かつて日本から多くの移民が外国に渡り、その国で生活を打ち立ててきました。現在は企業の世界進出の一環で海外に飛び出し、現地で頑張っている日本人会社員も少なくありません。
そこで今回は、外務省の「海外在留邦人数調査統計」平成27年(2015年)要約版を参考に、世界の日本人街をまとめます。
もちろん「ここからここが日本人街!」と明確な線引きができるコミュニティばかりではないようですが、海外旅行の際に日本人が立ち寄りたい場所の1つでもあります。分かりやすい場所を中心に紹介します。
日本人の海外永住者は米国とブラジル在住者が群を抜いて多い
冒頭で紹介した「海外在留邦人数調査統計」によれば、海外で暮らしている日本人は129万人近く。そのうち永住をしている人は43万人ほど居るとか。
しかもその43万人の8割は米国、ブラジル、オーストラリア、カナダ、英国、アルゼンチン、ドイツ、ニュージーランド、韓国、フランスの合計10か国に集中していると言いますから、日本人街が発達するとすればこうした国々になります。
実際に調べてみると、上述の10か国には日本人街、あるいは「街」とは言わなくても日本人のコミュニティ、日本人会が結成されているケースがほとんど。特に日本人永住者の5割が集中する米国とブラジルの日本人街は規模も巨大です。
米国ロサンゼルスにある日本人街は特に有名
外国に永住している日本人の40%が集中する米国。なかでも西海岸は日本人が多く渡航した歴史がありますので、最盛期にはカリフォルニア州だけで40近くも日本人街があったとか。ただ、現在はそうした日本人街もどんどん集約化してきているそうで、
・ロサンゼルス
・サンフランシスコ
・サンノゼ
あたりに集まってきているとか。中でもロサンゼルスのリトル・トーキョーは特に有名で、観光客も普通にすし・ラーメンを食べられます。ただ、チップが必要な点は米国を感じますよね。
ブラジルのサンパウロにも巨大な日本人街がある
日本からブラジルに多くの移民が渡った歴史は、多くの方がご存じだと思います。減ってきているとはいえ、現在でも日本人永住者の12%がブラジルに在住。中でも最も有名な日本人街は、
・サンパウロ
のリベルダージにあります。サンパウロとはリオデジャネイロ、クリティーバに挟まれたブラジル南部の大都市で、強豪サッカーチームもあります。
日本食のレストランはもちろん、日系の書店では日本の週刊マンガ雑誌を日本より1週間遅れで購入できるとか。
残念ながら筆者は訪れた経験がありませんが、いつか足を運んでみたい場所の1つです。現地に行った経験のある友人の話によると、地球の裏側で巨大なコミュニティを形成する日本人との出会いは、その他の外国で出会ったときの感動とは比べものにならないと語っていました。
その他の国で言えば、オーストラリアのシドニー、英国のケンブリッジ、ドイツのデュッセルドルフ、ミュンヘン、韓国のソウル、フランスのパリなどにも日本人のコミュニティーがあると知られています。
米国やブラジルも例外でなく、どこも中国人や韓国人が流れ込んできて町のコンセプトが変化しつつあるとの話ですが、旅行の際には必ず訪れておきたいですね。日本語で話し掛ければ、思わぬ交友関係を持てるかもしれませんよ。
[海外在留邦人数調査統計平成27年要約版 – 外務省]
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