飲めばフランス人から一目おかれる!?フランス版「ライオンのミルク」とは?

Posted by: sweetsholic

掲載日: Aug 12th, 2015

フランスには、夕食前に軽くつまみながらお酒を楽しむ「アペリティフ」という習慣があります。食前酒に決まりはないので、りんごの発泡酒「シードル」やビールなど、好きなものを飲んでOK。

「ライオンのミルク」、パスティスを知っていますか?

夏らしい食前酒といえば、今回ご紹介する「パスティス(Pastis)」は外せません! パスティスはアニス風味の清涼感たっぷりのお酒で、庶民の飲み物として広く親しまれています。

パスティスとは?

プロバンス地方の港町マルセイユ生まれのお酒「パスティス」。アニスやリコリスなどのスパイスやハーブをベースにした、アルコール度数40〜45%のリキュールです。

「ライオンのミルク」、パスティスを知っていますか?
(C)sweetsholic

リキュール自体は褐色がかった色味をしていますが、水で割ると乳白色に変身!

「ライオンのミルク」、パスティスを知っていますか?
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「ライオンのミルク」、パスティスを知っていますか?
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現地では水割りにして飲むことが多いようです。暑い日に飲めば、爽やかな気分に。しかしながら独特の香りのため、好き嫌いが分かれるお酒でもあります。

ギリシャの「ウゾ」、トルコの「ラク」、シリアやレバノンの「アラック」なども、水で割ると白く濁るパスティスに似たお酒です。ちなみにトルコでは「ライオンのミルク」と呼ばれています。飲めばたちまち、ライオンのように強くなったりして!?

次はパスティスの普及に禁断のお酒が関係している!? という逸話を。

禁断のお酒「アブサン」と「パスティス」

パスティスは聞いたことがなくても「アブサン」をご存知の方は、多いのではないでしょうか。アブサンはアルコール度数が70%前後という非常に強いアニス風味のお酒です。その風味は多くの人々を虜にしたそうですが、原料の「ニガヨモギ」の成分が幻覚症状を引き起こすなど、アブサン中毒になる人が続出。

「ライオンのミルク」、パスティスを知っていますか?

かの有名な画家ゴッホやロートレックらも、アブサンで身を滅ぼしたと言います。このため、フランスでは1915年に販売禁止に(現在は一部解禁されています)。

このとき、プロバンス地方では「アブサン」に近い味わいの、自家製「パスティス」なるものが存在していたそうです。ここに目をつけた青年実業家のポール・リカール氏。1932年にアブサンに代わるものとして、正式に「パスティス」の販売を開始、大成功を収めました。

その後、競合会社「ペルノ(Pernod)」と合併、現在は「ペルノ・リカール」社として、フランスのパスティス市場の42%を占めるまでに成長。アメリカンならぬフレンチドリームと言えるかも!? 現在マルセイユには、配合や味わいが若干異なるパスティスが、60種類ほど存在するそうですよ。

パスティスの美味しい飲み方

「ペルノ・リカール」社によると、水割りで楽しむ際の黄金比があるそうです。パスティス20ccに対し、5〜7倍の水が最適。この比率だと、アルコール度数も甘さも、ロゼワインよりも軽くなるそうですよ。

近頃は南仏に限らず、夏の食前酒はロゼワインに押され気味。そこであえて「パスティス」を選んでこそ、フランス人からも一目置かれる存在になると思うのですが、いかがでしょう? パスティスは国内でも気軽に飲むことができますよ。

[雑誌『Cuisine et Vins DE FRANCE』No.164]
[tsujicho.com]
[yomeishu.co.jp]

PROFILE

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sweetsholic ライター

海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。世界で経験した文化や学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理が大好き。寄稿媒体:Pouch、ANGIEなど

ブログ
https://ameblo.jp/ma-petite-chocolatine/

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