旅の楽しみのひとつであるショッピング。もはやショッピングが旅の目的、なんていう人もいるかも知れませんね。特に、かわいいハンドクラフトは自分用にもお土産にも買いたくなるものが沢山! そこで、今日はアジア圏で見つけられるオススメのハンドクラフトをご紹介します。
優美な輝き!マレーシアの「ニョニャ・シューズ」
ビーズの繊細な色と光が、優美な雰囲気を醸し出す、 ニョニャ・シューズ。ニョニャとは、オランダとポルトガルの植民地時代を経て、15世紀後半からマレーシアやシンガポールに移民した中国系移民の子孫の女性を指します。
現地では「カス・マネ」と呼ばれています。カス・マネには、大きく分けて二つのタイプがあります。ひとつは、つま先の閉じたもの。もうひとつは、ちょうどサンダルのようにつま先の開いたものです。ひとつひとつ手縫いで作られるカス・マネには、忍耐力と何時間にも及ぶ作業に耐えられる強い手が欠かせません。
カス・マネに使用されるビーズは、表面をカットしてあるため、より多くの光を反射します。伝統的な柄は、花、鳥、金魚、そしてモザイク柄です。普段用には豪華すぎるけれど、夏のお出かけ用にすると素敵ですね。
シャム王国時代の名残「ポンマライ」
今も昔も日本人に大人気の旅行先、タイ。街中を歩くと、生花で作られた花輪ポンマライを見かけることがあります。
ポンマライの歴史は古く、タイがまだシャムと呼ばれていた頃まで遡ります。ポンマライが大きな人気を得たのは、1860年代後半に即位したラーマ5世の時代。宮中に従える女性達は、1日に何時間もかけてポンマライを作ったそうです。
ポンマライは、寺院に備えたり、結婚式などのお祝い事のあるときに幸運を祈って身に着けることもあります。生花は日本へ持って帰るのは難しいけれど、布製のものを売っているお土産屋さんもあります。これなら、枯れることもなくずっと楽しめますね。
日本女性の知恵が詰まった「刺し子」
「刺し子」というちょっと聞き慣れない言葉。刺し子は、木綿がまだ貴重だった時代、布の補強や保温性を高めるために施された日本生まれの刺繍のことです。
刺し子は、亀甲や麻の葉、七宝といった古典的な模様も刺します。模様にはそれぞれ意味があり、亀甲は長寿、麻の葉は魔除け、七宝はお祝いなんだそう。ひと針ひと針、気持ちを込めて作られた作品からは、作り手の思いが伝わってくる様です。
ご祝儀袋だけじゃない!「水引細工」
水引の歴史は非常に古く、飛鳥時代、航海の無事を祈り贈り物に結ばれていた紅白の麻ひもが起源だと言われています。
江戸時代には、用途により結び方や色を変えるようになりました。水引を作るには水のりが使われることから、今の名前が付きました。
水引細工は、もともと高い芸術性を誇るもの。こちらの五月人形用に作られた兜の色味と風合いは、まさに圧巻の一言。海外へのお土産にも喜ばれそうですね。
旅の思い出や、お土産にぴったりなアジアン・ハンドクラフト。旅から帰って来たら、物を通して、その国や土地の歴史を調べるきっかけにもなるかも知れません。
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