
国自体が1つの美術館のように、行く場所によって景色や建築物、雰囲気が大きく異なるイタリア。魅力たっぷりの国ですが、治安は決して良いとは言えません。

イギリスのエコノミストと言う出版社が分析した数値であり、犯罪件数・警察力・重犯罪数など、24の指数から多角的に平和度を考察している世界平和度指数の2014年版によると、イタリアは第34位。ヨーロッパ諸国の中でも治安がよい国とは言い難いようです。
今回は、イタリアで快適に旅をするために参考にしてほしい、治安情報を紹介します。
スリ・ひったくりが多発

在イタリア日本大使館によると、イタリアではスリ・ひったくりの被害が多発しています。近年増加する不法滞在移民者、そしてイタリア経済の停滞などが背景にあるようです。
【よくある手口】
●地下鉄の中で、3~4人のグループに取り囲まれて強奪されるケースや1人が話しかけ、注意を逸らせているうちに仲間が貴重品を抜き取るといったケース。
●大きなお腹を抱えて電車の中を歩く女性の集団。席を譲ろうと立ち上がり、女性たちに気を取られている間に、グループの一人が鞄の中から財布を盗もうとするケース。彼女たちは実際は妊婦ではないのです。
【対策】
●ファスナー付きのバックを使用し、ファスナーは常に閉めた状態にしておくこと。
●イタリアではクレジットカード使用可能な場所が多いので、大金は持ち歩かないようにする。または万が一の時のために、分けて持ち歩く。
●浮浪者がお金を催促しに近寄ってきても、NOとはっきり言う、または無視してその場を離れる事。
イタリアの大都市の駅

(C)saaton/Shutterstock.com
ローマやミラノなど大都市の駅では最新の注意を払いましょう。切符の券売機の周りでも、すきを狙って財布を盗もうとする人がいるのでカバンには常に気を配りましょう。または同伴者に見張り番を頼むのも良いかと思います。

在ミラノ総領事館のホームページでは、2011年にイタリア紙、イル・ジョルナーレ紙で発表されたイタリアの都市の2011年の被害届ベースの犯罪発生件数を掲載しています。やはりミラノやローマなどの大都市では犯罪件数の多さが目立ちます。(※赤字は、北イタリアの都市を表示)
夜の一人歩き

イタリアはどの都市の中心街にも、素敵な小道がたくさん入り込んでいて、ついつい散歩を楽しみたくなります。ですが、ひと目のつかない場所を一人で歩くのは安全とはいえません。自分の居場所を常に自覚しながらお散歩を楽しんでくださいね。
詐欺

イタリアはずばりコネ社会です。家族や友人をとっても大切にする一方で、卑怯な手口で得をしようとする人も少なくありません。特に観光客をターゲットにしたぼったくり事件が相次いでいます。
【被害例】
●2009年、ローマの老舗レストランで食事をした日本人観光客が、異常な額の金額を請求され、その後レストランの詐欺行為が発覚し、レストランは閉鎖を余儀なくされた。詳細はこちらに載っています。
【対策】
●外食先では、レシートをしっかりチェック。メニューに値段が書かれていない場合は、事前に聞く。おかしいと思ったら、すぐに警察に行く。
●イタリアでは英語を話せる人は多くはありませんが、むやみに「Si(はい)」などと返答せず、英語を話せる人がいるか尋ねる。または意思疎通ができなくて相手が怪しそうであれば、場所を変更する。
知っておくと便利

治安の話から少しずれますが、ぜひ知っておいてほしい事があります。イタリアの公衆トイレは非常に汚いです。便座がはずれてしまっているところも少なくありません。日本人からすると、受け入れがたいレベルですので、さっと拭けるようポケットティッシュやウェットティッシュを常に持っておくと便利です。
治安は少し心配ですが、旅行者としての自覚を忘れず行動すれば大丈夫かと思います。皆さんのイタリア滞在が素敵なものとなりますように。
[Photo by Shutterstock.com]
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yoko ブログライター
現在ヨーロッパで大学院生活を送る。専攻はヨーロッパ学。趣味は旅、写真、料理。美味しいご飯と美味しいお酒が大好き。格安切符を見つけては、そのへんをブラブラ。現地の日常生活に触れられるような、庶民的な旅をする事がモットー。
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