬の空気の中に、バナナのような梅の甘い香りが漂ってくると、思わずハッとします。6月になり、梅の実が熟せば、今度はモモのような甘酸っぱい香りを放ちます(香りに惹かれてかじってみると酸っぱいのでご注意!)。同じ木なのに、ライフステージによって違った香りを発するのも興味深いものです。
紅白の色使い
梅には紅梅と白梅があります。赤い花だけを咲かせる木と、白い花だけを咲かせる木がほとんどですが、中には一本の木の中に赤い花と白い花を咲かせるものも。
枝ごとに色が違う木もあれば、
一本の枝の中に赤い花と白い花、一輪の白い花の中に赤い花びらが混ざっている品種もあります。見つけると、なんだかうれしい気分になるものです。
都内の梅の名所
たくさんの梅を見られる、都内の名所をご紹介します。近くの梅園に足を運んで、ひと足早い春を探しに行きましょう!
広大な梅園の敷地内に、約60種1100本の梅が咲き誇ります。梅まつり期間中は野点茶会や琴・尺八演奏会など、さまざまな催しが開催されます。
■羽根木公園 せたがや梅まつり
傾斜のある梅園に、60品種以上約650本の梅の木が植えられています。梅まつり期間中には、露店が軒を連ね、茶室での抹茶サービスや、舞台での催し物なども行われます。
■池上梅園/るるぶ ※梅まつりは特に開催されません
梅は約30種類370本。斜面に美しく剪定された梅の木が並ぶ様子は圧巻。
■京王百草園 梅まつり
約26000㎡の園内に約50種500本の梅が咲き誇ります。また、樹齢 300年を越すと言われる梅の名木も。2月25日~3月8日は、つるし雛まつりも行われます。
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