北海道の然別湖には、毎年冬になると、大雪原の中に現れる真っ白な村が存在します。その名は、しかりべつ湖コタン。コタンとは、アイヌの言葉で「村」を意味します。
建物はすべて雪と氷でできており、春の雪どけとともにはかなく消えてしまいます。北海道の大自然でしか作り出すことができない、まさに幻の村なのです。
雪と氷の村
しかりべつ湖コタンの建物は、イヌイットの住居・イグルーを参考にしているのだとか。雪を固めてブロック状にし、それを設計図どおりにひとつひとつ入念に積み上げていきます。かまくらとは異なり、雪をレンガのように組み立てていく方法なら、強度が高く、大型の建物でも作れるそうです。
雪のブロック作り、氷の切り出し、そして建設作業まで、すべて人力で行っているというから、すごいとしか言いようがありません。今年で36年目を迎えるというコタンですが、作り手の思いと、それを心待ちにしている人々の、心の交流も感じます。
氷の宮殿のようなアイスバー
しかりべつ湖コタンには、他では見られない珍しいものがたくさんあります。こちらはアイスバー。
まるで氷の宮殿のよう! ゴージャスな雰囲気にうっとりしてしまいます。お昼の営業時はカフェとして、コーヒーやココアなどの温かいドリンクも提供しているのだそう。また、ドリンクを注文をしないで、建物内部の見学だけでもOKとのことです。
凍った湖の上の露天風呂
さらに、雪見風呂ならぬ氷上露天風呂まであるんです!
なんと場所は、凍った湖の真上。しかもお湯は近くから湧き出る天然温泉を引き込んでの源泉かけ流し! ロケーション・泉質ともに最高の、ものすごく贅沢な温泉です。
入場無料のコンサート!
氷で作ったアイスホールでは、コンサートが行われます。ピアノやダンス、ジャズなど、様々なアーティストによるショーを楽しむことができますよ。入場料が無料ということで、白クマさんもコンサートを聞きに来たようですね(笑)。
このほか、氷のグラスや氷の彫刻作り、スノーモービル、クロスカントリ―スキーなど体験メニューももりだくさん。冬の間だけ見ることができる素敵な氷の世界、今年は3月21日までとなっています。春の訪れは待ち遠しいですが、雪よ、どうかとけないで・・・。