マレーシアは過去数年、日本人が移住先の最有力候補として選んでいる国。そのマレーシアで現在、鉄道&ホームステイの旅 を大々的におすすめしているとご存じでしたか?
「将来的に移住もありかも」と考えている人からすれば、一般の人の暮らしぶりが分かるホームステイ旅行は、貴重な機会ですよね。もちろん、移住希望者でなくても、ホテル泊とは違う濃密な旅を楽しめる お手軽なプランでもあります。
そこで今回は、マレーシア鉄道&ホームステイツアーの参加体験をもとに、その魅力をまとめたいと思います。
留学とも違う!ホームステイで楽しむマレーシア
そもそも、マレーシアが国をあげておすすめするホームステイとは、どういった旅行プログラムなのでしょうか? 通常のホテルに泊まる旅行とは違いますし、語学留学などで行くホームステイとも違います。
それは、正式なライセンスを与えられたホームステイ先の村に訪れ、村長の家に泊まったり、専用のゲストハウスに寝泊まりしたりする旅。そしてどこのホームステイ先に訪れても、その村の伝統的なおもてなしで、盛大な歓迎会を開いてくれます。
日中は裏庭のヤシの実やゴムを収穫したり、ホストファミリーと郷土料理を作ったりと、地元の人の生活に寄り添いながら、異国情緒を楽しむ プログラム。
夜にはリビングのテレビでサッカーの試合観戦に夢中になるお父さんの声が聞こえたり、早朝には裏の森から名前も知らない南国の鳥の声が聞こえたり。
小さいころ田舎にある両親の実家に連れて行ってもらったとき、なんだか心細いけど、見知らぬ町の、のどかな生活にワクワクする気持ち、ありましたよね? あのころの心の高揚を思い出せる旅 と言えるかもしれません。
1日7,000円程度の費用で現地ロングステイも可能!
「でも、そんなプログラム、私ちょっとシャイだから大丈夫かな」という方、安心してください。筆者が旅行中に出会ったマレーシアの方を思い出すと、例外なく笑っている顔が浮かびます。赤道付近の南国だからか、とにかく明るくて気さくな人たちが多い国なのですね。
最初はもちろん、お互いに少し緊張していますが、例えば突然のスコールで雨宿りをしていると、軒先を分け合った人といつの間にか身の上話がスタート。どこか懐かしい土のにおいを感じながら、あてもなく楽しむ会話 は、本当にいいんですよね。
仕事の話、国家の歴史、サッカー日本代表の長友選手の攻め上がり に関する議論から、一夫多妻制のシビアな経済的デメリット に至るまで、いろいろな話を楽しめます。
夜は夜で村人や同宿の旅人と軒先に椅子を並べて、お菓子をかじりながら遅くまで語り合う時間も。普段は言えない悩みをこちらから打ち明けたり、相手から亡くなったご主人の話を聞かせてもらったりと、いつの間にか温かい気持ちを交換できるようになっています。
「そこまでマレー語が話せない」と心配するかもしれませんが、マレーシアは田舎でも年齢に関係なく英語を話す人がたくさん。
「英語も無理~」と逃げ出したくなるかもしれませんが、そんなコンプレックスなどお構いなしに、周りの人々が部屋に閉じこもろうとするあなたを許してくれないはず 。
「ちょっと出てこい」「まだ来ないのか」「シャワー浴びたら来い」など、軒先へのお誘いは絶えません。もたもたしていると扉をノックする音が聞こえ、「まだシャワー浴びてないじゃん!」という突っ込みが・・・(笑)。
そうしたいい意味での“おせっかいさ”もホームステイならではですよね。もちろん出発の日は、「これテレビで見たことある!」という涙のお別れシーンも。連絡先を交換し、地球のどこかでの再会を誓う旅先の別れ に、思わずこちらもグッときてしまいます。
ホームステイにプラスして近隣の観光をプログラムに入れても、1泊7,000円程度に収まる 場合もあるとか。日本から近い上に、安くて治安もいいので、家族旅行や友だち同士の旅行にもぴったりです。「せっかく海外に行くなら、地元の方と触れ合いたい」という人には、格好のプランですね。
以上、マレーシアが国をあげて取り組むホームステイについて紹介しました。首都のクアラルンプールに着いたら、マレーシア鉄道で地方に移動。最寄りの駅まではホストファミリーが迎えに来てくれます。一緒にホームステイ先に移動してください。
こうして記事を書いている間も、「ちょっと町まで行こう」とヘルメットを片手に誘ってくれたマレーシア人の優しさを、温かい気持ちで思い出します。バイクの後ろにまたがって異国の風を感じた瞬間、遠い昔に置いてきた青春時代のワクワクを思い出しました。ぜひとも皆さんも体験してみてくださいね。
今回参加したツアーは、マレーシア観光文化省、マレーシア政府観光局、
マレーシア鉄道観光協会 主催によるプレスツアーになります。
[All Photos by Masayoshi Sakamoto]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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