【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?

Posted by: 山口彩

掲載日: Oct 12th, 2015

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

肉好きなら聞いただけで胸が高鳴る、「世界中のステーキハウスをめぐって世界一のステーキを決定する旅」。それを実際やってのけ、20か国、200を超えるステーキハウスからベスト10を紹介するのが、10月17日公開の映画『ステーキ・レボリューション』です。

世界のステーキハウスの中で、日本だけが異質だった

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

映画では、各国のシェフそれぞれ、肉に対するやんごとなきこだわりと情熱が伝わってきます。愛着といってもいいかもしれません。でも、肉に対するリスペクトを感じるのは日本だけでした。

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

日本の調理風景はまるで、御神体を扱う儀式のよう。自然、生き物、命に対するリスペクトがそうさせるのでしょう。「いただきます」と手を合わせて食事をする、日本の食文化の独特さを改めて感じました。

では、リスペクトがあれば、世界一おいしいステーキになるのでしょうか?

これはもはや「牛肉道」の世界

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

世界一おいしいステーキの条件、それはもはやステーキハウスの中だけで語ることはできないようです。必然的に精肉店や畜産家、牧場などをめぐることになります。正直、試写を見るまでは単なる肉好きのためのエンタメ映画だと思っていました。しかしそれは大間違い。これは、かなり探究的な作品です。茶道や武道のように「牛肉道」というものが、今まさに世界で創られているのではないかと思わせるほどに。

おいしい牛肉の決め手とは?

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

肉に対する価値観や文化は国によってそれぞれ。牛の品種、牧草飼育で放牧させるか穀物飼料で短時間で育てるか、それによる赤身と脂身のバランス・・・。

さらに、エコの観点を重要視する畜産家もいれば、幸せを感じやすい温和な性格の牛を選んで育てる牧場もあります。

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

では、土地の気候にあった品種の牛なら、信念をもって育てた牛なら、愛情をかけられた幸せな牛なら、最高のステーキになるのでしょうか?

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

答えは・・・自らの目で確かめてください! 映画の中でランダムに繰り出されるランキングが、この先どんな答えが待っているんだろうと、ワクワクさせてくれます。そのランダムさの中に、ちょっとした皮肉を感じるところもまた、この映画の面白さです。

【話題の肉好きグルメ映画】世界一のステーキは、幸せな牛から生まれる!?
(C) 2014 LA FERME PRODUCTIONS SAS et C.PRODUCTIONS

そして、おいしいステーキ肉に脂は必要。映画はそう告げています。脂肪は、牛肉の味をよくするんだ、と。

きっと、おいしい人生にも脂は必要なんです。一見無駄に見えるもの、体に悪そうなもの、余裕や余剰から生まれるもの。

そういうわけで、試写後は迷わずステーキ屋とシナボンをはしごしました(笑)。ステーキ屋でお肉について説明されたとき、すべてがスルスルと理解でき、肉への期待が高まるあの感じ、ちょっと快感でしたよ。

ステーキ・レボリューション
2015年10月17日(土) YEBISU GARDEN CINEMA/
109シネマズ二子玉川/大阪ステーションシティシネマほか全国順次公開
●監督:フランク・リビエラ
●出演:世界各国の牛さんたちと、その飼育家、精肉店店主、ステーキハウスシェフなどお肉の未来を牽引するトップランナーたち
●ドキュメンタリー映画/フランス語・英語・日本語/114分/カラー/2014
●配給:ピクチャーズデプト 提供:鈍牛倶楽部 協力:昭和の森フォレストビレッジ

<あらすじ>
旨い牛肉はどうやって作られるのか――その謎に迫るため、監督のフランク・リビエラはパリでいちばんの精肉店の店主イヴ=マリ・ル=ブルドネックと共に、2年間の「世界最高のステーキを見つける旅」に出た。20カ国、200を超える有名・無名のステーキハウスを食べ歩いた結果、そこに見えてきたものは……? アメリカではかつては証券マンや作家になるようなエリート達があえて肉牛農家となるアントレプレナー・レボリューションが起こっていたり、スウェーデンでは、MBAを持つ物理博士が「和牛」を肉牛として飼育し、とてつもない高額売買を叩き出す和牛レボリューションを起こしていたり、仏コルシカ島では肉牛飼育の原点回帰と向き合う孤高の大富豪が全財産と全人生を肉の地産地消に捧げていたり……。肉のプロも驚きの、世界のお肉革命、絶賛進行中! 肉の常識がひっくりかえる! ビッグ・ブーム到来、世界のお肉事情をすべて見せます!
(映画『ステーキ・レボリューション』公式サイトより)

PROFILE

山口彩

Aya Yamaguchi 統括編集長

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

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